#69: メタバース、クレジットカード、コーヒー

#69: メタバース、クレジットカード、コーヒー

おはようございます。今週はどんな一週間でしたか?

今週は来週に予定している最新号の発送準備に追われていました。香港から届いた印刷されたばかりの雑誌たちが通関するのを今か今かと待つ間に、みなさんへ発送する封筒の準備や住所ラベル貼り、そして先に届いたサンプルコーヒーとポストカードを事前に封筒に同封していきました。雑誌が来週水曜に届き次第、封筒に入れ込んで封をして、配送業者に回収していただいてから全国へ一斉に配送が開始されます。あともう少しで皆さんのもとへお届けできます。楽しみにしていてくださいね。

そして最新号のリリースを記念して、11月9日より代官山 蔦屋書店にてStandartのフェアを開催しています。しばらくぶりとなる今回のフェアでは、コーヒーを通して追求する3つの美をテーマに(「美味」「暮らしに馴染む美しさ」「地球を想いやる心の美しさ」)、素敵なコーヒーブランドの方々が一緒にフェアを盛り上げてくれています。最新号のStandartも全国一斉発送の後、到着次第店頭に並びますよ。

フェア後半の11月23日(火)には、代官山 蔦屋書店が開催するトークイベントに、制作のAtsushiと一緒に参加します。コーヒー1杯のお値段でオンライン参加できますので、よければ私たちと一緒に画面越しにコーヒーでも飲みましょう。最新号の制作話や記事の内容、皆さんからのご質問などに答える時間にしたいと思います。ご都合の合う方はぜひ!(リアルタイムでご参加いただけない方も、お申し込みいただけるとアーカイブ観れるそうです😉)

来週は1年ぶりに、スペシャルティコーヒーカンファレンス SCAJが東京ビッグサイトで開催されます。Standartも3日間、Coffee Village内のブースで出展していますので、もしお越しになる方がいらっしゃいましたら、ぜひお立ち寄りください。読者の皆さんやコーヒープロフェッショナルたちとお久しぶりにフェイスtoフェイスでお話できる貴重な機会、本当に楽しみです。お久しぶりな方も、初めましての方も、お会いできるのを楽しみにしています!

それでは良い週末を。

編集長 Toshi

 

 

 

This Week in Coffee 
世界のコーヒーニュース

走らぬ物流に走る緊張

現在Louis Dreyfus、Olam、Volcafeといった大手生豆商社が、ブラジルの数百のコーヒー生産者に対して法的措置を検討しているとロイターが報じています以前のニュースレターでも触れたように、物流の混乱や気候変動に起因するブラジルでのコーヒー不作の影響で、アラビカ価格の高騰が続いています。そんな中、アラビカ種の三大生産国であるブラジル、コロンビア、エチオピアでは、農家が過去に合意した価格でコーヒーを引き渡さず、高い市場価格での現物取引を試みているため債務不履行が増加しているそうです。

Volcafeの場合、ブラジルとの取引の約5%に問題が生じているそうで、農家との交渉を前提としながら、必要に応じて法的措置をとっているとのこと。加えてブラジルではコーヒーのみならず大豆でも同様の事態が発生しており、弁護士の派遣や人工衛星の活用、インセンティブの上乗せといった対策を講じつつ取引成立を目指す動きが見られています。

しかしここで更なる大きな問題が。ブラジルからの先物販売量の激減です。これまでは、ブラジル産コーヒーの先物取引に依存する形で市場価格の上昇が抑えられていましたが、債務不履行の増加や逼迫する物流状況を背景に、その量が大きく減少しているとのこと。これに伴って供給量がさらに減少すると、世界各国でコーヒーの入手が困難になる可能性があるとして、コーヒー業界全体に緊張が走っています。

その他の気になるニュース

▷ 昨年度 (2021年7月締め)のエチオピアのコーヒー輸出額が、過去最高の約1030億円を記録。今年度はそれを上回ると予想される一方で、現在同国では反政府勢力による進軍を受け、国内全域に非常事態宣言が発令されています。

▷ 2022年北京冬季オリンピックの会場では、利便性向上と感染対策を目的にロボットシステムの導入が進んでいます。会場にはコーヒーロボットの姿も。

▷ 世界的なサプライチェーンの大混乱の影響を受け、現在レストラン・カフェ業界では、コーヒーカップやストローといったテイクアウト用備品の供給不足が深刻化しています。

▷ Microsoftが2022年の公開を目指して開発に取り組んでいるメタバース「Mesh」。3Dアバターと仮想空間が組み合わされたこのデジタル空間では、社員が研修やコーヒーブレイクのために集まれる仮想キャンパスもあるのだとか。

▷ クレジットカード会社American Express (Amex)がベーカリーカフェチェーンPanera Breadと提携し、新規入会特典に半年間のコーヒーサブスクの提供を開始。心を鷲掴みにされるコーヒー好きの姿が目に浮かびます。Amex、恐るべし。

 

 

What We're Drinking
今週のコーヒー

LUCENT COFFEE
東京(地図

"LUCENT"
半透明な・光る・輝く
「何かに染まらず、半透明に自然に溶け込む日常の一部になるように。」

コーヒーで暮らしを豊かに。 私たちは浅煎りのコーヒーのみをつくります。 コーヒー本来のもつ甘みや酸味、フルーツを思わせる風味を味わっていただきたいからです。 コーヒーが苦手な方にも楽しんでいただけるよう苦味や刺激の少ないコーヒーを提供、販売いたします。 みなさまの暮らしが、コーヒーで豊かになりますように。

生産者:ニグセ・ゲメダ・ムデ農園

生産地域:エチオピア シダマ州ブレ群カラモ住民自治組織ハイーサ(地図

品種:74158

精製方法:ナチュラル

テイスティングノート:チョコレート、メロン、ライチ、フローラル、スパイス、ブラックベリー、クリーンカップ、コンプレックス

編集長のコメント:

図らずも、前の週と同じ生産者さんのコーヒーでした。おそらく同じ豆になると思うのですが、焙煎の違いで全く異なるコーヒー体験。お湯を注いだカッピングボールから漂ってきたのは、花の蜜のようなほのかな甘さを感じるアロマ。香りの奥には葉巻やスパイス(シナモンスティックやクミンシード)のようなニュアンスも。熱めの温度でしっかりと感じたのは、テイスティングノートにもあるメロンでした。メロンの真ん中部分のトロッとした甘さとみずみずしい口当たりを感じます。ちょうど良い温度に下がってくると現れたのは、ピオーネを頬張ったような果実感。そこから、コロコロと表情を変えていくように、複雑にフレーバーが重なり合っていきます。ただ、飲み初めから終わりまで一貫して感じ取れるのは特徴ある優しいフローラルな甘み。非常に心地よく、この感じなんだっけなと思い出したのは桃の天然水。派手じゃないけれどしっかりとした存在感と、思わずヒューヒュー言っちゃうくらい、とにかく「プリティ」と形容したくなるコーヒー。透明感と芯を感じる美味しさでした。


Artists in Residence
Standartを彩るアーティストたち

 アーティスト: 

オリンピア・ピッコロ Instagram ウェブページ

プロフィール:

ローマを拠点に活動するフォトグラファー。ファインアートとファッションを融合したドキュメンタリーの世界を通じ、ユニーク且つ実在性のある物語の創作に情熱を注ぐ。英語版Standartの編集部メンバーが手がけるValet Magazine Issue 2のカバーフォトも担当。

最新の掲載記事:

Standart Japan第15号 カバーフォト

Inspiration
おすすめの本、映画、音楽、アート

『コーヒーと短編』 - 庄野雄治
 

『コーヒーと小説』、『コーヒーと随筆』に続く、徳島の焙煎所Aalt Coffeeの庄野雄治氏が編纂した本シリーズ第三弾の完結編。収録されているのは「コーヒーにまつわる話」ではなく、厳選された「コーヒーによく合う話」。「コーヒー一杯を飲むあいだ、手には読み切れるくらいの長さの短編。小説も随筆も詩も様々な書き手が並んでいれば、それは素敵なことではないか。」という庄野氏の言葉に共感するコーヒーラバーもきっと多いはず。本作『コーヒーと短編』は、ジャンルや長さ、ストーリーのテンポ感から生まれる強弱が非常に印象的です。個人的に毎朝コーヒーと共に読み進めていく中で、一編だけを読む朝もあれば、二編、三編とそのリズムや抑揚を味わう日もあり、本の流れにただただ身を委ねる心地良さを堪能できる一冊になると感じています。また本作には、シリーズ内全てのカバーモデルを務めるシンガーソングライターの安藤裕子氏の書き下ろし短編も収録されており、そちらも見逃せません。皆さんのコーヒーライフをさらに彩る一冊にいかがでしょうか?



Brewing with…
あの人のコーヒーレシピ 

岡崎 湯子 aka yucci

長崎県雲仙市出身。双子のママ。 STARBUKSCOFFEE、阿佐ヶ谷のオーダー焙煎所、水道橋自家焙煎コーヒー屋で働いた後、神出鬼没なコーヒー屋「公園喫茶ゆう子」として活動。 現在は三軒茶屋は茶沢通りマンモスビル にて、毎日コーヒーを焼いて、淹れて、人と話して、たくさん笑う日々。沢山の方々のおかげで、やっていけてます。好きなこと:キャンプ、銭湯、サウナ、朝ドラ、植物、たくさん寝る

セットアップ:

抽出器具: COFIL 波佐見焼セラミックドリッパー
豆量:24g
湯量:300g
挽き目:中粗挽き
湯温:86-88℃
抽出時間:3:00

手順:

  1. ビーカー、ドリッパーにお湯をかけてしっかり湯通し
  2. 粉は(出来れば)茶漉しで少し微粉を落とす。目詰まり防止
  3. お湯50g程注いで40秒程蒸らす (コーヒーの膨らみをよくみて、優しくゆっくり注ぐ)
  4. さらに60g 注ぐ30秒程待つ(呼吸をするように少しずつコーヒーのおまんじゅうを育てるイメージ。)
  5. トータル300gになるまで、少しずつお湯を早くしながら注ぐ

    ポイント:

    中深煎りから深煎り向けのレシピ。 長崎出身なので、波佐見焼のドリッパーを、紹介したくて。 家コーヒーに非常におススメです。 コーヒーオイルを残しつつ、とても円やかな仕上がり。 低めの温度でまろやかに、心穏やかに、肩の力を抜いて、美味しくなってくれーと願いながら淹れてます。

    コメント:

    コーヒーに沢山背中を押してもらって今があるので、誰かの背中を押してあげれるようなコーヒーをいつも作りたいと思っています。


     

    今週の The Weekend Brew はいかがでしたか?

    今週のShout-out! は、Standartのオンラインイベント前日11/22(月)に開催される代官山 蔦屋書店の別のオンライン企画。The Weekend Brewにもたびたび登場する(だって好きだから!)ニュースレター Lobsterrの初の書籍「いくつもの月曜日」の刊行を記念したトークイベントで、司会はStandart Japan 9号でインタビューした「Magazine isn't dead.」を主宰する高山かおりさん。もしStandartのイベントと同日に開催されるということになっていたら、間違いなくこっちを観てくださいとお勧めしたいくらい、価値ある時間になるはずです。

    バックナンバーを含め、The Weekend Brewの感想やコメントはぜひ #standartjapan のハッシュタグと共にシェアをお願いします! 質問はメールでお待ちしております。またお友達やご家族など、The Weekend Brew を一緒に楽しんでもらえそうな方にこのメールを転送していただけると嬉しいです。

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    今週の The Weekend Brew は Standart Japan 第18号スポンサーのブルーマチックジャパン、パートナーの Victoria Arduino x トーエイ工業The Roast Expert by PanasonicFAEMA x DKSHのサポートでお届けしました。

    LOVE & COFFEE✌️
    Standart Japan
    (執筆・編集:Takaya & Atsushi)