#38: トイレ、ギャング、コーヒー

おはようございます。今週はどんな一週間でしたか?

今週は、前回のニュースレターでお知らせしたダテーラ農園のコーヒー豆プレゼント企画をスタートしました。ダテーラ農園のラインナップの中で最も甘いコーヒーを目標に作られたCollectionシリーズ「スイートイエロー」。そんなスペシャルなコーヒーを名古屋のTRUNK COFFEEさんが焙煎してくれました! 10名様限定のプレゼントで、こちらのインスタグラムの投稿にコメントいただければ、誰でもご参加いただけます! 期間は4/16(金)まで。インスタグラムをやっていない方は、こちらのメールにご連絡いただいてもOKです👌

そして、Standart Japan 15号は間もなく在庫切れ🏃🏻‍♀️ 在庫がなくなり次第、販売は終了となりますのでお早めにどうぞ。定期購読者限定のサンプルコーヒー(スイスのMAME specialtyのもの)もまだ付いてきますよ。

最近のStandart Japanは、次号の印刷がスタートし、ほっとひと段落。5月頭のリリース予定です。これまでにあまり取り上げられてこなかったアングルで、今回もコーヒーの世界を眺めています。きっと面白いと思ってもらえるはずです。楽しみにしていてくださいね。

最後に、Standartは常に新しいストーリーやアイディアを募集しています。英語版Standartには、毎週のようにコーヒー業界内外で活躍する経験豊富なライターの方々からご連絡をいただくのですが、Standart Japanとしてもクリエイティブで面白い企画やアイディアを常に受け付けております。我こそはという方はぜひ、hello@standartmag.jpまでご連絡ください。

それでは良い週末を。

編集長 Toshi


 

This Week in Coffee 
世界のコーヒーニュース

オープン・ドア・ポリシー

現在アイルランドで議論を呼んでいる公衆トイレ不足問題。日本だとコンビニや駅などのトイレを無料で使えるのでイメージしづらいかもしれませんが、公衆トイレが有料の国は多く、海外旅行中にトイレに困った経験のある人は約90%に及ぶとのデータもあるほど。これまでダブリン市は、薬物乱用や破壊行為を理由に全ての公衆トイレを閉鎖していましたが、昨年の新型コロナ大流行で公共施設の多くが休館し、それに伴い誰もがアクセスできる市内のトイレの数も減少。そこで昨年の夏、急遽2つの仮設公衆トイレを設置したところ、市民から設置拡大を要望する900名以上の署名が集まっているのだそう。

市議会としては仮設トイレの維持費も侮れず、費用効果の高い解決策として目を向けられたのが、なんとコーヒーショップ。現在作成中の法案によると、コーヒースタンド運営者が一般市民向けにトイレの提供・衛生管理を行う場合、コーヒースタンドのライセンス料の減額または免除が行われるそうで、市民はコーヒー購入の有無にかかわらずトイレを使えるようになると期待されています。

そしてこの機会に知った、トイレに焦点を当てたカルチャーマガジン『Facility』。こちらのインタビューで公共トイレへのアクセスがないということは、都市空間が人々に開かれていないことと同義であると語られているように、「全ての人に開かれる」社会について、常に多様な切り口から考える必要があると考えさせられます。何よりコーヒーラバーにとって、トイレ問題は致命的ですからね!

 

味わいの交差点

子どもの頃「大人の飲み物」や「健康に悪い」という理由でコーヒーを飲ませてもらえなかった「苦い記憶」は、コーヒーラバーにとってはおなじみと言えるかもしれません。しかしこちらの記事には、そんな「コーヒー(カフェイン)は子どもの発育を阻害する」という主張に科学的根拠はないとの指摘が。

同記事によると、コーヒーと共に語られる健康被害の一つに骨粗しょう症のリスク増大があり、その背景には、カフェインがカルシウム排出を増大させるという研究や、コーヒードリンカーはミルクの消費量が少ないという報告が挙げられるとのこと。一方近年の研究では、逆にコーヒーが骨の健康を増進する可能性も示唆されており、少なくともカフェインの摂取が、骨の状態や体内のカルシウム吸収に悪影響を及ぼす証拠は見当たらないそうです。しかし成人にも作用するカフェインの覚醒効果等を踏まえると、年齢や体型に合ったカフェインの摂取制限は必要だそうで、カナダでは政府が年齢別の推奨カフェイン摂取量を発表しているのだとか。イエスかノーかだけでなく、常に何事にも節度を持った行動が大切のようです。

思い返せば、昔はちょっと背伸びをして飲んだ「大人の味」も、いつしか毎日の生活に欠かせない存在に。ずっと一杯ずつ淹れていたコーヒーは、大切な人たちが増えるに連れて二杯、三杯に。コーヒーを通じて私たちの「これまで」と「これから」が重なり合う、そんなひと時を、私たちはコーヒーと共に味わっているのかもしれませんね。

 

その他の気になるニュース

▷ 仏農業研究機関CIRADが、コーヒー栽培に使用する農薬の削減を目指すイニシアチブEcoffee R&Dを開始。世界中の組織と協力しながらさまざまな無農薬農法の効果について研究し、農家への情報普及活動に注力するとのこと。

▷ NBAのSpursがアパレルライン「コーヒーギャング」を限定ローンチ。休日のコーヒータイムを通して親睦を深める「コーヒーギャング」がSpurs内の伝統として受け継がれており、ロックダウン中にはバーチャルコーヒーギャングとしても活動していたそう。

▷ スターバックスがデジタルアセットプラットフォームBakktと連携し、ビットコインでの支払いを受付開始。残念ながら店頭で直接ビットコイン払いとはいかず、Bakktのアプリからスターバックスカードにチャージするという流れになるそう。

▷ Sprudgeのこちらの記事で、昨年以降盛んとなった世界のオンラインコーヒーコミュニティが紹介されています。日本だと2014年ワールド・バリスタ・チャンピオン井崎さん主催の#BrewHomeが有名で、過去には編集長トシがお邪魔した回も。

▷ ネット上で格安iPhoneを見つけたタイに住む10代の少年。早速注文し、後日届いた「思ったよりも大きな荷物」を開けてみると、そこにはなんとiPhone型のコーヒーテーブルが。記事によると少年は興奮のあまり概要欄を見忘れてしまったのだそう。ポチッと前の一呼吸を大切に。

 

What We're Drinking
今週のコーヒー

Coyote-Coffee

 

COYOTE
京都

「Between you and producers」をコンセプトに 中米エルサルバドルの生産者と直接取引するコーヒーブランド。 農園に1年以上住み込んだバイヤーと大会優勝歴のあるバリスタの2人で 植物、農作物としてのコーヒーから、⽇常の嗜好品としてのコーヒーまで。 ⽣産者が⼿間を惜しまず育てた1本の⽊から、消費者が⼿にする1杯まで。 ⽣産地のストーリーと共に、コーヒーをお届けしています。

コーヒー:
ブレンド

生産国:
エルサルバドル

生産者:J.Raul Rivera

農園:Finca Santa Rosa

生産地域:チャラテナンゴ(地図

品種:パカマラ

精製方法:ハニー

テイスティングノート:
アプリコットジャム、オレンジキャンディ、ブラックハニー、アッサムティー

編集長のコメント:
お湯を注ぐと、チェリーや甘い花の蜜がふわりと辺りを漂うように香ってきます。一口啜るとすぐに感じたのは、瓶のジャーを開けた時に香ってきた独特なミルキーなアロマ。口の中から鼻に抜けて行きます。昔タイで食べたクリーミーなドリアンがふっと頭をよぎりました。そして口の中で踊るような酸味と甘みを感じ、青リンゴを彷彿とさせます。芳醇なフレーバーは奥行きがあり、シェリー酒のようなニュアンスも。少し冷めて来ると、甘さがテクスチャーを帯びたように鮮明となり、その味わいは白ワインのピノ・グリージョのよう。果実味とミネラル感、甘さのバランスが心地いいです。生産者のラウルさんのコーヒーは、これまで何度かいただく機会があり印象に残っているものも多いのですが、このくらいの落ち着いた雰囲気のコーヒーが個人的にはかなり好みでした。


Inspiration
おすすめの本、映画、音楽、アート

Keeping Love Close
リンク

New York Timesのビジュアルエッセイシリーズ「Surfacing」で今週特集されていた、アジア出身者やアジア系アメリカ人が考える愛のかたちに思わず目頭が熱くなりました。作家セレステ・イングのエッセイを軸におき「Keeping Love Close」と題されたこの記事を彩るのは、アジアにルーツを持つ何人ものフォトグラファーが語る愛と、それが表現された写真。決してドラマチックとは言えない写真の数々ですが、"普通"が失われた今だからこそ響くものがあります。中国では親子の会話は常に「ちゃんとご飯食べてる?」で始まるという、セレステ・イングの言葉にはきっと中国以外で生まれ育った人たちにも共感するところがあるはず。そして、ハグやキスといった直接的な愛情表現が苦手な人たちにとっては「心配」こそが愛のかたちなんだ('love disguised as worry')という文章を読んで、思わずしばらく連絡をとっていなかった親に「最近元気?」とメッセージを送りました。このビジュアルエッセイ自体は有料購読者限定コンテンツですが、こちらのInstagramポストに一部が抜粋されています。


Brewing with…
あの人のコーヒーレシピ 

 

佐藤 成実

2016年ワールドサイフォニストチャンピオン。2013年よりスペシャルティコーヒー業界に入り、三軒茶屋OBSCURAにて抽出から焙煎まで務める。現在は退職し、今冬の自店設立に向けて準備中。旅行を通じてその土地の文化や食べ物に触れることが好き。

セットアップ:
抽出器具:サイフォン
豆量:15g
湯量:190cc
挽き目:中細~中挽き
撹拌:2回
抽出時間:1分前後

手順:

  1. フラスコに湯を入れ、フィルターを付けたロートをセットし熱源にかける
  2. フラスコ内の湯が沸騰したらロートを差し込む
  3. ロートにお湯が上がったらコーヒーの粉を入れ、すぐに攪拌
  4. 粉が混ざったら浸漬。浸漬時間は、浅煎りが20秒・深煎りが15秒
  5. サイフォンを熱源から外し、もう一度攪拌

      ポイント:

      ▷ サイフォンは、HARIO テクニカ2人用でネルフィルターを使用
      ▷ 火力は、沸騰するまでは強火。抽出を開始するときは弱火に
      ▷ 撹拌は、ロート内に"渦"をつくるイメージ
      ▷ 1回目の撹拌は、”しっかり"と。目安は、湯・粉・泡の3層がくっきり分かれること
      ▷ 2回目の撹拌は、1回目より”優しく”。目安は、泡の色が白っぽくなるまで

            一言:
            自宅で淹れる時のサイフォンレシピを紹介させていただきました。サイフォンは、味はもちろん、淹れる演出も楽しめる抽出器具です。海外でもじわじわ注目を集めている器具なので、今後のトレンドとしても注目しています。


             

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            今週の The Weekend Brew は Standart Japan 第15号スポンサーの 兼松株式会社、パートナーの Victoria Arduino x トーエイ工業Paradise Coffee RoastersPrana ChaiTypicaのサポートでお届けしました。

            LOVE & COFFEE✌️
            Standart Japan
            (執筆・編集:Takaya & Atsushi)

            #38: トイレ、ギャング、コーヒー

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