おはようございます。今週はどんな一週間でしたか?
先週末のTokyo Coffee Festival(TCF)を無事に終え、年内のリアルなイベントへの参加は全て終了しました。
Standart Japanを創刊の頃から知っている人はご存知かもしれませんが、TCFは私たちにとって思い出の場所。2017年に日本語版のStandartが創刊した際、初めて日本のコーヒーラバーの皆さんに雑誌をお披露目したのはこのイベントでした。あれから6年半が経ち、Standart Japan に関わるメンバーも4人に!(ちょうど4人そろったタイミングでパシャリ Photo by @tomo__110)
TCFは四年ぶりの開催ということもあり、とても賑わっていました。初めて参加させてもらった時も、とてもいい天気で気持ちのいい日だったと思い出させてくれるほどに快晴で、コーヒーを飲みながら楽しむコーヒーラバーたちの姿があの日を鮮明に思い出させてくれました。この場を借りて、ブースにお立ち寄りいただいた皆さん、ありがとうございました!
最新号の印刷も無事にスタートしています。今週はサンプルコーヒーの通関手続きも行い、スムーズに輸入が完了しました。今回はサンプルコーヒーにちょっとしたサプライズがありますよ。楽しみにしていてください。来週は最新号のリリースで忙しくなりそうです!
それでは皆さん、よい週末を。
This Week in Coffee
世界のコーヒーニュース
容器が孕むリスクの行方
英国『ザ・ガーディアン』の記事で、一部の竹製の使い捨てカップや子ども用食器類が、健康被害に繋がる危険性を孕んでいると報じられています。竹製カップに使用される原料は、竹とメラミンやホルムアルデヒドなどが合成されたメラミン樹脂。この成分が健康被害に繋がる可能性があるとして、英国食品基準庁(FSA)は今年6月、販売業者に製品回収と販売中止を勧告しています。
疑惑が上がったのは2019年。ドイツの連邦リスク評価研究所が、一部の竹製カップにお茶やコーヒー、乳児用粉ミルクのような温かい液体を入れた場合に、液体内にメラミン樹脂が溶け出す可能性があると警告を行いました。その発表によると、液体内に溶け出すホルムアルデヒドの量は、成人の一日の許容摂取量の約30倍で、幼児の場合は120倍超。急性の健康被害はないものの、高いレベルのメラミンとホルムアルデヒドの摂取が繰り返されれば健康リスクに繋がる恐れがあります。
こうした事実を受け、Amazon上では2年前より、竹とメラミン樹脂を使用したカップや食器類の販売が禁止に。英国のWWF(世界野生生物基金)は、英国メディア『ザ・オブザーバー』からの指摘を受け、ウェブサイト上での竹製カップの販売を中止しました。また昨年11月、欧州委員会は竹やその他の認可されていない添加物を含む食器製品は、安全基準をクリアしていないことから販売は違法であると警告しています。
気になるニュース
▷ 米ナショナルコーヒー協会(NCA)が発表した2022年度の経済効果レポートによると、米国の消費者は、コーヒーおよびコーヒー関連商品に一日当たり約453億円(約1兆5,000万円/年)を費やしているそうです。ちなみに22年度の米国コーヒー産業の経済効果は約5兆1,689万円で、2015年比で52.4%増加しています。
▷ オーツミルク企業「オートリー」が、英国の食品・飲料企業に向けて、商品のCO2排出量情報を開示する「気候ラベル」導入を呼びかけるキャンペーンを実施中。さらにこのキャンペーンに賛同した乳製品企業へは、同社が所有する広告スペースを無料提供すると発表しています。
▷ シンガポール大学の研究チームの論文で、中年期にコーヒーやお茶などのカフェイン飲料を日常的に摂取した人は、老化による身体機能の低下が軽減される可能性があることが示唆されました。今後さらなる研究を進めるなかで、この効果がどの成分に起因しているのかの関係性を探るとのことです。
▷ 最近中国の一部の若者の間で、コーヒー以上の覚醒効果が期待できるとして酸素呼吸器が流行っているそうです。しかしこの主張には科学的根拠はないとされ、なかには酸素中毒を訴える事例も。なによりも大切なのは、あなたの健康です。まずは身体を第一に。
▷ UCCがコーヒー豆を丸ごと使用した“食べるコーヒー”こと「YOINED(ヨインド)」を限定発売。凍結させた焙煎豆を粉砕し、コーヒーオイルや植物油脂、砂糖などで固めたのだそう。構想から商品化までは20年以上、そのお味はいかに?感想お待ちしております。
物足りないあなたへ
ソウル・インターナショナル・カフェ・ショーが、11月8〜11日に開催予定。先日開催されたレストラン・ホテル業界の国際展示会「ホストミラノ」にて注目の最新グラインダー&エスプレッソマシン。。
コーヒーイベント
▷ 東京:「ルミネ新宿コーヒーフェスティバル」が開催中!本日最終日です。
▷ 広島:「Coffee City Festival Hiroshima」が11/3(金)〜5(日)に広島パルコにて開催予定!11/24(金)〜26(日)には大阪・心斎橋パルコでも開催予定です。
▷ 東京:青山の国連大学中庭にて、お茶イベント 「Tea for Peace」が11/11 (土)〜12 (日)に開催予定!当日はお茶のテイスティングの機会に加え、茶会やワークショップなどもあるそうです。
▷ 神奈川:「YOKOHAMA COFFEE FESTIVAL 2023」が11/24(金)〜26(日)に横浜ハンマーヘッド1F CIQホールにて開催予定!第3回目となる今回は、初の単独開催および開催規模を拡大しています。
※日本各地で開催されるコーヒー関連のイベント情報を募集しています! Standart CommunityやInstagramのDMやメール(hello@standartmag.jp)でぜひシェアしてください!
What We're Drinking
今週のコーヒー
Elephant Coffee 福岡(地図)
お店プロフィール 福岡県筑紫野市の朝倉街道駅の前でちいさな「カフェ」をしています。天拝湖のほとりの「珈琲焙煎所」です。
生産者:アシエンダ・サン・イグナシオ
生産地域:コスタリカ タラス県パウミチャル・デ・アコスタ(地図)
品種:Hybrids Blend(H15 & H3)
精製方法:ナチュラル
テイスティングノート:赤ワイン、チョコレート、ラズベリー、スウィートベリー、丸い口当たり
編集長のコメント:
きらきらと輝く挽いたコーヒーにお湯を注ぐと、湯気に混じったスパイスの香りや、太陽にあたった枯葉のような香りがします。意外と飲む機会が少なかったコスタリカのナチュラル。香りから「あ、これ美味しいやつだ」と期待値を上げてくれます。スプーンにすくった液体を勢いよく啜ると、口いっぱいに広がる甘酸っぱいブラッドオレンジや赤ぶどうのようなフレーバー。軽やかでジューシーな赤ワインも浮かんできますが、しっかりと芯のある味わいで、舌の奥に染み込んでいくよう。チラッとコーラも頭によぎりました。ややとろりとした質感が心地いいです。味わいも後半になると、甘さがしっかりと顔をのぞかせてきます。黒糖っぽさを感じた後にチョコレートのようなニュアンス。それがゆっくりと消えていったかと思うと、アーモンドを彷彿とさせる余韻。あとちょっと、あとちょっとと飲みたくなるコーヒーで、気づいたらなくなっていました。こういうコーヒー好きだなぁ〜。飲んでみたい方はこちらから。
What's New in the Community?
Standart Communityで起きていること
今週のStandart Communityでは、以前コミュニティ内でも紹介された音楽×コーヒのアンケート調査(ニュースレター#146でもご紹介)をもとに完成されたZINEがシェアされました!アンケート結果の考察など、コーヒーと音楽についてたっぷりとまとめられたZINE、ぜひチェックしてみてくださいね!
現在オンラインショップは準備中とのことですが、11/11(土) に開催予定の文学フリマ東京にも出店予定だそうです!
※Standart Japan定期購読者の皆さんにはCommunityへの招待状をメールでお送りしています。まだの方はぜひご参加ください!
Inspiration
おすすめの本、映画、音楽、アート
『イノセント』
近年監督としても高く評価される人気俳優ルイ・ガレルが監督・主演を務めたラブコメディ。俳優陣は『燃ゆる女の肖像』にも主演したノエミ・メルランにルイ・ガレル本人と、一見コメディ映画との接点が感じられない二人ですが、映画が始まるや否や、そのキャスティングの妙を感じずにはいられません。ミニマルな手作り感を残しつつ、絶妙なテンポ感で展開されるヘンテコなストーリーはまさに傑作。登場人物たちのシリアスさがゆえに生まれるユーモアは中毒性すらあります。個人的には、ノエミ・メルランのコメディエンヌっぷりが最高で、今後のコメディ作品への出演をひそかに期待しています。ちなみに本作は、最近劇場公開しているエスキル・フォクト監督の『イノセンツ』とは全くの別物なのでご注意を。僕はホラー映画は絶対に観ません、怖いので。
Brewing with…
あの人のコーヒーレシピ
高橋 文哉
スペシャルティコーヒーを日本に広めたロースターのもとで基礎を学び、15年以上バリスタとして最前線で活動。一般の方向けのワークショップやSCAJの競技会を通して、生豆の選定から焙煎、抽出、器具の開発にいたるまで、コーヒーに関わる全てに携わる。また、新しいコーヒー器具の開発やレシピ提供、イベント運営、他業種とのコラボレーションなど幅広く活動。SCAJのコンペティションでは自身も出場して3度入賞、トレーナーとしては3人のファイナリストを世に送り出しコーチングも務める。RMTC(ローストマスタースチームチャレンジ)では関東Aチームとして優勝。現在は焙煎とカフェコンサルティングを行いながらコーヒーの未来へ向けて進む。
5 questions
今気になっている問いは?
「SCA Coffee Value Assesment」
日々変化するコーヒーのvalueについていつも考えてしまうからです。
お気に入りの場所は?
「上海」
はじめて行った時に素晴らしい出会いと共に街並みや文化の魅力、そしてこれからの可能性を感じたからです。
譲れないこだわりは?
「時間を無駄にしないこと」
限られた時間を悔いなく過ごして、最後までみんなと一緒に幸せでいたいからです。
今誰と一緒にコーヒーを飲みたい?
「未来の自分」
10年後、20年後の自分とコーヒーを通して話をしてみたい。
最近のやらかしエピソードを教えてください
ニュースレターの記事の納期を勘違いして遅れたこと......。(編集部注:でも間に合いました!)
Fancy a refill?
編集後記
コロナ前ぶりに、山口県の祖母の家に帰省。一人暮らしが長くなると誰かと生活するという感覚が薄れてきますが、ふとしたときに交わす会話や、何気なく他の人のコーヒーも一緒に淹れる喜びは、何にも代え難いなと感じます。本棚にあるものすごい昔の英和辞典がハリーポッターに出てきそうな装丁だったり、タイプライターやヴィンテージのエアコンがあったりと、いろいろ楽しいです。
Takaya
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今週の The Weekend Brew は Standart Japan 第25号スポンサーのPostCoffee、パートナーの Victoria Arduino x トーエイ工業、TYPICA、セラード珈琲、Probat x DKSH、SYU HA RIのサポートでお届けしました。
LOVE & COFFEE✌️
Standart Japan
(執筆・編集:Takaya & Atsushi & Nanako)