Standart Japan第20号のパートナーを務めてくれたMiiR Japanに、同社が現在Product to Projectを通じて取り組んでいるホンジュラスでの水・衛生改善プロジェクトについて訊きました。
以前のブログポストで「Product to Project」について伺いましたが、改めて簡単にその仕組みについて教えていただけますか?
「Product to Project」はMiiRのビジネスの根底にある仕組みで、毎年収益の3%を「綺麗な水」「 健康的な大地 」「強く て公正なコミュニティ」にフォーカスしつつ、さまざまなプロジェクトの支援に拠出しています。また私たちの商品を購入してくれた方々にその実態をお伝えできるよう、商品に記載されている個別のコードを使って、購入金額の一部がどんなプロジェクトに使われているのかをウェブサイトで確認・追跡できるような仕組みを整えています。製品がプロジェクトの支援に変換されることから、この仕組みを「Product to Project」と呼んでいます。
コーヒーに関連するプロジェクトも多く見受けられますが、Standart Japan第20号の中でも紹介されていた、ホンジュラスでのプロジェクトについて教えてください。
ホンジュラス・レンピーラ県サン・アンドレスにあるコーヒー生産地として有名なサン・アントニオ・グラナディーヤというコミュニティがこのプロジェクトの支援先でした。ここは48軒の小規模生産者からなるコミュニティで、プロジェクト開始までは何本かの小川と汚染された泉に水資源を頼っている状態にありました。
そこで私たちは非営利団体のWater1st International、それからレンピーラ県で地域の水資源や衛生環境改善に取り組む協同組合COCEPRADILとタッグを組んで、以下の支援を実施しました。
- 全ての家庭に水が供給される水道システムの整備
- 家庭や学校への水洗トイレ設置
- 設備を持続させるための技術伝承
- ゲームや歌、寸劇を通した衛生教育プログラムの提供
飲み水や生活用水を確保できないと生活がままならないということは想像できるのですが、それ以外に水へのアクセスが限られているとどんな問題が発生しえるのでしょうか?
家に清潔な水があれば、わざわざ遠くに水をくみにいかなくてすむため、その時間と労力を活用して収入を増やすことができますし、子供は学校で教育を受けることができます。つまり、清潔な水へのアクセスは貧困から抜け出すための重要なステップと言えます。
また、清潔な水が足りないことが原因で病気にかかる人も多いです。例えば、国連の調査によれば毎日世界中で1000人もの子どもが汚水や衛生問題に起因する下痢症状で亡くなっており、水くみの仕事の80%を担っているのは女性とされています。つまり水資源へのアクセスは生存にかかわるだけでなく、女性の社会進出の障壁とも捉えることができるのです。
プロジェクトを通じてサン・アントニオ・グラナディーヤにはどのような変化があったのでしょうか?
私たちは合計15,000ドルを出資し、以前から主な水資源として利用されていた泉の水の保護や、水道管と貯水槽の設置を通じて、同地域の48家庭、計240人の人々にきれいな水を供給できるようになりました。
現地の人々の様子はぜひこちらの動画をご覧ください。
この他にもMiiRは26カ国で、72のプロジェクトを支援しています。ルワンダのカヨンザ地区では女性への職業訓練と自立、また少女に対する性、健康、衛生の改善に取り組んでいたり、アメリカ・ワシントン州スカジット郡の農業公園では、新しい井戸と灌漑システムをサポートし、次世代に繋げる持続可能な有機農法の追求に取り組んだりしています。
プロジェクト詳細についてはMiiR.jpにてぜひご覧ください。
この記事は、Standart Japan第20号のパートナーMiiR Japanの提供でお届けしました。