#147: フルーツバー、Tシャツ、コーヒー

#147: フルーツバー、Tシャツ、コーヒー

おはようございます。今週はどんな一週間でしたか?

今月は22〜24日にギリシャのアテネでWorld of Coffeeが開催されます。世界中からコーヒープロフェッショナルたちが集まる大きなエクスポです。ワールドバリスタチャンピオンシップなどの世界大会も期間中に開催されます。

いつもはStandartの一部のメンバーが参加することが多かったのですが、今回はほとんどのメンバー(クリエイティブディレクターのKirill以外…)がアテネに集まってチームアクティビティとして過ごします。

日本からはAtsushiとNanakoと私。中国からはグラフィックデザイナーのNastya。タイからはエディター&カスタマーサポートのAmbrose。ジョージアからはカスタマーエクスペリエンスのSergey。ボスニア・ヘルツェゴビナからはマーケティングのMahira。イギリスからはエディターのLuke。そしてスロバキアからCEOのMichal。

グラフィックデザイナーのNastyaは、チームに参加したのがちょうどコロナ禍だったこともあり、これまで規制で中国から出ることができずにいました。数年一緒に仕事をしていながら、実はチームの誰一人として彼女に直接会ったことがまだありません。今回、彼女がバーチャルリアリティなんかじゃなかったというのを皆んなで確かめに行ってきたいと思います。

Standartもブースを出展しますが、面白いブースに仕上がっているので、現地に行く方はぜひお立ち寄りください。

最後になりますが、6/17(土) 20:00~ Standart Communityにて、第24号に掲載のTYPICA Labのメンバーとのオリジントリップを振り返るオンライントークを、参加ロースターのMANLY COFFEE須永紀子さん、そして主催のTYPICA 寺崎浩一さんをお呼びして開催します。定期購読者であればどなたでもご参加できますので、コミュニティのイベントリンクからぜひご参加してみてくださいね。

「Standart Communityって何?」「招待メール来てないよ!」という方は、hello@standartmag.jpまでご一報ください〜!

それでは今週も良い週末を!

編集長 Toshi

 

 

 

This Week in Coffee 
世界のコーヒーニュース

フレーバーノートの奏でる未来

スペシャルティコーヒーを語る際の「共通言語」とも言えるフレーバーノート。ロースターにとっては自分たちのコーヒーを効果的に紹介する表現方法に、消費者にとってはコーヒーの味わいを想像するきっかけになるなど、まさにコーヒーと人をつなぐ架け橋のような存在です。コーヒーメディア『パーフェクトデイリーニュース』の記事によると、近年西欧諸国を中心に、既存の表現に留まらない複雑なフレーバー表現が増えていると言います。例えば、2022年のバリスタチャンピオンシップでは、「マジパン」や「ベイカーズチョコレート(Baker’s Chocolate)」、「溶けたチョコレートアイス」など、より複雑な官能表現が使用されており、この傾向は欧米のロースターを中心に広がっているとのことです。

フレーバーノートの複雑化の要因の一つが、精製方法の多様化です。特に嫌気性発酵を行ったコーヒーの場合、複雑なフレーバーや特徴的なマウスフィールを帯びる傾向が強く、結果として、これまでにない官能表現や「丸みがかった(Well-rounded)」、「柔らかな(Velvety)」といったマウスフィールに関する表現をフレーバーノートとして用いる事例も増えているとのこと。新たな官能表現の登場は、スペシャルティコーヒー業界のさらなる発展を予感させますが、同時に一部の人たち以外が理解できなくなるといった排他性につながらぬよう、常に注意を向ける必要があります。また記事では、あえて特定の地域・コミュニティで親しまれるメーカーのお菓子(日本で言う「ハイチュー」など)といった、ニッチな官能表現を用いることで、その地域の消費者にとってよりインクルーシブなフレーバーノートを実現できる、という示唆に富んだ意見も紹介されています。

改めて、私たちはフレーバー表現のあり方を通じて、排他性を強めることも、地域・コミュニティ性を尊重することも、新たなフレーバーとの出会いを演出することもできるのだと考えさせられます。フレーバーノートを通じて、どのようなコーヒー業界の未来を描いていけるのか。引き続きニュースレターを通じて、最新の動向を追っていきます。

 

気になるニュース

▷  グリーンコーヒー協会 (GCA)が、米国の主要倉庫に保管されるコーヒー生豆在庫に関する月次レポートの発行を中止に。30年以上にわたり、グローバル市場のコーヒー在庫を理解するためのツールとして、世界中の輸入・出業者、アナリストやコーヒー関係者の間で用いられてきたとのこと。

▷ コーヒー生産地域における、女性のヘルスケアへのアクセス向上を目指すNPO団体「グラウンズ・フォー・ヘルス」が、コーヒーチェーン「ピーツコーヒー」と共同で、エチオピアとケニアのコーヒー生産地域に住む女性を対象に、子宮癌予防キャンペーンを開始。

▷ 米・カリフォルニア州議会で、アムステルダム式のコーヒーショップ(≒大麻カフェ)の経営を許可する法案が可決同州では元々大麻の使用は合法であったものの、使用場所は個人の自宅に限定されていました。

▷ 豪州でコーヒー精製時に廃棄されるチェリーの果肉部分をアップサイクルしたフルーツバーが発売中。元々チェリーの廃棄によって発生していたCO2の削減と、アップサイクルを通じたコーヒー農家の収益増加を目指すとのこと

▷ カプセル式コーヒーメーカー「キューリグ」から、ロック界のレジェンド・ローリングストーンズとのコラボキットが発売。限定デザインが施されたアイスコーヒーメーカーに、「Start Me Up」ブレンド入りのコーヒーカプセル、ローリングストーンズのメンバーが選曲したプレイリストが付いていくるとのこと。

物足りないあなたへ

サウジアラビア国内に500店舗以上を展開する、同国発のコーヒーチェーン「バーンズ」が、ロンドンに新規10店舗をオープン予定ブルガリア発の食べられるコーヒーカップ「Cupffee」。飲み物の温度は85℃まで対応可、賞味期限は製造から9ヶ月、サクサク感は注いでから40分間維持されるとのこと。

コーヒーイベント

▷ 愛知:2015年にインドネシアで公開され、一大ブームを巻き起こしたコーヒーを巡るドラマ、FILOSOFI KOPI(珈琲哲学〜恋と人生の味わい方〜)が上映されます!(6/18) 予告はこちら。

▷ 宮城:SENDAI COFFEE FESが開催中。本日最終日です!

▷ 福岡:COFFEE T-SHIRTS STORE 2023が、福岡・Stereo Coffeeにて開催中(6/9〜27)。全国のコーヒーショップのTシャツが福岡に大集合!企画は本誌最新号『シャウト』にも登場してくださった古賀さん!

日本各地で開催されるコーヒー関連のイベント情報を募集しています! Standart CommunityやInstagramのDMやメール(hello@standartmag.jpでぜひシェアしてください!

 

 

What We're Drinking
今週のコーヒー

 

HANDS COFFEE 福井地図

福井県福井駅前にある深煎専門店。主に深煎から中深煎までを5~7種類取り揃えております。今年中に再開発の為、閉店予定ですが新店舗に向け現在模索中。閉店しちゃう前に是非。

 

生産者サイード イズニ氏

生産地域:インドネシア アチェ州べネル・ムリア県ガヨ地区(地図

品種アテン アビシニア

精製方法アナエロビック ナチュラル

テイスティングノート
厚みのあるボディ感。葡萄ジュースのようなコクと甘酸っぱさ。ローストはシティからフルシティの中間程度で仕上げ、それぞれの個性を殺さず程良い塩梅で焼きあげました。

編集長のコメント:

今年に入って初めてのインドネシアです。しかも、個人的にはあまり見かけたことがなかった同国のアナエロビック精製のコーヒー。深煎りのアナエロビック精製のコーヒーをこのところ何度か飲む機会があり、とても相性が良いなと感じていたこともあったので期待も高まります。豆を挽くと一瞬で辺りに漂うダークチョコの香り。カッピングの準備ができて一口啜ると、香り通りのダークチョコレートを感じ、一瞬思い出したのはチロルチョコのコーヒーヌガー。さらにアメリカンチェリーやレーズンを彷彿とさせてくれるフルーツの果実味が力強く口に広がります。ビターなニュアンスはいやらしくなく、心地よささえ感じます。そして、このコーヒーの特徴はなんといってもその甘さ。砂糖でも入れてるんじゃないかと思えるほどです。液体は口にスーッと入ってきたあと、ぶぶーんという重低音が鳴り響き、とんでもなく長く甘い余韻が続きます。温度が下がってくると果実味をより鮮明に捉えることができ、粘性を感じる液体は、プルーンジュースやビロードのように滑らかでしっとりとしたどっしり濃厚系ワインを思い出させてくれます。クリーンな飲み口と後味にもびっくりしました。飲み終わった後に「すごい」の一言。ごちそうさまでした。飲んでみたい方はこちらから。(ちなみに、写真のパッケージはガスでパンパンになっていました)

 


What's New in the Community?
Standart Communityで起きていること

 

先週末に開催されたStandart Japan 第24号のローンチパーティの様子を、カスタマーエクスペリエンスを担当するNanakoが素敵にまとめてくれましたゲストエディターのTakayaが撮影してくれた写真からは、皆さんの楽しそうな様子が伝わってくるようです。次回はどこの街にお邪魔するのか、お楽しみに!

※Standart Japan​定期購読者の皆さんにはCommunityへの招待状をメールでお送りしています。まだの方はぜひご参加ください!

 

Inspiration
おすすめの本、映画、音楽、アート

FREEDOM DICTIONARY

先日、最新号のローンチイベントのために行った東京で、よく朝食のパンを買わせてもらうことが多いBEAVER BREADさんに立ち寄ったのですが、その時にレジの隣に置いてあったZineのような小冊子に目が止まり「なんでパン屋に?」と思いながらも不思議な既視感を感じて購入してみることに。クロワッサンをかじりながらぱらっとめくってから、ようやくなんとなく懐かしい気持ちになっていた原因がわかりました。もうずいぶんも前に福岡でトークイベントに参加させてもらった、桑原茂一さんが発行されている雑誌でした。音楽プロデューサーや選曲家、雑誌編集者など様々な肩書きを持つ桑原茂一さんは、1988年にフリーペーパー「dictionary」を創刊し、それ以来雑誌を作り続けています。2020年あたりにフリーじゃなくなったというのをSNSかどこかで見ていたのを思い出しました。それを機に「freedom dictionary」に名前を変え、「音楽の聞こえるアートギャラリー」をコンセプトに、アーティストの表現の自由の場としして引き続き継続して発行されています。実は以前、Standart Japan のEditor's Letterで、その福岡でのイベントで桑原さんにかけてもらった言葉をご紹介させてもらっていました。継続していくことでしか生み出されない価値があるという言葉は、今でも強く心に残っています。

さてその最新号のfreedom dictionary、フォトグラファーの高木康行さんの都市の肖像写真「GRIDSCAPE」シリーズに始まり、バーチャファイターのデザインワークで知られる寺田克也さんの作品、トリバコーヒー京都のオーナー・鳥羽伸博さんのコラム「京都の銭湯コミュニケーション考」なんかもあり、さすがのクオリティ。それでいてフリーペーパーの匂いはまだ残っていて素敵です。個人的には、アワジトモミさんの飛び出す4コマがかなりツボで、この手があったかとそのセンスの良さに脱帽でした。

 

Brewing with…
あの人のコーヒーレシピ 

 

山口 未来 

Lima Coffeeの姉妹店「仏生山珈琲 回」で店長をしています!珈琲を淹れながらお菓子も少し作っています。珈琲好きが転じて今バリスタをやっています。珈琲を知れば知るほど可能性は無限大だなと実感し、それが楽しく探求したいと思わせてくれます。今後はゼロから自分で手がけたお店を持つ為に珈琲乗る知識を深め新しいものに常に触れたいと思います!

5 questions

今気になっている問いは?

「子ネコの成長」
お店に迷い込んで来た生後1ヶ月も経っていない子ネコを飼っていただける方が見つかるまでお世話してまして、もともと犬派なんですが必死に生きようとする子ネコにいつも元気付けられています。無事新しい飼い主さんが見つかり、一安心したところです!

 

お気に入りの場所は?

「地元の海岸」
特別綺麗とかではないんですが、学生時代によく通った海があって、川と海の繋がりや穏やかな瀬戸内海を見ていると自分はちっぽけだなと感じ、まだまだやれると思い知らされる時間になります。今でも時々頭を冷やしに行く場所になっています。

 

譲れないこだわりは?

「におい」
他の人より少しだけ嗅覚が良いみたいで人を覚える時に顔、名前、においを関連付けています。なので、自分から発するにおいにはかなり気をつけているつもりです。何でもにおいを嗅いで確かめてしまう癖がついてしまったのでたまに生きづらさを感じる時もあります。コロナも緩和されてマスクをせずに生活しているので最近はより感じますね😭

 

今誰と一緒にコーヒーを飲みたい?

「仏生山珈琲 回のスタッフ」
誰かが県外に出るとお土産でコーヒー豆を買ってきてくれるのでいつもみんなで淹れてあーだこーだ言い合っている時間が好きですね。人によって同じ淹れ方なのに味が全然違うのも面白いです!

 

明日地球がなくなるとしたら誰と何をする?

「その時隣にいた人と地球から逃げます」
目の前の人を助けたいなと思います。

Fancy a refill?
編集後記 

『RRR』最高でした。もう『RRR』を観ていなかった人生に戻れないです。いやぁ、世界にはナートゥが足りてない。

Takaya

 


今週の The Weekend Brew はいかがでしたか?

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今週の The Weekend Brew は Standart Japan 第24号スポンサーのTYPICA、パートナーの Victoria Arduino x トーエイ工業Swiss WaterFaema x DKSHFellow x Kiguのサポートでお届けしました。

LOVE & COFFEE✌️
Standart Japan
(執筆・編集:Takaya & Atsushi)