#97: ジェル、誕生日、コーヒー

おはようございます。今週はどんな一週間でしたか?

今週は急遽、いくつかの打ち合わせの予定を詰め込んで、東京で2日間過ごしてきました。リモートでしかコミュニケーションを取れていなかった方々と初めてお会いしたり、久しぶりに再会したり、次号に向けた制作の調整など、都内を動き回っていました。合間に新しいコーヒーショップやベーカリーなどにも立ち寄ることができ、新しいコーヒー業界の動きなどもほんの少しだけ垣間見ることができました。普段の生活の場から外に出ることでいろんな刺激がありますね。

特に印象的だったのは、コーヒーショップで隣に座った方が蒸留酒を作っていらっしゃる方で、お話を少しだけさせてもらう機会がありました。全然知らない方と隣同士に座っただけで会話が発生し、お互いのことをちょっと知る。そして新しい興味が生まれる。「これこれ、コーヒーショップはこういうのが素晴らしいんだ!」と感じる瞬間でした。

そして今週は嬉しいニュース! 第二回目となるThe Weekend Brewのコラボ企画がスタートしました。“コーヒー版ZOZOTOWN”として日本最大級のコーヒーショッピングモールをオープンしたPostCoffeeとタッグを組み、The Weekend Brewで過去数ヶ月にご紹介したロースターさんたちのコーヒーをまとめたスペシャルボックス第二弾をご準備しました。

PostCoffeeのウェブサイトで絶賛販売中です。ご興味ある方はこちらから覗いてみてくださいね

今回もさまざまな地域の素晴らしいロースターさんにご協力いただき、異なる産地のコーヒーを取り揃え、コーヒーの多様性を感じながら、全国を旅するような楽しいボックスになりました。日頃からThe Weekend Brewにご協力いただいている全国のロースターの皆さん、本当にありがとうございます!

それでは今週も良い週末を。

編集長 Toshi



 

 

This Week in Coffee 
世界のコーヒーニュース

代替ミルクは大人の飲み物?

ブルーボトルが地域限定のパイロットプログラムを経て、全米で物性ミルクのデフォルト提供を開始するなど、代替ミルクがますます広がりを見せています。しかし(半ば当然ながら)飲み手の大半は、コーヒーやスムージーを購入する大人。そこで代替ミルクのスタートアップRipple Foodsが着目・開発したのが、子どもたちでした。同社は、乳製品と比べたときに課題となっていた栄養面を改善し、牛乳以上のカルシウムやビタミンDを含む代替ミルクの開発に成功しました。米国の子どもたちの牛乳消費量は成人の約2倍に相当するため、未開拓な市場としての可能性が期待されているようです。

 

元々米国では、子どもの成長を支える象徴的な食品として牛乳が描かれてきました。そして食品企業のマーケティング活動の結果、(栄養豊富な)牛乳を子どもに与えることが「良き親」であるというメッセージが広がっていったのです。しかし最近ではOatlyをはじめとする代替ミルクブランドが市民権を得た結果、米国の約6割の家庭が代替ミルクが購入したことがあるという調査結果も発表されています。ヘルストレンドも少なからず影響を与えているようで、牛乳や代替ミルクのイメージは今後さらに変化していくことでしょう。

 

その一方で子ども用代替ミルクは、通常のミルクの3倍以上という値札があだとなり、普及には時間がかかる可能性も。これは、以前のニュースレターで紹介したGhost Town Oatsによる、「オーツミルクの想定購買層が白人や富裕層に限定されている」という指摘と重なります。改めて、子どもたちが日々口にする食品は、大人の影響をいろんな角度かあら受けていると感じさせられる記事でした。

 

気になるニュース

▷ アフリカのコーヒー生産国25か国が、アフリカ連合の戦略的商品リストにコーヒーを加える「ナイロビ宣言」に署名アフリカ大陸産コーヒーの知名度拡大と資金調達を目指します。

▷ 図書館の書架整理から工事現場、バリスタ業務まで、現在シンガポールではロボットによるオートメーションが進行中。コロナ禍で生じた移民の労働力不足を埋める形で浸透しているようです。

▷ 世界のコーヒークリーマー(クリーム・ミルク)市場は、2021〜2025年で3,000億円以上の成長が見込まれています。その主要因として挙げられているのが、オンライン売上増加やヴィーガン・プラントベース仕様のミルク需要拡大。またZ・ミレニアム世代を中心に、フレーバークリーマーが人気を博しているとの報告も。

▷ スイス企業Idroprepが、ポリウレタンのジェルパットを採用したタンバーを発表。自動車のボディパネルを製造する際のハイドロフォーミングの要領でコーヒーベッドに液圧を加えることで、パックの密度と厚みがより均一になるとのこと。今年ミラノで開かれるWorld of Coffeeにも出展予定です。

▷ Coffee Aid Aeropress Championshipが今年も開催決定! 開催日7/10は、Passage Coffee Roasteryの佐々木さんとManly Coffeeの須永さんによるトークイベントも。大会へのエントリーも随時受付中です。

物足りないあなたへ

スターバックスが労組を結成した店舗を閉店させた可能性が浮上。Dunkin’ DonutsとPUMAが初のコラボスニーカーを発表。6月6日のスプレッソマシン171歳の誕生日が、Googleの検索エンジン画面でも祝われました。エスプレッソマシンの未来に幸あれ!

 

 

What We're Drinking
今週のコーヒー

 

ou.bai.tou.ri coffee roasters 東京(地図

東京都墨田区のスペシャルティーグレードを使った浅煎りコーヒーの専門店です。華やかでやさしいフレーバーを感じるものを中心にラインナップし、旬のコーヒーを全国にお届けしています。焙煎機は、オランダ製のGiesen W1Aです。

 

生産者 Tamiru Tadesse

生産地域エチオピア 南部諸民族州シダマゾーン ベンサ(地図

品種74158

精製方法
ハニー

テイスティングノート
ジャスミン、香水、ベルガモット、マスカット、ライチ、ミント、少し冷めてくるとややストロベリーの印象と、クローブの余韻も見えてきます。質感も厚みがあり、フルーツのジューシーさと華やかなフレグランスさが特徴。大人気のタミルさんの新作をお楽しみください。

編集長のコメント:

なんでエチオピアはこんなにも魅惑的なんだろうなぁと思わせてくれる一杯。お湯を注いだカッピングボールからは、ストロベリーのような甘い香りが立ち上り、まだ家族が起きてくる前の朝のシンと静まり返ったキッチンから瞬く間にどこか遠い場所へと気持ちを連れていってくれました。そっと一口啜ると、メロンの真ん中のまだ種が少しまとわりついた甘い部分だけを掬い取って啜るような、甘さのあるジューシーさが舌先から頬の方にじんわり広がります。鼻から抜けていくのはシロツメクサの香り。テイスティングノートの香水という表現がぴったりくるような、優美な味わいと香りに周囲を囲まれているよう。そして少し発酵感を感じ、浮かんでは消えて掴みきれない果実などのイメージが浮かびます。桃?ブルーベリー? ボタニカルウォーターやフルーツウォーター? 奥の方にわずかなスパイシーなヒントも。Oh man, 朝から思わず体を揺らしてダンスしたくなっちゃうくらい。最高の1日になりそうな予感がするコーヒーでした。


Artists in Residence
Standartを彩るアーティストたち

アーティスト: 

須田マリザ  ウェブサイトInstagram

プロフィール:

1997年生まれ、東京都出身の写真家。桑沢デザイン研究所在学中にフリーで活動を始める。ファッションをはじめ、エディトリアル、ポートレート、イベント撮影などの分野で活動。

最新の掲載記事:

Standart Japan 第20号 「Meet Your Guest - Rahmalia Aufa Yazid」

 

Inspiration
おすすめの本、映画、音楽、アート

『Dina Ögon』Dina Ögon

何がきっかけで知ったかはまったく思い出せないんですが、とにかくBandcampで曲を聴いて衝撃を受けてすぐにレコードを注文したスウェーデンのバンドDina Ögonの初EP。4月に注文してから5月に発送連絡を確認し、実物を受けとったのが今月頭。買ったのも忘れかけた頃に届いたので全体を聴き直してみると、こもったバスドラムを軸にした心地よいグルーブと、哀愁をただよわせるギター、ヴォーカルのアナ・アーンルンドの繊細ながらも芯のあるクールな声に再び魅了されました。スウェーデンとは縁もゆかりもないのに、ジャケットの家族写真から醸し出されるような懐かしさを感じるのは、ヴィブラフォンの音や、かすかにアバを思わせるコーラスの具合のせい……?「捨て曲無し」なんて安っぽい文句が口をついて出てしまう名盤です。ちなみにリリース元はストックホルムを拠点とするsing a song fighterというDIYレーベルで、どうやらオーナー独りで運営している模様。

 



Brewing with…
あの人のコーヒーレシピ 

 

大谷 和広 オオタニ カズヒロ aka [ひげ][ひげさん][パクチー][チャラ][かんちゃん]

元自動車整備士で20歳の時に飲んだ〝スペシャリティコーヒー〟とそのお店で繋がる〝コミュニティ〟に魅了されて、25歳の時に転職。長崎のカリオモンズコーヒーロースターを経て、現在はNGS COFFEEで働く。コーヒーで人を繋げ、繋がる人生を豊かに楽しむLOVE&PEACEな髭男子です。長崎のサッカーチームVファーレン長崎を全力で応援しています。好きな名言は刃牙より〝持ち味をイカせ〟。

5 questions

今気になっている問いは?

「なぜ人は痩せたい時に痩せれないのか。」
「お酒を控えたいのに飲んでしまうのか。」
今、ダイエット中です。

お気に入りの場所は?

「BILL&BEN(長崎にあるワッフルとコーヒーのお店)」
お店の雰囲気と美味しいコーヒー。あとは知り合いがたくさんくるから楽しい。子供が同い年でなにかとオーナーさんとフィーリングが合う、ような気がする。

譲れないこだわりは?

「髭を生やすこと。」
無い方がいい、って言われる事も多いけど、顔を覚えてもらえるし、毎日剃らなくていいから手入れが楽

今誰と一緒にコーヒーを飲みたい?

家族でチルな音楽を聴きながら、海を眺めてコーヒーを飲みたい。(2歳の子供は砂遊びをしている)

最近、何に感動した?

知り合いがCMに出てたこと。

 

Fancy a refill?
編集後記 

チームStandart Japanが愛読するニュースレターLobsterrで「We tracked what happens after TikTok songs go viral(TikTokでバズった曲のその後を追ってみた)」というVoxとThe Puddingのコラボ動画が紹介されていました。

前半は要するにレーベルが新興アーティストをTikTokで青田買いして、Spotifyで楽曲をリリースしてスピーディーにお金にしてるぜ、という話だったんですが、そこから初動がオンラインなら、そもそも大手レーベルを介する必要もないんじゃない?ということで、(Inspirationで触れたsing a song fighterのように)ワンマンレーベルとして活動するアーティストの話が出てきます。ツアーやグッズ展開を考えると規模の大きさが物を言う場面もあるのだろうと想像がつくとはいえ、そういう独立系アーティスト同士が組む姿を見て勇気が湧くとともに、最近はネガティブな文脈で語られることの多いテクノロジーも結局はツールであり、やはり使いようだよな、と嬉しくなりました。

Atsushi

 


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今週の The Weekend Brew は Standart Japan 第20号スポンサーのFAEMA、パートナーの Victoria Arduino x トーエイ工業TYPICAProbatセラード珈琲MiiRのサポートでお届けしました。

LOVE & COFFEE✌️
Standart Japan
(執筆・編集:Takaya & Atsushi)

#97: ジェル、誕生日、コーヒー

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コーヒー豆の付録

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