#95: ヨット、トレイル、コーヒー

おはようございます。今週はどんな一週間でしたか?

今週の中頃から、数年ぶりにヨーロッパに来ています。1週間ほどですが、約2年半ぶりにStandartのチームのメンバー(全員ではないですが)と顔を合わせることができました。

Standartでは毎年一度、チームのメンバーが全員集まるチームギャザリングというイベントがあります。いくつかの国や地域に拠点を置くメンバーが集まって時間を過ごし、仕事やプライベートについてじっくりと話す大切な機会です。この2年半はコロナ禍で開催できていませんが、フルリモートの会社だからこそ、顔を合わせて話すことの意義はとても大きいです。今回は全員が集まることは叶いませんでしたが、久しぶりの再会に心が熱くなりました。

そして今回の旅の大きな目的は、StandartのCEO マイケル・モルカンの結婚式🎊🍾 Standartを通じて知り合ったマイケルですが、今やお互いの人生を共有し、苦楽を共にする大切な友人の一人。このニュースレターが届く頃には式は終わっているはずですが、心からの祝福を伝えようと思います。

Standartが生まれた街であるスロバキアのニトラもいつか訪れてみたかったので、Standart Japanの5周年という節目にこうして始まりの地に足を運べたのが本当に嬉しいです。(二日酔いでぐったりしていなければ)日はニトラの街を見て周りたいと思います。新しいものに触れ、たくさん吸収して帰りたいです。

それでは今週も良い週末を。

編集長 Toshi



 

 

This Week in Coffee 
世界のコーヒーニュース

風になびかれ、運ばれて

現在、欧州の一部のロースターは、貨物船の代わりにヨットを使った生豆の輸送に挑戦しています。この「風になびかれたコーヒー」の最大の目的は、コーヒーの運送時に発生するカーボンフットプリントの削減。これまで手をつけづらいと考えられていた輸送工程へのロマン溢れるアプローチに、ロースターだけでなく消費者からも興味が寄せられています。

フランスを拠点とするサステナブルコーヒー専門のインポーターBelcoは、現在輸入しているコロンビア産コーヒーのうち、約22トンをヨットで運んでいるとのこと。その取り組みが評判を呼び、Belcoは2025年までに輸入するコーヒーの半分(約4,000トン)をヨット運送に切り替えると発表また同社とパートナーシップを結ぶ運送会社TOWT (TransOCeanic WInd Transport)は、最大容量1,100トンのヨットを開発中です。さらにカナダのフェアトレード・オーガニックコーヒー専門企業Café Williamsは、ヨット輸送の本格化に向けてコスタリカの運送会社への投資を行うなど、ヨット輸送の普及に向けた動きが各地で活発化しています。

経済性では従来の貨物船が圧倒的にヨットを上回っているものの、それが理由で大手物流企業はこのような野心的なアプローチを採用できないため、「(小規模なプレイヤーが)ボトムアップで変化を起こさなければならない」との声も。一杯のコーヒーが届けるストーリーがさらに厚みを帯びる予感です

 

気になるニュース

▷ ハワイコーヒー連盟がトレーサビリティ企業Oritainと連携し、化学組成を基準とする新たな原産地認証制度を開始予定。現在は内容量の10%以上がハワイ産であれば「ハワイ産コーヒー」として売り出せることもあり、生産地の偽装が度々問題となっていました。

▷ 『TIME』誌が選ぶ次世代リーダーの一人に、NY・バッファローのスターバックスで国内直営店初の労組結成を牽引したバリスタのジャズ・バリサック氏が選出されました。「労働組合を作れない環境はない。今(労組が)無いとすれば、それはまだ結成されていないだけだ」と語る彼女のインタビュー映も必見です。

▷ Costa Coffeeが、英国内のスポーツイベントにてモバイルキオスクを展開を開始。国内イベント企業とのパートナーシップのもと、今後ゴルフ全英オープンやモーターレース会場に出店予定です。

▷ 先日、イタリア政府がエスプレッソをユネスコ無形文化財に申請したとのニュースがありましたが、ユネスコ国内委員会決議の結果、今回はエスプレッソではなくオペラが推進されることに。次回に期待です。

▷ MiiRが信越トレイルドネーションボトルを発表。売上は長野県と新潟県の県境に連なる全長 110 kmのトレイルの整備と保護活動に使われます。販売開始が6月1日から。

物足りないあなたへ

Nespressoがフランスのファッション系ベンチャー企業と連携し、Nespressoのリサイクルプログラムで回収したコーヒーの出がらしを使ったスニーカーを発表。コーヒーセクターにおける強制労働問題を防止・告発するためのオープンソース型ツールキットがローンチ2026年までにフリーズドライコーヒー市場は約5300億円拡大する見通しです。

 

 

What We're Drinking
今週のコーヒー

 


mie coffee 石川(地図

mie coffeeは石川県、片山津温泉という小さな温泉街に位置する焙煎所兼コーヒースタンドです。旅と日常が絶妙なバランスで交差するゆったりした時間の街で。コーヒーを通して何かが生まれたり繋がったり、日々のスパイスになるような場所を目指して営んでいます。

 

生産者: アドアルド・アルバレス

生産地域エルサルバドル サンタアナ近郊、カルソンテス・アリバ(地図

品種ブルボン

精製方法
ナチュラル

テイスティングノート
ブラックベリージャム、カカオニブ、アプリコット、クリーミー。程よくボディ感はありつつも、余韻にすっと抜ける酸が心地良いです。

編集長のコメント:

昨年11月ぶりのエルサルバドル。豆を挽くとパンチのある濃厚な果実の香りが鼻腔を刺激します。一口啜るとまずはフレッシュな白葡萄のようなジューシーかつ程よい酸。すぐに甘さが後に追いかけてきます。とても厚みのある甘さは口の中に広がっていき、黒糖を思い出させてくれました。九州地方限定の表現かもしれませんが、黒棒が頭に浮かびます。まろやかで質感のある飲み口に、いいね、と思わずニヤリ。ブルーベリーやアメリカンチェリーのニュアンスを感じた後、ゆっくりと長い余韻が続きます。朝ごはんやブランチで、美味しいパンとチーズに合わせて飲むと最高だなぁと感じました。肩肘張らずに毎日飲みたい、とっても美味しいコーヒーでした。ごちそうさまでした!


Artists in Residence
Standartを彩るアーティストたち

アーティスト: 

ジェイク・グリーン  Instagram

プロフィール:

ロンドンを拠点に活動するビジュアルアーティスト。オーセンティック且つ繊細なアプローチをもとに、主情的なドキュメンタリー作品を手掛ける。現在は、コーヒーの国際取引や生産、コーヒーのサプライチェーンの流れを映すグローバルプロジェクト「Dink My Sweat」を通じて、消費者と生産者の関係構築を目指す。

最新の掲載記事:

Standart Japan 第18号 「汗の味」

 

Inspiration
おすすめの本、映画、音楽、アート

「アルプススタンドのはしの方」

昔から青春映画が好きでよく観ているんですが(終わりが大体気持ちいい、熱くなる、など理由多数)、日曜夜にビール片手に観るにはとっておきの映画を見つけました。舞台は高校野球夏の甲子園大会一回戦……のアルプススタンド。夢の大舞台でスポットライトを浴びる球児たちを、観客席の端っこで見つめる4人の高校生が主役の青春群像劇です。演劇部の安田と田宮、元野球部の藤野、成績優秀な帰宅部の宮下。それぞれ挫折を味わった主人公たちが、試合を観戦しながら会話する中で、それぞれの抱える問題や気持ちが明るみになってきます。試合が終わりに近づくにつれて、「しょうがない」と諦めていたことが「しょうがなくない」に変わっていく会話劇。それぞれのキャラクターの感情のボルテージが上がっていくのがわかります。映画の中で「青春ってなに?」みたいな会話が出てくるんですが、映画を見終わった後に「君たちは今この瞬間に青春を謳歌してるんだよ」と声をかけたくなるような、そんな気持ちになります。会話のテンポや間が素晴らしく、演劇を見ているようだなぁと思っていたら、後から調べてわかったのがベースは演劇なのだそう(兵庫県立東播磨高校演劇部の戯曲を映画化)。野球場面を一切映さない、野球映画(?)、よければ今晩にでもぜひ。



Brewing with…
あの人のコーヒーレシピ 

 

住田 侑翼 すみだ ゆうすけ

兵庫県宝塚市出身、広島育ち。コーヒー+英語をつかって外国の方とのコミュニケーションに憧れ、オーストラリアへワーキングホリデーへ。そこで知り合ったカナダと、イギリスのご夫婦の紹介でイギリスで半年間バリスタとして働かせていただきました! そのあとは、繋がりがあり、フィリピンや、中東カタールにて、就労ビザをいただき、ローカルのコーヒー関連会社に就職し素晴らしい経験をさせていただきました。

帰国後は、東京の東長崎にあるオーストラリア出身のヴォーンさんのお店「MIA MIA」で、お店づくりからやらせてていただきここでも素晴らしい経験をたくさんさせていただきました! 現在は、兵庫県伊丹で、小さなお店を営んでおります。

5 questions

今気になっている問いは?

「日本のニュース!」

テレビでも、インターネットでも簡単に見られるニュースで、ハッピーなニュースが少ないと感じます(僕の勘違いかもしれませんが)。 毎日早起きして仕事の支度をし、仕事へ行き、夜遅くまで働かれてる方は多いんじゃないでしょうか? 朝の1発目いや、2発目、3発目のニュースは幸せになれるような話題でその日を迎えたいですよね。悲しいニュースでと、知った方が良い話題とかあるとおもいますが。朝は幸せにしてほしいです!

 

お気に入りの場所は?

「海外」

海外へ行くときは、いつもワクワクして行ってましたし、今も外へ出ることを考えるとワクワクがとまりませんねっ
イタリアや、フランス、食の文化を自分のパートナーと一緒に経験できたらとっても幸せだとおもいます。

譲れないこだわりは?

「色んなもののストック」

例えば、大好きなコンバース! 同じいろ、同じサイズのコンバースを3足とか、違う色を3足とか。同じメーカーの同じ形のパンツを3つずつとかないと不安です。同じものをたくさんストックできてないと気になって仕方がありませんね。毎日同じ色のズボン履いてたりしますが、順番があるので同じではありません。笑

今誰と一緒にコーヒーを飲みたい?

「MIA MIA のヴォーンさん」

ヴォーンさんのコーヒー(瓶ビール)を飲みたいですね。ありがとうございますと、感謝の気持ちをお伝えしたいです。

あなたのギルティ―プレジャーは?

「ゲーム大好き!」

中学の時、ゲームが好きすぎて、わざわざ休んでクリアするまで学校いかなかったりしてましたねぇ。26歳から30歳くらいまでやってたゲームですが、日本一になった事あります。笑 日本のチームに呼ばれたりしてましたね! 今は、たしなむ程度ですが!

 

Fancy a refill?
編集後記 

チームとしてのStandartらしさとは何か、と尋ねられたらきっと僕は「独立心」と答えるだろう。今回のニトラ滞在でもそれを感じている。滞在2日目の朝、前日の晩に一緒に走ろうと話していた英語版編集のルークは深酒がたたって約束の時間に起きてこなかったので、僕は一人で晴天の田舎町へと走りに出た。ホテルに戻ってから朝食をとっているとルークが下りてきて、朝のランニングのルートについてやお互いの最近の仕事、今読んでいる本の話をして、今日の夜はポークナックルを食べようなんて約束をしてから別れた

その日編集長のトシは早朝からカフェに向かっていたようで、僕は朝食後に彼がいるカフェを訪れ昼食まで一緒に仕事をした。午後は各メンバーが思い思いに過ごし、夕食会場でみんなと再会した。英語版は最近印刷がスタートしたため比較的時間に余裕のあったルークは、日中小さなミュージアムをいくつか訪れていたと夕食のテーブルで教えてくれた。

それぞれが自分のやりたいこと、やるべきことを把握し、各人の決断やその時々の判断を尊重しているからこそ、遠足のように予め決めた計画に沿わなくてもいいし、空間をともにすれば、一緒にいなかった間に起きたことや考えたことについて話す。そこに余計なルールや約束事は必要ない。そういう付かず離れずの関係性がStandartというチームで働くことの心地よさであり、3年以上同じ組織で働いたことのない僕が5年間もStandartの制作に携わっている理由のひとつなのかもしれない。

Atsushi

 


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今週の The Weekend Brew は Standart Japan 第20号スポンサーのFAEMA、パートナーの Victoria Arduino x トーエイ工業TYPICAProbatセラード珈琲MiiRのサポートでお届けしました。

LOVE & COFFEE✌️
Standart Japan
(執筆・編集:Takaya & Atsushi)

#95: ヨット、トレイル、コーヒー

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