おはようございます。今週はどんな一週間でしたか?
普段何気なく立ち寄るコーヒーショップ。お店に行くと丁寧でフレンドリーな接客で私たちを安心させてくれて、美味しいコーヒーを提供してくれます。インスタグラムなどではコーヒーを淹れているバリスタたちの姿をたくさん見かけますよね。そんなバリスタたちが、何を考えながらどんな動きで私たちにコーヒーを準備してくれているのか、考えたことはありますか? 実は、カウンターの内側では手足を動かしながら脳をフル回転させて、さまざまなタスクを同時進行でこなしています。その様子がよくわかるブログが、東京のONIBUS COFFEEさんより先日公開されていました。
お客の目線ではわからないディテールを余すことなく説明してくれていて、いちコーヒーファンにとってはかなりテンション上がる内容です。「バリスタすごい!」となること間違いなし。記事最後にあるスタッフの皆さんが大切にしている4つのポイントは、コーヒーショップだけではなくさまざまな業種でも重要となってくることですし、人生のいろんなステージで味方になってくれる意識・技術だと感じました。これからお客としてコーヒーショップに伺うときに、コーヒー以外にも新しい楽しみ方ができそうです。
今週のStandart Japanは17号のリリース準備中! 発送はお盆休みの関係でスケジュールがまだ確定しておらず、香港の印刷所からの積み荷が到着するタイミングによって、お休み前に発送を開始できるかどうか……という状況です。すでに16号を読み終えた皆さん、楽しみにしていてくださいね。来週末のThe Weekend Brewではリリースのご案内ができそうです!
それでは今週も良い週末を。
編集長 Toshi
This Week in Coffee
世界のコーヒーニュース
コーヒーのお誘いにNoと言うには
1年以上に及ぶ外出自粛やワークフロムホームを経て、自身の内向的な側面に気づいたという方も少なくないのではないでしょうか。ワクチン接種が広がる一方で、コロナ以前の生活様式に戻ることに不安を抱く人も増える中、「コーヒーのお誘いにNoと言うには」と題されたこちらの記事では、自尊心を保ちながら乗り気ではないお誘いを断る方法について紹介されています。
記事のアドバイスは主に以下の6つ。
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あらかじめ大切にしたい価値観を整理しておく
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人生の限られた予算(優先事項や時間の使い方)について考える
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社交不安障害や認知行動療法について考えてみる
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Yesと伝えたら心身共にその場にいる
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お断り文のひな形を準備しておく(断るという行為のハードルを下げておく)
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自分にあった他者との交流の仕方を考える
特に共感したのは①です。この点について、自分が本当に有意義だと感じることを選ぶために、「コロナ以前の生活で最も恋しいことは何か」、「これからの生活でも大切にしたいことは何か」といった自分への問いかけを重ねることが重要だと述べられています。パンデミックによって、私たち一人ひとりが現在進行形で大きな変化を経験しているからこそ、自分の心の動きや価値観の変化と向き合い自己理解を深めることは、回り回って他者との誠実な関係を築くことにつながるのです。
しかし日々変化し続けるからこそ、ある時点での自分(の価値観)を固定的なものとして捉えないように気をつけなければいけません。そのときのありたい姿は、時として未来の自分の「あるべき姿」という縛りになり得るからこそ、生活の中で意識的に「立ち止まる」時間を設け、自分との対話を重ねる習慣が重要なのだと考えさせられます。大切な人たちとのコーヒータイムと共に、自分のためのコーヒーブレイクも大切にしていきたいですね。
その他の気になるニュース
▷ バーチャルコーヒータイムサービス「Cafecito」では、世界各地のフリーランスやクリエイターたちが日々の気分転換として、ランダムにマッチした相手との25分間のコーヒーチャットを楽しめるそうです。アイデアもネーミングも素敵。
▷ 現在ボリビアでは、国立のインスタントコーヒー工場の建設プロジェクトが進行中。国際市場への高品質コーヒーの生産・輸出が進む一方で、多くの国民が日常的に飲むインスタントコーヒーは輸入に頼っている現状を改善していくとのこと。
▷ コーヒープロダクトメーカーFellowが新サービス「Fellow Drops」をローンチ。初期登録を済ませれば、毎週火曜にオススメのコーヒー豆の情報がショートメッセージで届き、それに数量を返信するだけで購入できるそうです。
▷ 世界で最もコーヒーが高い国と安い国が判明? 家計情報サイトSavingSpotの発表によると、最もコーヒーが高い国は韓国で平均$7.77/杯、最も安いのは平均$0.46/杯でイラン。
▷ 「第62期王位戦七番勝負」第3局に臨む藤井聡太王位が、21日午前10時のおやつに注文したのは、マンゴーショートケーキとアイスコーヒー。ちなみに第2局では、フルーツの盛り合わせとアイスコーヒーだったそうです。アイスコーヒーはどこのものだったんでしょうか……?
What We're Drinking
今週のコーヒー
nai
長崎
もともとは店舗の無い出張コーヒー屋。 2020.8月、長崎県諫早市に店舗としてコーヒー豆屋 ”nai” をオープンしました。 日常にサスティナブルでクリーンなコーヒーを楽しむ方が1人でも多くなってくれることを願い日々焙煎しています。
生産者:ホセ ウリベ
生産地域:コロンビア ウィラ (地図)
品種:タビ
精製方法:フリーウォシュト
テイスティングノート:黄桃のような丸い甘さとコリアンダーシードを思わせるキュンとした風味が楽しいコーヒーです
編集長のコメント:
挽いたばかりの豆の香りにマンゴーのような甘さの前触れがあり期待値が高まります。ゆっくりと持ち上げたスプーンからコーヒーを一口、そして口に広がるのは和梨のフレーバー。爽やかでジューシー、ティピカのような雰囲気を感じ、あぁ好みな感じだと頬が綻びます。鼻に空気を入れると、喉奥からタンポポのような香りが鼻に抜けていきました。(後からフレーバーノートを読んで、これがキュンとする風味だったのかなと飲み終わった後にさらにキュンキュンしました)優しいサトウキビのような甘さを後味に感じます。温度が少し下がってくると、まるで和梨がこの短時間でじっくり熟れたような甘みたっぷりの味わいに変わり、大好きな梨の幸水を彷彿とさせてくれました。強みを増した甘さから感じる後味が思い出させてくれたのは、なぜか雪見だいふく。最後にカカオのようなニュアンスも感じ、優しい佇まいのコーヒーに気持ちが安らぎました。ところでこのTabi(タビ)という品種、初めて飲む品種でした。ブルボン、ティピカ、ティモールハイブリッドを掛け合わせた品種だそうで、コーヒーの葉に発生する病気「さび病」に強く、フレーバーもティピカやブルボンのように優れているのが特徴なんだとか。Tabiは、Guambianoというコロンビアの原住民族の言葉で「good」という意味だそうですよ。ベリータビなコーヒーでした。
Artists in Residence
Standartを彩るアーティストたち
アーティスト:濱田紘輔 / Kosuke Hamada - ウェブサイト|Instagram
プロフィール:1990年、三重県生まれ。旅をしながら名古屋市を中心に活動し、2020年より東京に拠点を移す。
2019年 写真集『THE LAUNDRIES』を自費出版。全国8ヶ所にて巡回写真展を開催。
最新の掲載記事:Standart Japan第11号「Meet Your Barista」
Inspiration
おすすめの本、映画、音楽、アート
ルックバック | 藤本タツキ
漫画「チェンソーマン」の作者、藤本タツキさんによる新作の読み切り漫画「ルックバック」が、2021年7月19日にネットに無料公開されました。学生新聞で4コマ漫画を連載している小学生の主人公・藤野と、ずば抜けた画力と世界観で4コマを描くもう一人の主人公・京本との友情と青春の物語。いや、〇〇物語と簡単にくくってしまっていいわけはない、漫画史にも読んだ人の心にも深く深く残る作品でした。ネット上では京アニ追悼漫画とも言われていて、2017年にイギリスのマンチェスターで起きたテロ事件を追悼するアンセムにもなったoasisのDon't Look Back In Angerが作中にもひっそりと(でも声高に)登場します。さまざまな映画へのオマージュもあり、何度も読んでしまうし、何度も目頭が熱くなります。今も昔も漫画のフィクション性に何度も救われてきた身としては、この作品を世に送り出し、それを誰でも読めるようにしてしまった集英社や藤本タツキさんに心からの賞賛を送りたいです。いつまでオンラインで読めるのかわかりませんが、これは絶対に読んでおいた方がいいです。前に進もうとしている全ての人へ。
Brewing with…
あの人のコーヒーレシピ
松柴 達也 aka まっちゃん
ふらふらとした学生期間を経て、 20歳頃より新潟・佐渡島でバリスタ、雑貨バイヤーとして活動。 現在は新潟・沼垂にて「紡ぐ珈琲と。」を営む。近距離バイク乗り・自転車・ピクニックが趣味。
セットアップ:
抽出器具 : ORIGAMI dripper × ウェーブフィルター 155
豆量 : 15g
湯量 : 230g
挽き目 : 中挽き
湯温 : 86℃
抽出時間 : 2:00~2:15
手順:
- 1湯目 0:00-0:04 30g(30秒まで蒸らす)
- 2湯目 0:30-0:45 100g
- 3湯目 1:00-1:10 50g
- 4湯目 1:20-1:30 50g(2:00-2:15落し切り)
ポイント:
1投目は内から外に向かい、さっと全体を湿らせます。 その後は3cm程度の円をやさしく描きながら注ぎます。 経過時間は目安です。豆の状態、気候により変動します。
今日のShout outは、Jaida M.H.さん。週末のカフェムードをショートクリップで魅せてくれています。Standartもチラッと登場させてもらえて嬉しいです😉
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今週の The Weekend Brew は Standart Japan 第16号スポンサーの TYPICA、パートナーの Victoria Arduino x トーエイ工業、セラード珈琲、カラベラコーヒーのサポートでお届けしました。
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Standart Japan
(執筆・編集:Takaya & Atsushi)