#40: ホットソース、風呂、コーヒー

おはようございます。今週はどんな一週間でしたか?

今月初めにKula projectからのニュースレターで2020年のアニュアルレポートが届きました。なかなか時間が取れずに目を通せていなかったのですが、今週ようやく読むことができました。

Kulaはルワンダで女性起業家を育て、貧困をなくすことを目標にかがげているNPO団体です。主にコーヒーを育てて販売し、同団体の活動運営費に当てています。Kulaは、チャリティーではなくビジネスこそが貧困をなくすと信じ、起業家を育て、自立することを教育を通じて伝えています。コロナ禍においても活動を継続し、このアニュアルレポートにある通りしっかりと結果を残しています。昨年2月には、Kulaのウォッシングステーション「Ntango Coffee Washing Statio」も完成し、地域にコーヒーを販売する手段や働く機会を提供しています。

Kulaについては、友人からもらったMiiRのタンブラーについていたGive Code(製品を購入することでさまざまなプロジェクトを支援し、それをトラッキングできるコード)で知りました。自分の持っているモノが、何かの役に立っているということを透明性のある形で知れるのはありがたいですね。コーヒーに関わりが強いプロジェクトであったことも、興味を持つきっかけになりました。つくづくコーヒーにいろんなことを教わっている気がします。

そんなMiiR製品を含むコーヒーグッズを、Standart Japan 15号の読者アンケートにご協力いただいた方へ抽選でプレゼントする企画を先月末に実施し、今週ラッキーな当選者3名の方にご連絡差し上げました。今後もいろんな企画を行っていきますので、今回は残念ながら当選しなかった方もぜひ引き続きご参加くださいね。

最後に、今週Standart Japan 15号の最後の在庫が倉庫から全国のコーヒーラバーのもとへ旅立ちました。これで3号連続での売り切れとなり、いつもソーシャルメディアや口コミでStandartを広めてくださっているみなさんには感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。次号のアナウンスもまもなくです。楽しみにしていてくださいね!

それでは良い週末を。

編集長 Toshi

 

This Week in Coffee 
世界のコーヒーニュース

借りるリスクと借りられないリスク

ファイナンスはあらゆるビジネスにとっての生命線であり、コーヒーを生産する小規模農家もその例外ではありません。しかし農業貿易研究所の推計によると、小規模農家の「持続可能な貿易金融」需要は約$10億に及ぶのに対し、供給総額はその10%程度でしかないとの報告も。なぜコーヒー農家の資金調達には困難が生じるのでしょうか。

こちらの記事によると、主な原因としてコーヒー栽培に伴うリスクが挙げられるのだそう。前提として、コーヒーのような季節作物を扱う農家の多くが、一年分の収益をその年の収穫期に一括で受け取るため、例えば昨年のコロナ大流行やそれに付随するピッカー不足問題をはじめとする予期せぬリスクを免れません。しかし借入金の利子は借主の事業のリスクに比例することから、コーヒー栽培という「高リスクビジネス」の資金調達には、巨額の利子がつきものなのだそう。融資を行う側としても、気候変動やさび病など日々高まるリスクへの対処として利率を上げざるを得ないことから、この問題を一概に「貸し手の公正性の欠如」と片づけることはできないのです。

その上で、同記事では政府主導のイニシアチブの必要性が説かれており、昨年だとブラジル政府が国内の小中規模農家向けに低利子融資を提供する年間計画「Harvest Plan 2020/2021」を発表しました。持続可能かつアクセスしやすい資金源は小規模農家にとって単なる手助けというよりも、不可欠な存在なのです。

 

熟成するローカルフレーバー

The Economistの記事によると、物流の混乱や消費国における一時的な需要減退を機に、コーヒー生産国の多くで国産コーヒーの消費が増加しているそうです。これまで生産国で国産コーヒーが消費されてこなかった理由に、国外輸出を推奨するポリシーや消費者の間に高品質コーヒーを飲む習慣が根付いていないことなどが挙げられてきました。そんな中、コンテナ不足等で国外へのコーヒー輸出が減少した結果、逆に国内市場が盛り上がりを見せる今日の流れは、まさに目から鱗であるとのコメントも。

同記事によると、ケニアで拡大する中流階級層が高品質コーヒーへ手を伸ばし始めたことから、今年度ケニア国内のコーヒー消費量は総生産量のおよそ十分の一に達すると予想されているそう。生産国内でのコーヒー消費量の増加はコーヒー農家の収益増加をもたらすだけでなく、焙煎やバリスタ業をはじめとする国内での雇用創出や、収益不足を理由に増加するコーヒー生産離れの現状改善につながると期待が高まります。

しかし少し気がかりなのは、記事内でケニアの地元ロースターが、コーヒーを「西洋的な雰囲気」と表現している点です。あくまで予想にすぎませんが、生産国の人々の中で高品質の国産コーヒーを味わうという行為が、地産地消という文脈以上に、 「西洋的なラグジュアリー体験」と結びついていることを示唆しているようにも感じます。人々と高品質コーヒーの距離が縮まるにつれ、今後生産国のコーヒー文化はどのような発展を遂げるのか、引き続きチェックしていきたいです。

 

その他の気になるニュース

▷ Roast Magazineが今日のコーヒー産業の実情を描いた『Cheap Coffee: A Look Behind the Curtain of the Global Trade』を出版。バリューチェーンやサステイナビリティ等の問題構造を掘り下げ、業界の再構築に向けた視座を養うための本とのこと。

▷ Blue Bottle Coffeeが渋谷カフェのオープンを記念し、Human Madeとのコラボ商品を発表。Tシャツやキャップに加え、限定ブレンドコーヒー「Future Blend」も展開予定。予約はこちらから

▷ コーヒーの基礎知識やあらゆるレシピ・抽出方法が描かれたコーヒートランプ「Sip to Suit」のプレオーダーが開始。デザイン・情報量もさることながら、ジャックやクイーンがコーヒーを味わう姿が愛らしい。コーヒーの転倒が不安な方には防水版がオススメ!

▷ なんと隣国の韓国でコーヒー栽培に成功したとの報告が。冬には外気温マイナス22度を記録する韓国のカンウォンド(江原道)ですが、無加温ハウスにもかかわらずエコフレンドリーな素材を駆使して室内気温を維持し、生産に成功したのだそう。

▷ 現在Kickstarterで世界初のコーヒー用ホットソース「Ujjo」のクラウドファンディングが進行中。深・浅煎り用の二種類展開で、コーヒー以外の様々な料理とも相性抜群なのだそう。合言葉は、「Life is Short. Make it Spicy. (人生は短いんだから、スパイシーにしなくっちゃ!)」

 

What We're Drinking
今週のコーヒー

 

豆ポレポレ
沖縄

沖縄県で自家焙煎店を営む豆ポレポレ。コーヒーを通して日常にちょこっと花を添えられたら、笑顔になっていただけたら、そういう思いで日々美味しい珈琲をお届けしています。

生産者:
フリオ・ペラルタ

農園:
エル・ボスケ

生産地域:ニカラグア、ヌエバ・セゴビア県、サンフェルナンド
地図

品種:JAVA

精製方法:ウォッシュト

テイスティングノート:
ローストナッツ、milk chocolate、緑茶、bitシトラス、スムース、sweet

編集長のコメント:
コーヒーなのに緑茶を飲んでいるような気になるというのは不思議なんですが、まさに緑茶のフレーバーを感じます。みかんのような甘さの後に、ほんのり柚子のアロマが鼻を抜けます。流れるようにフレーバーが変わっていき、柑橘系の後にはしっかりとしたボディを感じます。これがなんとも言えない一体感があり、まるでベルベットの絨毯を撫でているような滑らかさ。自家製の杏ジャムのような甘さとわずかな酸味と渋みがあり、そこから後味が長くカカオ感を残して続いていきます。洗練された味わいにも関わらず、どこか馴染みのあるような、コーヒーでした。

 


Inspiration
おすすめの本、映画、音楽、アート

HAMAM magazine
リンク

イギリスのStackというインディペンデントマガジンを毎月発送してくれるサービスをサブスクしていて、今月届いた雑誌がずっと読みたいと思っていたHAMAMでした。飛び上がって喜んだのはいうまでもありません。中東や中央アジアの方へ旅行したことがある人はご存知かもしれませんが、「HAMAM(ハマム)」とは公衆浴場のこと。ハマムを取り巻くアートやカルチャーをテーマとしたインディペンデント雑誌が、このHAMAM magazineです。温泉や銭湯、湯船に浸かることが生活の一部となっている日本の風呂カルチャーはもちろんのこと、世界中の風呂カルチャーを多角的に取り上げています。キックスターターでスタートしたこの雑誌、最新号の3号のテーマは「水」でした。風呂という視点を拡大解釈して、水との関係性をショートストーリーやエッセイ、写真やイラストで紐解いていきます。届いたばかりの雑誌をめくりながら、一番初めに飛び込んできたのは白黒のフォトエッセイ。インドのラージャスターン(内陸)からゴア(海岸線)へやってきて、人生で初めて海に出会った若者たちをフォトグラファーのMartin Bogrenが写真に納めた作品は、彼らの興奮と感動を、海の壮大さと水のうねりや波と共に表現していて圧倒されます。日本の銭湯について詳しく描かれた記事では、その歴史や楽しみ方、インタビューなどが掲載されています。HAMAMを読んで、温泉・銭湯ラバーも、サウナ好きも、世界の風呂カルチャーにどっぷり浸かってみては?


Brewing with…
あの人のコーヒーレシピ 

 

野邉 たまき
aka Tamaki

踊る珈琲屋。23歳。ダンサー、バリスタ、ロースター 留学がきっかけでコーヒーの虜に。メルボルンにあるShortstop Coffee&Donutsでバリスタを務め、帰国後も修行したのち、2021年にLILCRIBCOFFEEを開業。現在はpopupを中心に”お店を持たない珈琲屋”として活動している。 ダンス歴は13年で大会優勝経験も多数、講師としても活躍中。

セットアップ:
抽出器具:V60
豆量:15.5g
湯量:220g
挽き目:中細
温度: 88℃〜90℃
抽出時間: 2:10-20

手順:

  1. ペーパー/サーバーをリンス
  2. 50g投入→縦に2回ほど撹拌
  3. 30秒蒸らした後、ゆっくり回しながら130g投入
  4. 湯が落ちきる前に40g投入
  5. ドリッパーを2周ほど優しく回して落ちきる前に切る

          ポイント:

          ▷ なるべく注ぐスピード、お湯の高さは一定に
          ▷ 落ちきる前にドリッパーを外すことで、雑味の投下を防ぐ
          ▷ 優しい気持ちで淹れる 浅煎り〜中浅煎りの珈琲に合うレシピです。すっきりとした甘さが引き立つコーヒーが抽出できます。

                一言:

                ”ダンス×コーヒー" 自分の好きなものを組み合わせて、新しいものを創りたい。発信したい。という想いからLILCRIBは生まれました。ダンスイベントでコーヒーを淹れたことが始まりです。 4月17日から5月末まで、メルボルンで出会った仲間たちと渋谷hello!にて期間限定POPUPを開催中です。(LILCRIBは毎週水・土) 珈琲好き、ダンス好き、音楽好きな皆様、ぜひ遊びに来て下さい😊 📍hello! 〒150-0041 Tokyo, Shibuya City, Jinnan, 1 Chome−12−16 アジアビル 3F


                 

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                今週の The Weekend Brew は Standart Japan 第15号スポンサーの 兼松株式会社、パートナーの Victoria Arduino x トーエイ工業Paradise Coffee RoastersPrana ChaiTypicaのサポートでお届けしました。

                LOVE & COFFEE✌️
                Standart Japan
                (執筆・編集:Takaya & Atsushi)

                #40: ホットソース、風呂、コーヒー

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