#154: マップ、スタジアム、コーヒー

#154: マップ、スタジアム、コーヒー

おはようございます。今週はどんな一週間でしたか?

今日は3ヶ月毎の嬉しいお知らせ! Standart Japan第25号が完成しました!!そしてこの最新号は特別な号になっています。

この半年ほどの間、Standart はリブランディングに取り組み、約3年前に一新したデザインを白紙に戻して今号で「再び」生まれ変わりました。春にリリースした前号で判型を変え(以前に比べて雑誌のサイズが少しだけ小さくなりました)、同時にページ数を20ページほど増量したのも、このリブランディングに向けたプロセスの一環です。ロゴも新しくなり、今号はStandartの新たな時代の幕を開ける特別な号になっています。

スペシャルティコーヒー業界に関わる様々なプロフェッショナルたちと同様に、変化を恐れず、果敢に挑戦し、一歩ずつ一号ずつ、常により良いものを探究するStandartの姿勢を感じてもらえるはずです!

第25号では、会話が生まれる公共空間としてのカフェを志向するアライズコーヒーロースターズの林 大樹さんの物語、カフェイン抽出技術の民主化を目指すストーリーラインの岩井 順子さんのキャリア、そしてアルファロメオ所属のF1 ドライバー、バルテリ・ボッタスさんのインタビューなどを掲載。

そして民間主導の一大プロジェクトで環境再生とコーヒー産業拡大を図るモザンビークの現状を見た後は、スペシャルティインスタントコーヒーのブームを紐解き、エスプレッソとサイクリングの歴史に迫ります。ラスベガスへの旅もお楽しみに!

定期購読者限定のサンプルコーヒーを提供してくれたのは、ベトナム中部高原のダラット郊外にあるランビアン山で、コーヒー生産に取り組む山岡 清威さんと少数民族K'ho族のPatさんが中心となり立ち上げたプロジェクト「Lang Biang Coffee Project。山岡さん自らが手がけたエアロビック・ナチュラルのマイクロロットをお届けします。

このベトナム産トップスペシャルティを焙煎してくれたのは、前述の東京の清澄白河にあるアライズコーヒーロースターズさん。最高のタッグがお届けするコーヒー、お楽しみください! コーヒーに関する詳細はこちらから

そしていつものように、最新号をチラッと覗き見しちゃいましょう。その他の記事については、ブログでチェックしてみてくださいね

 

それでは皆さん、良い週末を。

編集長 Toshi
    

    

 

 

This Week in Coffee 
世界のコーヒーニュース

大手チェーンから見る市場動向

コーヒーメディア「ワールドコーヒーポータル」が、ヨーロッパ各地における大手コーヒーチェーンの動向をまとめた析レポートを発表しました。下記では、レポートの一部を抜粋してご紹介します。

・ドイツ
昨年ドイツ国内の牛乳消費が歴代最低を記録するなど、若い世代を中心に菜食主義への移行が顕著に。今日ドイツ国内の消費者の内、約30%がベジタリアン/ヴィーガン、30%がフレキシタリアン(植物性食品中心の生活を営みつつ、時には動物性食品も食べるという柔軟なベジタリアンスタイルを取る人のこと)であるとの報告も。この流れを受け、大手コーヒーチェーンの間でも植物性ミルクの導入が進み、マックカフェスターバックスコーヒーフェローズでは、植物性ミルクへの追加料金が撤廃されました。

・イタリア
国内消費者の約35%がコーヒーショップに毎日通うというヘビーコーヒードリンカー市場。伝統的なエスプレッソ価格(1ユーロ)が浸透しているため、海外ブランドにとっては参入障壁が高く、現在も国内ブランドが多くの市場シェアを集めています。しかし、昨今のインフレ加速に伴うエスプレッソ価格の値上げを受けて、徐々に海外ブランドの参入も増加。スターバックスは、今年末までに国内37店舗の展開を計画中。英国発のプレタ・マンジェは、先日ミラノ・マルペンサ空港に初の店舗をオープン今後数年以内に国内40店舗の展開を目指すとのことです。

・アイルランド
2026年までに国内の使い捨てコーヒーカップ根絶を目指すアイルランドでは、今年中に使い捨てカップへの課税、通称「ラテ税」の導入が検討されています。これに伴い、現在事業者の間ではリユーザブルカップシステムの導入が求められており、特にセルフサーブ型のコーヒーシステムを運営する国内大手チェーン(フランクアンドオネストインソムニアなど)では、新たな対応が問われているようです。ちなみに国内の消費者アンケートによると、直近のコーヒーショップへの訪問の内、約36%がテイクアウトのオーダーだったと報告されています。

各地でさまざまな市場の変化が見られる中で、人々とコーヒーの関わりはどのように変わっていくのか。今後もより粒度を上げて、各地のコーヒー市場の動向を追っていきたいと思います。

 

気になるニュース

▷  5回目の開催となる「ワールド・コーヒー・カンファレンス&エキスポ」が、9/25~28にインド・ベンガルールにて開催予定。同イベントは、国際コーヒー協会(ICO)が4~5年周期で開催するコーヒー博覧会で、今回がアジア圏で初めての開催です。

▷ 韓国の環境大臣が、年内に廃棄物処理法の改正を実施する方針を発表しました。施行後は新たにコーヒーの出がらしや廃食油などがリサイクル対象となるそうで、国内のアップサイクル促進が予想されます。

▷ パリ市役所のウェブサイトに掲載中の市民運営型コーヒーマップ。市内で「1ユーロ・エスプレッソ」の伝統を守り続ける”聖地”がまとめられており、市民は地図内に情報の追加も可能とのこと。一方インフレの影響は各地に及んでおり、昨年イタリアではエスプレッソ価格の高騰が原因で、警察沙汰になった事例も。

▷ コーヒーを飲むにあたっての歯科医師のアドバイスの一つが、十分な水分補給。適度な水分補給は口の渇きを抑えるだけでなく、コーヒー摂取後の口腔内のph値を安定させて、虫歯の予防にも繋がるとのこと。ちなみに歯磨きをする場合は、ーヒーを飲む前の方がいいらしいです。

▷ 耐久性がウリのエアロプレスクリアなら、家の屋上から落としても、車の下敷きになっても、スタジアムの上から転がしても、まったく問題なし。「#FrenchPressNeverCould(フレンチプレスにはできっこない)」のハッシュタグのもと、妥当フレンチプレスを掲げるエアロプレスの行く末はいかに。

物足りないあなたへ

NBAプレーヤー、ジミーバトラー率いるコーヒーブランド「BIG FACE」が、コーヒー器具ブランド「フェロー」とのコラボアイテムを発売。ブルーボトルとニューバランスがコラボしたランニングシューズ発売中

コーヒーイベント

▷ 福岡:博多阪急 8階催事場にて、  Kyushu Asia Coffee Festivalが開催中!8/7(月)までです!

▷ 長野:「みよたコーヒーウィークエンド by 長野コーヒーフェスティバル」が、8/26(土)〜8/27(日)に開催予定! 

▷ 滋賀:10/21~10/22に、守山第2なぎさ公園で「COFFEE AND..」が開催予定!さまざまな”きっかけ”が生まれる場として、コーヒーの飲み比べや物販、飲食販売やライブパフォーマンスなどが行われるそうです。

日本各地で開催されるコーヒー関連のイベント情報を募集しています! Standart CommunityやInstagramのDMやメール(hello@standartmag.jpでぜひシェアしてください!

 

 

What We're Drinking
今週のコーヒー
 

今週はお休み! 暑すぎて麦茶ばっかり飲んでました。やっぱり夏は麦茶ですよね。ちなみに、福岡のmanu coffeeさんが作られている麦とコーヒーをミックスした麦子ちゃんは、麦茶をこよなく愛するコーヒーラバーの心を鷲掴みしてくれます。

 


What's New in the Community?
Standart Communityで起きていること

 

今週のStandart Communityでは、先月行われたオンライントークの内容をオンライン記事にしてシェアしました🤲

今回は、Standart Japan 第24号でシャウトしてくれたClick Coffee Works 古賀 由美子さんが、サービスのあり方についてさらに深くお話をしてくれました!バリスタをされている方にはもちろん、ぜひコーヒーラバーの皆さんにもお読みいただきたい記事です。当日ご参考できなかった方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

また、トークのなかで行われた意見交換は音声でご視聴いただけます!こちらもお見逃しなく👍

※過去のオンライントークのアーカイブはこちらからご覧いただけます。オンライン記事としてお読みいただけるので、ぜひチェックしてみてくださいね。

※Standart Japan​定期購読者の皆さんにはCommunityへの招待状をメールでお送りしています。まだの方はぜひご参加ください!

 

Inspiration
おすすめの本、映画、音楽、アート

『翔太と猫のインサイトの夏休み』永井均

「自分が自分であるってどういうこと?」「現実が夢じゃないってどう証明できるの?」といった無邪気ながらも簡単には答えられない問いについて、中学生の翔太とやたらかしこい猫のインサイトが対話を繰り広げる哲学入門書。

児童書を思わせる表紙のイラストに反し中身は骨太で、1章読んだらその内容について少なくとも1週間は頭を悩ませられます。翔太の投げかける問いに対する、やさしくもきっぱりとしたインサイトの答えを読んでいると、学生時代に哲学や倫理の授業で味わった、文字としては理解できるけど、それを自分の思考のフレームワークに接地できないもどかしい感覚が蘇ってきます。

途中、「子どもはね、誰でも哲学をしているんだ」と語るインサイトに対して13歳(という設定)の翔太が返す「このごろ考えなくなったのはね、そんなこと考えてもしょうがないんじゃないかって感じるようになったからなんだよ。もっとほかに、考えなくちゃならない問題はたくさんあるからね」という言葉にはドキッとさせられました。単に情報を取得するだけでなく、その過程にある考える楽しみを思い出させてくれる一冊です。

 

Brewing with…
あの人のコーヒーレシピ 

 

鈴木 雄大 aka Yudai hojicha

岩手県出身。焼かれているものに魅了されてる人です。 コーヒー、焼き菓子、ほうじ茶と、焼くをテーマに「ほうじ茶と焼き菓子」という名前で東京の下北沢でお店をやってます。 社会人4年目、経営4年目の25歳です。 就活は普通にしてたのですが、大学4年生の12月に内定辞退をし、ひょんな事をきっかけに、社会人1年目からお店を経営し始めました。始めたは良いものの社会人1年目の年が、コロナ禍1年目の年でもあり、どうにかこうにかこれまで生きてきました。 大手カフェチェーンで働いた後、神奈川県のみなとみらいにあるminato coffeeに勤務。その後「ほうじ茶STAND」「ほうじ茶と焼き菓子」を経営しつつ、別軸としてコーヒーに特化したブランド「Coffee Tap」を運営中。

5 questions

今気になっている問いは?

「熱と水」
最近生豆のお仕事に携わるようになり、サンプル焙煎を頑張っています。今までも焙煎はやってきてはいたのですが、自分の焙煎により、どの豆が選ばれるかが決まってくるので、以前より真剣に考えるようになりました。その中で、焼くという面で、「熱」をどうかけていくかは、日々考えている点です。そして、「水」です。焼いたお豆を全国各地に送る時、各地で水が違う為、評価されるお豆はバラバラです。各地の水を考慮して焼くべきか、否か、読者の皆さんにも聞いてみたい点ですね。

 

お気に入りの場所は?

「長谷」
お気に入りの場所は鎌倉の長谷というエリアです。社会人1年目時に経営し始めた「ほうじ茶STAND」は鎌倉の長谷にありました。鎌倉の大仏だったり、長谷寺など、観光地の側面も強い一方で、山があり、海があり、美味しいお店も多いですし、自分にとってリラックスできる場所です。その中でも山側に位置するCHEEERS COFFEEさんはお気に入りの場所だったりして、時の流れを忘れられる場所です。

 

譲れないこだわりは?

「非効率ほど効率」
お店を営むようになってから「選択」の連続でした。その中でも鎌倉と下北沢の2店舗経営していた時に、実際数字だけ見て考えるなら2店舗、3店舗と展開して経営していったほうが、売上的にも、効率的ではあるのですが、2店舗やり始めた時にお客さんと向き合える時間が少なくなったなと思いました。今やってる事って楽しいのかな?と思いました。それを踏まえて、鎌倉のお店を閉店し、現在は下北沢の1店舗としてます。やる意義だったり、その事に対してどのくらい楽しめるかって重要だと思うんですよね。だからこそ、いつも楽しいと思える方の選択肢を取りますし、遠回りこそ近道だと思って、選択肢がある場合、非効率でも楽しい方を選びがちです。地道に地道に一歩ずつ日々精進してます。

 

今誰と一緒にコーヒーを飲みたい?

「ほうじ茶と焼き菓子のお客さん」
自分たちに対して、時間をかけてくれる人って貴重だなと思ってます。最近自分が行くお店のほとんどが、自分のお店に来てくれたお客さんが働いてるお店だったりして、時間をかけてくれる人に時間をかけたいです。ほうじ茶と焼き菓子のお客さんとコーヒーを飲みたいです!

 

明日地球がなくなるとしたら誰と何をする?

ほうじ茶と焼き菓子のスタッフでもあるうっちー(内川)と大分の温泉に行きたいです。由布院か別府かは大分に着いてからの直感ですかね。自分が大学4年生の頃からの4年間くらい何か事業をする時は必ず内川がいました。変わりゆく世の中で唯一変わらなかった関係性だったり、何か目標に対して達成していくチームワークはやはり凄いものだなと思ってます。何年も走り続けてきたし、これからも走り続けると思いますが、地球最後の日はゆっくりと、内川と温泉で決まり。

 

Fancy a refill?
編集後記 

帰省がてら、久々に大学生のときによく通っていたカレー屋を訪れると、店主に名前を覚えられていて少し嬉しかったです。当時、いつも通りお店でカレーを食べていると、なぜかその場でヘッドハンティングされて、週末にバイトをした日々が懐かしい。御年75歳(だったはず)の店主の健康の秘訣は、毎朝の運動と月100kmに及ぶ自転車での通勤。ぼくも日々の運動を心掛けながら、今度店主におすすめされた司馬遼太郎著『この国のかたち』、『街道をゆく』を読んでみようと思います。

Takaya

 


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今週の The Weekend Brew は Standart Japan 第24号スポンサーのTYPICA、パートナーの Victoria Arduino x トーエイ工業Swiss WaterFaema x DKSHFellow x Kiguのサポートでお届けしました。

LOVE & COFFEE✌️
Standart Japan
(執筆・編集:Takaya & Atsushi & Nanako)