おはようございます。今週はどんな一週間でしたか?
今週はいよいよ最新号の発送がスタートしました。すでに到着している方もいらっしゃって、SNSを通じて続々と皆さんの嬉しい声が聞こえてきています。いつもシェアしてくれてとっても嬉しいです。
そして、最新号の付録で付いてくる中国産コーヒーを準備してくれたマウンテン・ムーバーのオーナーである趙さんから、読者の皆さんにメッセージも届いています。ハロー趙さん!
今回のサンプルコーヒーは、マウンテン・ムーバーが中国・雲南省のデーホン(徳広)地区のユアン・イ・ユアン農園に特注したロットで、2023年のニュークロップ。(スーパーフレッシュ!)自社で研究を重ねて開発された、コーヒー専用のイースト(酵母菌)を使用して精製されたナチュラル、どんな味がするんでしょう?趙さんがおすすめする抽出レシピもブログにアップしているので、ぜひこちらご参照して淹れてみてくださいね。
5/26(金)20:00~、趙さんとインスタライブをして一緒にサンプルコーヒーをブリューしたいと思います。中国でのコーヒー生産に関わっていて、日本国内で流通させている趙さんに、農園のことやこれまでの経緯など、皆さんのと一緒に色々と聞いてみたいと思います。ご興味ある方はぜひカレンダーにポチッと予定入れておいてもらえると嬉しいです。
最後に、今日は先日ご案内したイベント「PARK x WEEKEND」の最終日。昨日はあいにくの雨でしたが今日はしっかり晴れてくれそうです。Standartは、全国から集まってくださるコーヒーショップをセレクトさせてもらいました。このニュースレターに登場してくださったショップや雑誌でご一緒させてもらった方、個人的に大好きなお店など、本当に素晴らしいお店や人々が福岡に集まってくださっています。福岡や近隣県の方、ご都合合えばぜひ会場に遊びにきてくださいね!
それでは今週も良い週末を!
編集長 Toshi
This Week in Coffee
世界のコーヒーニュース
未来の一杯は、今の苗から
先日、非営利団体ワールド・コーヒー・リサーチ(WCR)が、ロブスタ品種の情報をまとめた「ロブスタ品種カタログ」を発表しました。2016年に発表された「アラビカ品種カタログ」に続くこのカタログは、コーヒー農家及び栽培品種の決定権を持つ人々向けに作成されました。カタログ内には、ブラジル、インド、インドネシア、ウガンダ、メキシコなどで栽培されている47種のロブスタ品種が収録されており、初収穫までの必要年数、生産力、豆の大きさ、コーヒーさび病・害虫耐性など、20以上の項目に沿って品種情報がまとめられています。
プレスリリースによると、今回のカタログ制作の目的の一つとして、コーヒー農家の品種選択に伴うリスク低減が挙げられています。植え付けから20~30年のライフサイクルで動くコーヒー栽培において、適切なコーヒー品種の選択は、その後の農家の機会損失を大きく左右します。いちょう病耐性のあるロブスタ品種を育てたウガンダのコーヒー農家が、そうでない農家と比較して2倍以上の収穫を得られたという紹介事例を鑑みても、その重要度は明らかです。さらにロブスタコーヒーの栽培時には、自家受粉を行うアラビカ種と異なり、複数の品種を栽培して他家受粉を行う必要があります。つまりロブスタコーヒー農家は、生産量・品質の向上、リスクコントロールの観点から、最新の品種情報や公式に推奨される植え付けパターンを理解し、その上で栽培管理を行っていく必要があります。しかし現状として、農家の多くがロブスタ品種の特性・多様性への理解どころか、自分たちが栽培している品種の情報すらも知らされていないケースがほとんどとのこと。その結果、多くの農家が慢性的な生産量の低迷という悪循環に陥っていると指摘されています。
こうした品種情報へのアクセス/不透明性の問題は、コーヒー農家の経済問題や農家がコーヒー栽培そのものから離れるという結果を招きかねません。今回のカタログの事例をはじめ、業界としてコーヒー農家への支援という喫緊の課題への対応が求められています。
気になるニュース
▷ 今年度ベトナムのロブスタ生産量が、過去4年間で最も低くなる見込み。コーヒー農家が、利益率の高いドリアンや他の果物の栽培へと流れていることが要因の一つとのこと。世界市場ではインフレの影響で安価なロブスタ種の需要が増加し、同種の先物価格は過去10年で最高値を記録しています。
▷ グラスゴー・コーヒーフェスティバルが、スコットランド初の「コーヒー奨学金制度」を発表。社会的に恵まれない経歴を持つ若者を対象に、将来的なコーヒー業界での雇用に向けたトレーニングを実施予定。トレーニング後は、コーヒーフェスティバルでの利益をもとに有償の勤務機会も提供されます。
▷ NY拠点のジョーコーヒーカンパニーが、海洋プラスチックを再利用した郵送用封筒の導入を発表。封筒に印刷されたコードをウェブサイトに入力すると、プラスチックの回収地域が表示される仕様に。
▷ 最新の研究で、使用後のコーヒーカプセルに含まれるプラスチック素材が、3Dプリンター用のフィラメントにリサイクルできる可能性が示唆されました。カプセルの埋め立て処理問題が議論される中、新たな解決策になり得る発見かも。
▷ スイスの時計ブランドのコルムが、同社人気モデル「ゴールデンブリッジ」を20倍サイズにしたコーヒーテーブルを発表。受注生産限定、完全ハンドメイドの同商品は、お値段なんと約1,680万円。時計も実際に動くらしく、コーヒータイムが色んな意味でそわそわしそう。
物足りないあなたへ
ジルサンダーが京都にコンセプトストア兼カフェ「ジルサンダーキオスク」を期間限定オープン。コーヒードキュメンタリー「コーヒーブレス」のエピソード2が公開。フィナンシャルタイムズによる、スイス・チューリッヒのコーヒーガイド。記事にはStandart Japan 第15号のサンプルコーヒーを提供してくれたMAMEの名前も!
コーヒーイベント
▷ 滋賀:COFFEE AND OUTDOORが開催!(5/21)コーヒーを片手にアウトドアを楽しむイベント。サップやカヌー、テントサウナまで。サイコー!
▷ 岩手:Iwate Coffee Festivalが開催!(6.3&4)全国から素晴らしいショップが集まります。
※日本各地で開催されるコーヒー関連のイベント情報を募集しています! Standart CommunityやInstagramのDMやメール(hello@standartmag.jp)でぜひシェアしてください!
What We're Drinking
今週のコーヒー
FRANK 兵庫(地図)
2013年より神戸元町にてスペシャリティコーヒーをフランクにする店"FRANK"。コーヒーはもちろんのこと、焙煎と焼菓子の工房も併設し、コーヒーカクテルやビール、ワインなどのアルコール、深夜まで営業など、コーヒー体験も幅広く楽しめるお店です。「コーヒーをフランクに、コーヒーでフランクに」お楽しみ下さい!
生産者:フレディ・モラレス
生産地域:グァテマラ北西部ウエウエテナンゴ県サンペドロネクタ(地図)
品種:ブルボン、ティピカ
精製方法:ウォッシュト
テイスティングノート:「ハーブような風味と柔らかい甘さ」優しいハーバルな風味と酸味を、ミルクチョコのような柔らかい甘みが包み込む
編集長のコメント:
袋を開けるとモワッと凝縮された、甘く、美味しいトーストがうまく焼けた時のような香りが飛び出してきます。コーヒーバッグの封を切る瞬間っていいですよね。カッピングの準備ができて一口啜ると、カカオの%高めのチョコレートを舌に乗せてとろけさせた時のように、心地よいビターさとカカオ感が広がります。ふくよかな甘さがあり、キャラメルに変化したフレーバーが口の中を包み込むよう。グラノーラのような色んな味を感じ、ナッツやドライアップルを思い出しました。温度が下がってくると、ハーブやタバコのニュアンスを感じ、ぎゅっと濃厚な果実感はプルーンジュースのようです。飲み終えた後、鼻に抜けていくアロマや口の中にじんわりと残るカカオのフレーバーがとても心地いい。バランス感覚が素晴らしく、深煎り好きも浅煎り好きもどちらも楽しめる、お互いのいいとこどりのようなコーヒー。焼き菓子やバターのしっかり効いた洋菓子なんかも最高にマッチしそうです。肩肘張らずにさっと入れてゆっくり飲みたい、フランクなコーヒーでした! ちそうさまでした。飲んでみたい方はこちらから。
What's New in the Community?
Standart Communityで起きていること
今週のStandart Communityでは、コーヒー機材の引き取り手の募集が行われました。今回はエスプレッソマシン(strada AV-2)とグラインダー(EK43)の引き取り手の募集で、カフェ開業される方やマシンのグレードアップを希望の方に購入していただきたいとのことです。ご興味ある方は、このニュースレターにご返信いただけると幸いです。大切に使ってくださる方の手にわたってくれることを祈っています😌
※Standart Japan定期購読者の皆さんにはCommunityへの招待状をメールでお送りしています。まだの方はぜひご参加ください!
Inspiration
おすすめの本、映画、音楽、アート
サンクチュアリ -聖域-
5月に配信がスタートしたばかりのサンクチュアリ -聖域-。北九州出身の不良が一攫千金を狙って相撲力士になり、その魅力にのめり込んでいくというストーリーです。配信がスタートするや否や話題になっているんですが、その漫画のようなストーリー性と、相撲という昔から慣れ親しんでいる武道をテーマとしたNetflixドラマというキャッチーさに、興味津々になる人も多いんじゃないでしょうか。個人的には、一ノ瀬ワタル演じる主人公、猿桜(えんおう)の出身地が僕の出身地でもある北九州の門司ということで、方言とその不良ぐあい(笑)に惹かれて1話観てみることに。そして最終話の8話まで、もう止まりませんでした。
相撲がテーマの映画やドラマっていつ観たのが最後だったかなと考えていたんですが、思いついたのは1992年公開の「シコふんじゃった。」くらい。あの映画は学生の部活x弱小という設定でしたが、サンクチュアリはプロの相撲の世界を描く必要があり、きっと緻密な取材の上で出来上がったのだろうなと思わせてくれるほどに、相撲の世界が濃厚に描かれています。そしてそれを可能にさせるのは、俳優陣の体の作り込みや相撲の所作。筋肉や脂肪のつき方や、実際の相撲の取組の様子など本当に素晴らしくくて、どれほどの努力と時間が費やされてきたのかと考えると気が遠くなりそうです。(肉体改造についての記事はこちら)
映像の演出やキャストたちの掛け合いもめちゃめちゃ面白くて、喜怒哀楽をジェットコースターのように楽しめる最高のエンターテイメントでした。相撲を見にいきたくなりますよ!
Brewing with…
あの人のコーヒーレシピ
古賀 陸斗 aka Ricky
2019年2月に渡豪し、バリスタとしてのキャリアをスタートさせる。メルボルンのCode Blackというカフェでマネージャーを経験した後2022年10月帰国。帰国後半年後にメルボルンのカフェ文化を地元に創りたいとSESSION COFFEE BASEを立ち上げる。
5 questions
今気になっている問いは?
「コーヒーとは一体なんなのか」
バリスタを始めてからいまだに納得のいく答えが出ていない疑問です。気温や湿度、淹れ方、環境、使用する器材、、さまざまな要素から味が変化するコーヒーには意志があるとしか僕は思えないのです。「僕はこう淹れてほしいよ」と言っているように思えます。まだ君たち(コーヒー)の声は聞こえていないけど、いつか聴こえるようになる日が来ると信じています。
お気に入りの場所は?
「メルボルン」
僕のバリスタの全てが詰まっている場所で原点です。さまざまな価値観、文化、言語に触れることができたのも、今僕が僕である大きな理由の一つだと思います。
譲れないこだわりは?
「自分自身が幸せである努力をすること」
バリスタは人を幸せにするお仕事だと思っています。自分が幸せだと人にも幸せを分けてあげることができます。幸せになる努力をすることは人生を豊かにすることに直結すると思っています。
今誰と一緒にコーヒーを飲みたい?
「家族と」夢を追いかけ続けられたのは家族の支えがあったからです。感謝と、そしてリスペクトを込めて家族のためにゆっくりとコーヒーを淹れる時間もいいですね。
あなたのギルティプレジャーを教えてください。
実は、音楽や洋服の歴史を学ぶことが好きです。音楽や洋服における流行の歴史はその国の背景や情勢を知ることにつながります。それを紐解いていって点と点が線になると、めちゃくちゃ面白いんです!たくさんのヒントがあるし、そこから学ぶことやコーヒーと関連づけることができるので気になった時に調べるようにしています。
Fancy a refill?
編集後記
先日、親知らずを抜いたんですよね。下の列の。そしたら思ってた3倍くらいのサイズの歯が出てきてちょっと吹き出しそうになりました。
歯医者さんが「持って帰りますか?」って聞くもんなので思わずはい、と言ったはいいものの扱いに困っています。
しかし改めて考えると体の中には自分の目では見られないけど、他人に見せるものがたくさんありますよね。究極的には顔も鏡やカメラを通してしか見られないわけで。そんなもんが自分の体だって言うんだから認識と所有の概念なんて勝手なもんだな、なんて気さえしてきますし、それを他人にとやかく言われて気に病むことがあるなんて馬鹿らしくなってきます。
最近生成AIが盛り上がっててめっきり耳にしなくなったメタバースの世界で、自分のアバターの見た目をあれこれ言われたら人はやっぱり傷ついてしまうんでしょうかね? もし傷つくとしたら、それは自分の持ち物を批判されたときの感覚と、自分自身の見た目を批判されたときの感覚、どちらに近いんでしょうか?
Atsushi
今週の The Weekend Brew はいかがでしたか?
バックナンバーを含め、The Weekend Brewの感想やコメントはぜひ #standartjapan のハッシュタグと共にシェアをお願いします! 質問はメールでお待ちしております。またお友達やご家族など、The Weekend Brew を一緒に楽しんでもらえそうな方にこのメールを転送していただけると嬉しいです。
Standart JapanのウェブサイトやInstagram、Facebookもぜひチェックしてみてくださいね。
今週の The Weekend Brew は Standart Japan 第24号スポンサーのTYPICA、パートナーの Victoria Arduino x トーエイ工業、Swiss Water、Faema x DKSH、Fellow x Kiguのサポートでお届けしました。
LOVE & COFFEE✌️
Standart Japan
(執筆・編集:Takaya & Atsushi)