おはようございます。今週はどんな一週間でしたか?
今年も東京ビッグサイトでSCAJ 2022が開催されます。10/12~14の期間中、Standart JapanはCoffee Villageに出店しているので、ご来場される方はぜひ遊びにきてください! 今年もCoffee Villageのビジュアル制作を担当しています。コラボしたアーティストはベルリン在住のPetra Péterffyさん。こちらも楽しんでもらえると嬉しいです!
そしてビッグニュース!
SCAJのスペシャル企画として、The Weekend Brewの「号外」を配布いたします! 限定部数で印刷したリアルなThe Weekend Brew ニュースペーパーです。SCAJ会場でしか手に入らない今回の号外、ぜひゲットしていってください。さらに、先着150名(会期中、毎日先着50名)に、最新号のStandart Japan (#21)のMeet Your Guestに登場してくれたアミット・チェトリさんが経営するイエティロースタリーのサンプルコーヒーをこの号外にお付けしますよ!
最新号のStandart Japanについてくるサンプルコーヒーを提供してくれたOnyx Coffee Labとのコラボトートバッグも数量限定ですがご用意しています。こちらもチェックしていってください。
期間中は、Standart Japanチーム全員(Nanako、Atsushi、Toshi)が、Standartの創業者マイケル・モルカンと一緒に皆さんをお待ちしています〜〜!! 13、14日はWBエディターTakayaもいますよ!
SCAJは読者の皆さんと直接できるとっても大切なイベント。皆さんとたくさんお話しできるのを楽しみにしています。
それでは今週も良い週末を。
編集長 Toshi
This Week in Coffee
世界のコーヒーニュース
旅の休憩所
先日は、飛行機内で出されるコーヒーのスペシャルティ化について紹介しましたが、今回はその前後の時間、空港でのコーヒー体験について。これまで空港のコーヒーショップと言えば大手チェーンがほとんどでしたが、空港内の飲食施設を運営するグローバル企業HMSホストが、地元コーヒーショップの誘致を掲げたこともあり、米国ではローカルブランドの開店数が増加。また同様の傾向が、ヨーロッパやラテンアメリカでも見られているそうです。こちらの記事では、そんなスペシャルティショップの空港での開店に伴うメリット、および課題について分析されています。
まず、空港出店の大きなメリットとして挙げられているのが、新規顧客の開拓です。多様な人々が集う空港であれば、スペシャルティコーヒーという新たなコーヒー体験を提供しつつ、ブランドの認知拡大も狙うことができます。一方、大半の利用者は街中のカフェを訪れるときほど時間の余裕がないため、スピード重視のメニュー構成(ドリップよりもエスプレッソ重視)にならざるをえず、オペレーションを見てみても、ドリンク作りのスピードや、顧客への情報の伝え方に関して工夫が要されます。さらに空港での展開はビジネス規模拡大を余儀なくされることから、ブランドイメージをどう保つかについて難しい決断を迫られると指摘されています。
様々な制約の中、コーヒーショップならではのサードプレイス的要素をどう育んでいくのかは、今後注視すべきポイントかもしれません。さまざまな形で世界中に広がる空の旅とコーヒーの関係は、これからもホットな話題になりそうです。
気になるニュース
▷ 気候危機に直面するコーヒー生産の現状と持続可能なコーヒー業界の在り方を模索するショートビデオをブルームバーグが公開。農家の直面する問題からコーヒーの遺伝子研究、ダイレクトトレードの事例まで簡潔明瞭にまとめられています。
▷ オートリーが、SCA主催の競技会における動物性ミルクの使用規定を非難するオープンレターを公開。「#OutdatedCoffeeRules (時代遅れなコーヒーのルール)」のハッシュタグで、ユーザーにSNS上での拡散を呼びかけています。
▷ 近日中に、Googleマップが新機能を複数ローンチ予定。その内の一つ「Neighborhood Vibe」では、レビューをもとに、AIがエリア内の人気カフェなどをビジュアルと共に教えてくれるのだそう。旅行前に目的地の雰囲気を掴むのに役立ちそう。
▷ 先日国際宇宙ステーションに向けて打ち上げられたスペースXのロケットには、250袋ものインスタントコーヒーが積み込まれていました。インスタントコーヒー専門のスペシャルティブランド「ファーストアセントコーヒー(First Ascent Coffee)」が元々アウトドアシーンを想定して発売したようですが、現在は思った以上にアウトドアな場所でも親しまれているようです。
▷ バラク・オバマが大統領時代、実はホワイトハウスに50台のケメックスが導入されたそうです。どうやらかつてのホワイトハウスでは、ハンドドリップが主流だったよう。映画や本、音楽にコーヒーまで、オバマ、イカし過ぎでしょ。
物足りないあなたへ
英国政府が、国内のホスピタリティビジネス向けに光熱費減額施策を発表。Good Coffee Farmsが東京・日本橋にカフェバーをオープン。横浜コーヒーフェスティバルが10/23 (日)に約3年ぶりに開催予定です。
What We're Drinking
今週のコーヒー
ATARA COFFEE 滋賀(地図)
2022年4月、滋賀県長浜市に浅煎りのみを取り扱うコーヒーショップとしてオープンしました。コーヒーの持つ個性を心地よく感じられるように焙煎しています。「コーヒーをおいしく、たのしく」コーヒーを通じて、人との広がりや繋がりを感じられるそんな居場所になるように。
生産者: ミエリッヒファミリー
生産地域:ニカラグア マタガルパ県エル・アレナル(地図)
品種:ジャバニカ
精製方法:ナチュラル
テイスティングノート:ミルクチョコレートやとろんとした蜜の甘さ、りんごの優しい酸味が甘さを支えてくれます。派手なフレーバーではありませんが、この丸みのあるなめらかな質感を、ぜひたのしんで飲んでください。
編集長のコメント:
The Weekend Brewでご紹介するのは一年以上ぶりとなるニカラグア。「ジャバニカ」は、エチオピア原種のティピカロングベリーがインドネシアのジャワ島に渡り育てられたのがJava(ジャバ)と呼ばれ、そのジャバがニカラグアに渡って育てられて通称ジャバニカと呼ばれるようになったんだとか。ジャワ島とニカラグアの生産エリアの環境が似ていることから高品質なジャワが作られているようです。久しぶりに飲むジャバニカでした。一口啜ると口に広がるジューシーでフレッシュな赤葡萄のような果実感。フレーバーに勢いがあって、ギュンギュンと体の隅々まで入り込んでくるようです。ギュンギュン系です。少しとろりとしたテクスチャがあり、れんげの蜂蜜のようなニュアンスも。そしてパパイヤやスイカを連想させてくれる味わいが後半に顔を覗かせてきました。後味は少しマカデミアナッツのようなナッティさも。素朴な味わいの中にちょっと変化球があるような、いい意味で「ちょうどいい」コーヒー。毎日の暮らしの中でどんなコーヒーが飲みたい?と聞かれたら、なんだかんだでやっぱりこれ!と勧めたくなるコーヒーでした。ごちそうさまでした!
What's New in the Community?
Standart Communityで起きていること
今週のStandart Communityでは、大山崎COFFEE ROASTERSの共同経営者、中村 佳太さんの投稿を機に、コーヒー業界の抱える構造的なジェンダー問題の提起と、解消に向けたアイデアの共有の場が開かれました。当事者としての実体験やコーヒーラバーから見たコーヒーショップの様子、業界内外の垣根を超えてジェンダー問題への認知を高める必要性などについてコメントが寄せられました。今後はコミュニティ内でもジェンダー問題に関するイベントが企画されるかも!
※Standart Japan定期購読者の皆さんにはCommunityへの招待状をメールでお送りしています。まだの方はぜひご参加ください!
Inspiration
おすすめの本、映画、音楽、アート
MOONSTAR(ムーンスター)
今週は本でも映画でもアートでもない、靴のブランドのお話。MOONSTARは福岡県久留米市を拠点とする日本を代表するシューズブランドです。先日、福岡にあるALSO MOONSTARに靴を求めて伺ったのですが、まず、建築家の下川徹さんが手がけたこの店舗の空間がとにかく素晴らしくて圧倒されました。ムーンスターの歴史、ものづくり、人、工場などが空間全体からディテールまで随所で表現されていて、ブランドのメッセージが見事に可視化されているようです。洗練された空間というのは間違いないのですが、それでいて不思議と落ち着く場所で、靴屋さんでカフェのように気持ちが安らぐ場所は他にはないかもしれません。
さらにムーンスターは、IN USEというオウンドメディアも展開していて、これがまた本当に面白いんです。「長く使う」「佇まい」「ものづくり」「つながる」の4つをテーマに、靴というレンズを通して日々の生活を眺めていきます。あれ、これどっかで・・・と思ったら、Standartがコーヒーをレンズに世界を眺めるような感覚に少し似ているんです。ムーンスターというコミュニティや世界観を見事に作り上げていて、まんまと隅から隅まで読んで楽しんでしまいました。「スニーカーができるまで」というページも秀逸で、靴の製造工程で使用される窯が以前佐賀の有田の窯元で見た焼き窯のように見えたり、ゴムが伸びていく様子がパスタの麺に見えたりして、ビジュアル的にも面白いです。(こちらの美しい映像もおすすめ!)ALSO MOONSTARはMagazin ALSOという新聞も発行していて、店舗でしかもらえないと思いますがこちらもまたクオリティが高く、街のムーンスターユーザーに話を聞いたり、歩くことにフォーカスしたエッセーがあったりと、読み物としてとっても興味をそそられます。
と、企業の回者のような話になってしまいましたが、消費者がブランドのファンになるまでの入り口が色んな角度から丁寧に用意してあって、いち消費者としてファンジャーニーを体感することで、なによりMOONSTARのことがとても好きになったし、たくさんインスピレーションをもらうことができました。靴を履くのがもっと楽しくなりそうです!
Brewing with…
あの人のコーヒーレシピ
福永 寛尚 フクナガ ヒロタカ
1986(昭和61)年、鹿児島県鹿児島市生まれ。24歳の時、鹿児島でコーヒーショップをする為ワーキングホリデービザを利用し、オーストラリアで知識を身につけることを目的に会社員を辞め、渡航。2年間ゴールドコーストを中心にローカルのカフェで働きながら、現地のバリスタの仕事とその文化を間近で学ぶ。帰国後、すぐに上京し、オーストラリア出身のバリスタ、ポール・バセット氏が手掛けた、Paul Bassettへ。約4年間、コーヒーに関するノウハウやサービスを取り入れた後、帰郷。鹿児島市内にあるCAFÉSHOPのマネージャーとして、約4年勤め、2022年2月、鹿児島市に「LUCK APARTMENT」を開業。朝6:30から営業し、コーヒーを通じ新しいより良いライフスタイルの提案を地元で挑む。
5 questions
今気になっている問いは?
「鹿児島にコーヒーショップが増えて盛り上がる良い流れ」
鹿児島市内は朝からコーヒーを愉しめる場所が増えている。コーヒーショップを営むものとして、コーヒー好きとしてすごく嬉しい流れ。各店舗、しっかりとしたスキルとコンプセプトを持ち、消費者としてもその時の気分で店舗を選べる良い立地感もある。良いお店が増えることは、お客様が良いモノを知る機会が増えきっとコーヒー好きが増えるということ。ローカルは、個人店一つではなく良い波長の仲間あってこそ成長できると、考えている自分自身としても、休日にコーヒーを愉しめる気になる場所があることは幸せに繋がる。
お気に入りの場所は?
「桜島(鹿児島)」
郷土のシンボル。無条件に県民が好きなもの。
「ゴールドコースト(AUS) 」
コーヒーの勉強といえば今ではメルボルンやシドニーが主流だが、SNSが普及していなかった時代に行った僕としては、降り立ったそこの自然や現地であった人々から受けた愛情が、今の自分に大きく影響を与えているほど。
譲れないこだわりは?
「シンプルであること。見返りを求めないこと。」
それでいることで満足だから。
今誰と一緒にコーヒーを飲みたい?
家族、妻と。
最近、何に感動した?
朝早くコーヒーを飲みにいらしたお客様が店内から出られた際に快晴の空をじっと眺めて明らかに少し満足そうな表情で、来た時よりも足取りが軽くなっていた様子を見れた時。見間違えかもしれないが考え深くこちらもやる気をさらに頂けた。
Fancy a refill?
編集後記
先月のチームトリップに持っていっていたポイント・アンド・シュートで撮ったフィルムの現像が終わったので、過ぎ去った夏を懐かしみつつ、みなさんへのポストカードとしてお送りします。
Atsushi
今週の The Weekend Brew はいかがでしたか?
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今週の The Weekend Brew は Standart Japan 第21号スポンサーのTYPICA、パートナーの Victoria Arduino x トーエイ工業、FAEMA x DKSH、Swiss Water、ブルートーカイコーヒーのサポートでお届けしました。
LOVE & COFFEE✌️
Standart Japan
(執筆・編集:Takaya & Atsushi)