おはようございます。今週はどんな一週間でしたか?
The Weekend Brewは、2020年7月12日にISSUE no. 1が発行され、このISSUE no. 100で2周年を迎えました。毎週楽しみにしてくださっている方々がいるからこそ、こうして記念すべき100回目を迎えることができました
毎年アニバーサリーには何か新しいことをやらないといけないような見えないプレッシャーを感じながら(5年後はとんでもないことになってそうです)、今年はいつも一緒にニュースレターを作っているStandart Japan 制作担当のAtsushiと、ニュースレターエディターのTakayaと一緒に、Podcastを収録しました。ニュースレターについてやTakayaとの出会いなど、The Weekend Brewの裏話も交えながらゆるく話をしています。暇なときにでも聞いてもらえると嬉しいです。(ちなみに、録音された自分の声が案外いい声で好きって人は世の中にいるんですかね?)
そして、頑張ったけれど全然間に合わなかったアニバーサリー企画がもう一つあります。The Weekend Brewを読んでくださっている皆さんが、「I am a Weekend Brewer!」という主張をチラつかせることができるようにオリジナルステッカーを作りました!来週また詳細をご案内しますので、楽しみにしていてください!
最後に、昨年同様、この2年間を数字やイラスト、GIFで振り返ってみたいと思います。改めて、皆さんいつもありがとうございます! To the next 100!
それでは今週も良い週末を。
編集長 Toshi
This Week in Coffee
世界のコーヒーニュース
回答ではなく、アプローチとして
先日Nespressoが、環境・社会に配慮した公益性の高い企業に与えられる国際認証「B corp」を取得したことを受け、米・オレゴン州を拠点とするNPO「Fair World Project」が公開状を発表しました。その中で同団体は、Nespressoのサプライチェーン内で確認された児童労働や賃金未支払の事例に言及しつつ、Nespressoの認証取得はB Corp認証そのものの形骸化をもたらすと批判しており、末尾には公開状に賛同するB corp認証企業・コーヒーロースターの名が並んでいます。
2月に配信された「Boss Barista」のニュースレターにも、ちょうど『B corp認証のコーヒーを買うべきか?』と題された記事がありました。そこではグリーンウォッシングの可能性を踏まえ、何かを購入するときは認証されているから安心するのではなく、常に疑いの目を向けつつ、認証をあくまで一つのツールとして捉えることが重要だと述べられています。その上で、社会的なイニシアチブを(認証取得のような形で)拡大する企業の動きだけを評価するのではなく、社会に生み出す負担を縮小する、地味な変化にもっと目を向けるべきだと筆者のアシュリーさんは訴えています。
拡大だけでなく、縮小の視点を。回答ではなく、あくまで一つのアプローチとして。その批判的な姿勢を通じ、認証との深い付き合い学ぶ必要性を私たちは問われているのかもしれません。
気になるニュース
▷ ゴミムシダマシ科の幼虫、通称「スーパーワーム」は、海外でよくコーヒーカップの原料に使われる発砲スチロールのみを食べて生きていける(虫が苦手な人は画像に注意)ことが分かりました。現在はプラスチックの生分解技術確立に向けて、スーパーワームが消化時に用いる酵素の特定・応用を目指しています。
▷ カリフォルニア州の一部の都市で、店頭で大麻を吸える大麻ラウンジが拡大中。税収や観光客の増加が期待される一方、市民からは反対の声も。ちなみに現在オランダ・アムステルダムでは、市長が観光客の大麻使用禁止に向けて動いています。
▷ ジャガイモに含まれるタンパク質が、筋肉をつける上で動物性ミルクと同等の効果を発揮する可能性を示唆する研究結果が発表されました。両食材に含まれるアミノ酸の組成が非常に近いようで、以前紹介したポテトミルクの人気を高める要因になりそうです。
▷ 日本全国で猛暑日が続いていますが、暑いときこそホットコーヒーを飲んだ方が体を冷やせるってご存じでしたか? 体温より温かいものを飲むと体の冷却システムが機能し、冷たい飲み物を飲んだときより結果的に体温が下がるそう。ただしコレには気化熱が関係しているので、汗は我慢しなければいけません。
▷ 大阪・Lilo Coffee Roastersの関係者が主催する「Coffee Saunners (コーヒーサウナーズ)」が、7/3 (日)に完全予約制で開催予定。街中のルーフトップで風を浴びながら、テントサウナと公式サウナコーヒー「チルプレッソ」でシメる一日。最高に決まってるじゃないですか!
物足りないあなたへ
ビーンレスコーヒー企業AtomosがシリーズAラウンドで約55億円を調達。「コーヒー味」と聞いて誰も連想しないであろう、ビーフジャーキーが……アメリカで発売されました。
What We're Drinking
今週のコーヒー
Sniite 東京(地図)
ONIBUS COFFEEに所属し同社が運営するABOUT LIFE COFFEE BREWERSにてロースター/マネージャーを務めた神戸渉が2020年に立ち上げたコーヒーロースター/ショップ。
生産者: 小規模生産農家
生産地域:エチオピア イルガチェフェ ゲデオゾーン最南東部ゲデブ地域ウォルカ・サカロ(地図)
品種:エチオピア原生種
精製方法:ウォッシュト
テイスティングノート: 葡萄、キャンディーのような甘さ、複雑な酸、クリーン、ロングアフターテイスト
編集長のコメント:
これぞエチオピアのイルガチェフェ・ウォッシュトというくらい、どストレートにおいしいコーヒーでした。挽いた豆の香りは力強く、お湯を注ぐとレモングラスの香り。口に含んだコーヒーは、華やかで繊細なフレーバーはジューシーな桃のよう。特徴的な強い甘さがあり、舌の上でハラリと溶けていく綿菓子のように、はじめにインパクトのある甘さを感じた後にじんわりじんわり全体に広がっていきます。そして中盤からはブラックティーの味わい。質の良いブラックティーを彷彿とさせるフレーバーを感じると、いつも思い出すのは以前イスタンブールで飲んだブラックティー。花やマスカットのようなフレーバーと甘いコク、爽快感のある引き締まった味わいは、当時持っていた紅茶の概念を覆してくれました。このコーヒーにも似たような味わいを感じ、クリーンな仕上がりと相まってシャンパンのような気品さえ覚えました。最後に少しだけフレーバーの奥の方に感じたのはクローブのスパイス感。いやぁ、これはいくらでも飲めそうです。そして最後に、このパッケージデザイン。完成度の高いかっこいいパッケージは、そのセンスの良さに嫉妬するくらい。目も舌も、ごちそうさまでした!
Artists in Residence
Standartを彩るアーティストたち
アーティスト:
アシュリー・ロドリゲス Substack |Instagram
プロフィール:
フリーランスライターとして活動しながら、コーヒーポッドキャスト「Boss Barista」のホスト兼プロデューサーを務める。ポッドキャストではコーヒー産業、サービス業、コレクティブアクションなどのマクロなテーマについてゲストと議論を深める。毎週木曜日にはコーヒーニュースレターも配信中。登録はこちらから。
最新の掲載記事:
Standart Japan 第19号 「くじ引き民主主義の可能性」
Inspiration
おすすめの本、映画、音楽、アート
『SとN』
佐賀県と長崎県で2017年より共同制作しているフリーマガジン。なんでも2022年の西九州新幹線の開業に向けて、地域の魅力を発信する機会に、と始まった企画なのだそうです。40年以上続いている地元の食堂。230円で大サイズが食べれちゃう老舗お好み焼き屋。好きなレコードを選んで、好きなスピーカーで聞けちゃう音浴博物館。ガイドマップとしての発信に重きを置くのではなく、あくまでフォーカスするのはその地の日常。まるでその土地を歩いているかのような目線で映し出される佐賀・長崎の魅力に心惹かれる方も多いはず。ちょっと前に『SとN』を取り扱っていた店のオーナーが「ここに載ってるお好み焼きを食べに、今度ふらっと行ってみようと思います」と言っていた言葉に心から共感します。読み終わると、ふと予定を詰め込みすぎない自由気ままな旅をしたくなること間違いなしです。
観光ポータルサイト「ながさき旅ネット」では、現在全号デジタルブック形式で公開中。ですが、もし紙で手に取る機会があれば、冊子片手にふらっと佐賀・長崎旅行、なんて最高過ぎますね。
Brewing with…
あの人のコーヒーレシピ
源平 早彩 aka. さあや
東京都出身。南青山の「Little Darling Coffee Roasters」でコーヒーの仕事をスタート。スポーツ選手の妹と暮らすため名古屋に移住し、インテリアショップの販売員をしながら「TRUNK COFFEE」に勤務。現在は愛知県瀬戸市で「little flower coffee」をオープンし、バリスタとしてコーヒーを淹れ、パッケージやロゴなどのデザイン、ディレクションを担当。空間ディレクションチーム「STUDIO LEE」のアシスタントとしても活動。
好きな食べ物は、アイスクリームと桃、酸っぱいもの。
5 questions
今気になっている問いは?
『2年後どこで何をしているか。』
2年間ですごいたくさんのことが変わるし、変えられるから。名古屋に来た当初は2年くらいですぐ帰ろうと思っていて(今頃海のそばに住んでる予定でした)、もともとインテリアやデザインに興味があったので、もう飲食業は辞めよう!と思った時にTRUNK COFFEEに勤めるご縁を頂いて、そこでもう一度コーヒーをする覚悟を決めました。コロナ禍で世界も変化して大変な約2年間でしたが、今瀬戸でお店をするキッカケにもなりました。また2年後はオリンピックイヤーで妹にとっても大きな年ですし、リトフラとしても新しい動きができているといいなと思います。とにかくひとつの勝手な節目として気になるところです。自分自身どうなっているか、どうなれるか、たのしみ!
お気に入りの場所は?
『プロフィール写真でもいるお店の隅っこ』
お店の内装やデザインをしてくださったチームが本当にいい方々で、凄く大変だったけどたくさん勉強させて頂いて、その時の感謝とか感動とか思い出せるお気に入りの空間が全て見渡せるポジションだから。あとは、ウェーブのソファの角が収まり良くて心地いいから。是非お店に来た時はここに座ってくださいね。オススメです!!
『名古屋港水族館』
小さい時から動物が大好きで、シャチがいることに感動しました!日本で観れる場所は少ないので!!
譲れないこだわりは?
『新しく環境が変わる時や、何かの節目に香水とかの香りを新しくアップデートすること!』
職業柄なかなか香水はつけられないですが、私の中で香りってすごく印象に残るので忘れたくない瞬間を記憶するため。
今誰と一緒にコーヒーを飲みたい?
『幼馴染や海外にいる友だちと!』
会いたくてもなかなか会えない大切な人たちとゆっくり時間を過ごしたいです。
明日地球がなくなるとしたら誰と何をする?
大切な人たちと明日地球がなくならないとしたらこれからどうするかという話をする。
Fancy a refill?
編集後記
あっという間にこのニュースレターも#100。
いつも読んでくださっている皆さん、本当にありがとうございます!
今後の野望、と言うと大げさかもしれませんが、改めてこのニュースレターを細々と、長く続けていきたいなです。読んでくださっているみなさんと、目の前の「今週」を積み重ねていく尊さをこれからも大切にしたいと思っています。
3年目のthe Weekend Brewも、どうぞよろしくお願いします。
Takaya
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今週の The Weekend Brew は Standart Japan 第20号スポンサーのFAEMA、パートナーの Victoria Arduino x トーエイ工業、TYPICA、Probat、セラード珈琲、MiiRのサポートでお届けしました。
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Standart Japan
(執筆・編集:Takaya & Atsushi)