Meet Our Partners: THE BARN

Standart Japan第12号のパートナー、そしてコーヒーパートナーを同時に務めてくれたドイツ・ベルリンのTHE BARN。実は彼らは2015年にStandartが誕生してから(Standart Japan創刊は2017年)ずっと私たちをサポートしてくれているんです。

今回のMeet Our PartnerではそんなTHE BARNのオーナー、ラルフ・リューラーさんにサンプルコーヒーのことや、ベルリンのコーヒーシーン、さらには世界中で猛威をふるうCOVID−19の影響などについてお話を伺いました。

 

—こんにちはラルフさん! まずは今回のサンプルコーヒーについて簡単に教えていただけますか?

今回お送りするのは、THE BARNとしては初めて扱うインドネシア産ナチュラル精製のコーヒーです。インドネシアにはかなり前から注目していましたが、なかなか私たちの求めるような明瞭で豊かなフレーバーを持ったコーヒーを見つけられずにいました。なので今回お届けするRADIOPHAREに出会ったときは、「ついに!」と興奮しましたよ。

Klasik Beansが提供するこのコーヒーは、ジャワ島西部のスンダ地方というところにある、ほぼ手つかずの森で栽培されたものです。この地域には300年以上におよぶコーヒー栽培の歴史があり、独自のティピカ亜種が育てられています。またナチュラル精製というのもこのコーヒーの大きな特徴です。気候の影響からインドネシアでナチュラル精製のコーヒーを生産するのはとても難しく、これまでの手法ではスペシャルティの品質レベルに届くようなコーヒーをなかなか生み出せませんでした。

しかしRADIOPHAREはとても風味豊かで、お酒のようにリッチなんです。パッションフルーツやシナモンのフレーバーが特徴的で、温度が下がるとスモモやレーズンのような風味がします。このレーズンがどこかラムを想起させるんですよ。全体としてはとてもバランスがとれたコーヒーで、早く日本の皆さんに試してもらいたいです。

RADIOPHAREはTHE BARN初のインドネシア産ナチュラルコーヒー

 

—THE BARNはStandartを誕生からずっと見守ってくれていましたよね。ローンチパーティーも2周年記念パーティーもお店でやらせてもらいました。なぜそこまでStandartをサポートしてくださるのでしょうか?

5年前のローンチイベントのことは今でもよく覚えていますよ! まずコーヒー業界全体として、とても多くの人が身の回りのものごとをより良くしよう、そして有益な情報を積極的にシェアしようと努めていて、そのエネルギーが私の日々のモチベーションにもなっています。

そしてStandartを見てみると、私たちが普段触れることのないような情報を上質な雑誌というフォーマットで届けてくれるということ自体にとても価値があると思いますし、個人的にはStandartの中身も時間と共により良くなっていっていると感じます。そういう意味では、スペシャルティコーヒーの世界が雑誌の形になったと言えるんじゃないでしょうか。

さらにStandartの読者には、私のように仕事でコーヒーに携わっている人だけでなく、私たちが提供するコーヒーを飲んでくれる人たちも含まれています。つまりStandartはコーヒープロフェッショナルとは違ったアプローチで、コーヒー業界を繋げてくれているんです。そこが大きな魅力であり、一緒に成長していきたいと思わせるポイントですね。

 

—THE BARNのオープンから10年が経ちましたが、当時と比較してベルリン、そしてドイツのコーヒーシーンはどのように変化しましたか?

2010年のTHE BARN開業当時、ベルリンだけでなくドイツ中を見回しても、高品質なコーヒーを出すお店はなかったと思います。ちなみに、ここで言う「品質」にはトレーサビリティやサステイナビリティといったTHE BARNが大切にしている指標も含まれます。

そこで私たちは、お店に来てくれた人たちやコーヒーの仕事に興味を持っている人たちにさまざまな情報を共有し、それまであまり知られていなかったコーヒー自体のフレーバーについても積極的に情報発信してきました。コーヒーの提供の仕方にもそれは反映されていて、ドリップコーヒーにはミルクを入れませんし、冷たいミルクはどのホットコーヒーにも入れません。シロップや砂糖もなしです。このやり方のせいで悪評を得たりもしましたが、そのおかげで独自のマーケットを作り上げられたんです。

それから10年が経った今、ドイツだけでなく世界中でコーヒーの質に目が向けられるようになり、良質なコーヒーを求める消費者も増えてきました。この傾向は今後も続いていかなければいけません。品質への意識が高まれば、コーヒーにもっとお金を払ってもいいという人が増え、それが私たちを通じて結果的に生産者へと還元されることになります。

ベルリンに限って言えば、カフェの数が増え、手に入るコーヒーの質も上がりましたが、まだまだやらなければならないことはたくさんあります。


THE BARNの店舗で行われた Standart 2周年記念パーティーにて

 

—ラルフさんは昔日本に住んでらっしゃったんですよね? どんなことが印象に残っていますか?

そうそう、日本には1993年から1年間住んでいました。もうかなり前の話になりますが、日本での生活は私の人生と考え方に大きな影響を及ぼしていると思います。実は今でも2年に1回は日本を訪れてそのときの友だちと会うようにしているんですよ。

どこから話始めればいいのか……と悩むほどですが、日本の文化や伝統、さらには現代のテクノロジーや、悩みを抱えつつ自分の道を切り開こうとしている若い世代など興味深い点がたくさんあります。私個人の意見として、日本は伝統的なものとの繋がりが深く、かつそれを現代の文脈にうまく当てはめられているように感じます。

THE BARNそのものや私たちの哲学、そして大切にしている価値は日本と深い関係があります。ブリューバーでのディテールへのこだわりしかり、チームには日本人のメンバーもいます。いつか日本でもTHE BARNをオープンしたいですね。

 

—COVID-19の影響はいかがですか?

ベルリンにある9店舗すべての営業を停止しなければならず、正直言ってかなり苦しい状況です。ドイツ国内外の卸のお客さんも同様の状況なので、B2B事業も芳しくありません。そんな中、唯一いつも通り稼働しているのがウェブショップです。私たちの商品を買ってくださるサポーターの皆さんには本当に感謝しています。

でも暗いニュースばかりではありません。実は現在新しい焙煎所を準備中で、今年の夏を目標にオープンする予定なんです。実際にオープンするタイミングについてはこれからの状況を注視していかなければいけませんが、焙煎だけでなくパンを作るスペースも同じ建物の中に作っているので、きっとオペレーションが効率化するでしょうし、単純に完成がとても楽しみです。

もっと視野を広げると、人と直接会う機会が減ったことで、逆にコミュニティや家族の結束が深まっているようにも感じます。このつらい経験を通して、量より質を大切にする人がより増えてくるといいですね。

とはいっても、現在はこの苦境を耐え抜くことが第一。オンラインで注文をくれる世界中の人たちのためにコーヒーを焙煎しています。

 

—Standart Japanの読者の皆さんへメッセージをお願いします。

まずは安全第一です。そしてしっかりとソーシャルディスタンスを保つなど、これからも自分だけでなく周りの人たちのために責任ある行動をとっていってほしいですね。また身の回りを見つめなおし、誰か助けを必要としている人がいないか考えてみてください。

自分の時間がとれそうなら、Standartやお気に入りの本を読みながら、おいしいコーヒーを飲むというのもいいですね。

できるだけ早く、また日本で皆さんと会えるのを楽しみにしています。


Standart Japanがお披露目された2017年の東京コーヒーフェスティバルにて。トシ(Standart Japan編集長)、マイケル(Standart創刊編集長)と共に

 

—ラルフさん、ありがとうございました!

Meet Our Partners: THE BARN

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