Eagle One:デザイン・機能性・持続可能性のすべてを追究した次世代エスプレッソマシン

Eagle One:デザイン・機能性・持続可能性のすべてを追究した次世代エスプレッソマシン

James Hoffmann with Eagle One

「記憶に残るコーヒー体験を届けるためにはデザイン・機能性・持続可能性が欠かせない」という新世代のカフェの要望に応え誕生したEagle One。

Victoria Arduinoがこのマシンの開発にあたって助言を仰いだのが、2007年バリスタチャンピオンのJames Hoffmannでした。この記事では、Eagle Oneの内側と外側の両方を知り尽くしたJamesを案内役に、このマシンの詳細や強みをご紹介します。

 

Eagle One のコアにある問題意識

Eagle Oneの開発の前提になったのが、これまでのエスプレッソマシンが抱える大きな問題を解決したいという想いでした。その大きな問題とは、エスプレッソベースのドリンクを作る際に生まれる無駄です。そして私たちは話し合いを通じて、この問題を避けることはできず、むしろ私たちが手を取り合えば現状を大きく変えられるかもしれないと考えたのです。

今や日常的に耳にするようになった「持続可能性」という言葉。それが環境の話であれ、金銭的な話であれ、持続可能性を高めるためにはできるだけ無駄を減らすことが肝要です。例えばEagle Oneのボイラーには革新的な仕組みが採用され、熱効率が大幅に向上しました。コンパクトながらも強力なこのボイラーによって、競合製品と比較すると36%もの電気消費量の削減に成功しました。

その他にも無駄を省くという課題に基づき、エスプレッソ抽出後に自動で最低限の量のお湯を流してグループヘッドを洗浄するオートフラッシュ機能など、さまざまな仕組みが実装されています。バリスタは常にマルチタスクを強いられているため、グループヘッドの洗浄中に他の仕事に気を取られ、お湯が流れたままになってしまうことがよくあります。水はタダではありませんし、浄水にも、お湯をわかすのにもお金がかかります。しかしお湯が何の役割も果たさずにドリップトレーに流れていってしまっては、まさにドブにお金を捨てるようなもの。環境への悪影響も当然無視できません。しかしEagle Oneであれば、単にお湯の排出量を減らせるだけでなく、TERSというシステムのおかげで、トレーに排出されたお湯の熱を新たに供給された水を温めるのに再利用できるなど、無駄を徹底的に省くことができるのです。

ユーザビリティ

インターフェースにもいくつか大きな変化があります。まずはグループヘッドに取り付けられた新しいディスプレイ。マシンを使っていないときは自動で表示が消えることから「ゴーストディスプレイ」と呼ばれるこの画面ですが、コントラストが高く、点灯時はハッキリと情報を読み取ることができます。

また、これまでスチームワンドに取り付けられていたメカニカルバルブは電磁弁へと変更されました。最初はこの変化に驚くかもしれませんが、一旦慣れれば特に意識しなくなるでしょうし、マシンの寿命や操作性を考えても理にかなった改変と言えます。

マシン全体としては、使用感を損なうことなく、できる限りの小型化を目指しました。その結果小ぶりなボディながらも、2人のバリスタが問題なく3つのグループヘッドを共有できるようになっています。

 

デザイン

スペシャルティコーヒーの世界は大きな変化を遂げ、もはやニッチな市場とは呼べなくなりました。その証拠に、驚くほど多くの企業が高品質なコーヒーを自分たちの事業に取り入れようと目論んでいます。このような背景から、ニュートラルかつ柔軟なデザインが必要だということを当初から意識していました。つまり高級ホテルのバーの目立つ位置にあっても、近所のカフェの片隅にあっても違和感がないようなものを作ろうとしていたのです。

当然これは難しい課題でしたが、私たちの考えていたことはEagle Oneによって達成できたと思います。その解決策とは、カスタマイズを簡単かつ安価にできるようにすることでした。パネルは簡単に取り外せ、パウダーコートを施しやすいうえ、バックパネルはどんな素材を重ねても素材自体やマシンに影響が出ないよう設計されています。また更なるカスタマイズができるように、それぞれのパネルの形は極めてシンプルに作られています。つまりお店の雰囲気に沿ってエスプレッソマシンの見た目をカスタマイズするのに、マシンの値段の半分ものお金を投じなくて済むのです。