#85: ビール、EV車、コーヒー

おはようございます。今週はどんな一週間でしたか?

iPhoneの写真アプリには「For You」と題して昔の懐かしい写真を表示してくれる機能がありますよね。今週ふと携帯を眺めたときに目に止まったのは2017年の今週の写真。Standart Japanがローンチした時の様子でした。


Standart Japanとして、Tokyo Coffee Festivalへ初めての出店。ドイツ・ベルリンから駆けつけてくれたThe Barnのオーナー、ラルフさんと一緒にブースに立った2日間のフェスティバルは大盛況でした。日本のコーヒーフェスティバル自体が初めてだったこともあり、人の多さと参加者・来場者のコーヒーに対する熱量に圧倒されました。が、初めてのイベント出店で予想が全くつかず、会場に送った雑誌が半分以上余ってしまい、イベント終了後は未開封の段ボールの山を前に途方に暮れたのを覚えています。写真はイベント終了後に撮ったもので、一番左がStandartのCEOマイケル・モルカン、そして創刊号の表紙を飾ってくれた粕谷哲さんとブースを一緒に手伝ってくれたみんなとラルフさんを囲んで。

同じ日の夜に中目黒へ移動し、Blue Bottle Coffee 中目黒店でローンチイベントを開催しました。Blue Bottleの皆さんには本当に多くのサポートをいただきました。ライブジャズを聴きながら、ビールと雑誌を片手に色んな方とお話しする時間。正直なところ、ほぼ全ての方と初対面で、どなたとお話ししたのか覚えていないのはここだけの話😅 イベントにはフォトグラファーが必須という教訓を得るいい機会になったのはいうまでもありません。


   

 あの週末、すべての行事が終わった後、夜中の2時ごろにマイケルと共に食べたラーメンの味をたまに思い出します。私は当時オランダに住んでいて別の仕事をしていたので、翌日の朝の飛行機でオランダに戻り、午後から会社へ何事もなかったかのように出社したのも良い思い出です。

そしてその月日を感じながら作った記念すべきStandart Japan 20号は今週校了を迎え、印刷へと進みます。コロナの影響で印刷スタートが少し遅れる見込みですが、ようやく少し胸を撫で下ろしているところです。

こうして創刊号から3ヶ月に一度、コーヒー愛が詰まった雑誌をお届けできるのも、読者の皆さんをはじめ、スポンサーの方々、そしてコーヒーコミュニティ全体が私たちのStandartを楽しみにしてくれているからこそ。そしていつも思いやりの心を持って接し、インスピレーションを与えてくれるStandartチームのみんなにも感謝の気持ちを伝えたいです。ありがとうございます!

それでは本日も良い1日を。

編集長 Toshi

 

 

 

This Week in Coffee 
世界のコーヒーニュース

待ち時間はお手のもの

先日、自動車メーカーのボルボが、スターバックスとパイロットプログラムを立ち上げました。その内容は、シアトル・デンバー間、約2000kmに点在するスターバックス15店舗に、EV (電気自動車)用の充電ステーションを設置するというもの。EV充電ネットワークを運営する企業ChargePointとの連携のもと、年内に各店舗4基、合計60基の急速充電器の導入が予定されています。約160kmおきにある店舗に充電ステーションを配置することで、EVの”電欠”防止を狙っているそうです。

ガソリン車の給油とは異なり、EVの充電には一定の時間がかかります。この避けられない待ち時間をユーザーが快適に過ごせるよう、例えばフォルクスワーゲンは、大型スーパーマーケットの駐車場に充電ステーションを設置し、テスラはゲーム・映画を楽しめる車内モニター、独自の急速充電設備を導入するなど、各自動車メーカーが工夫を凝らしています。上記のパイロットプログラムでは、ボルボのEV限定で充電ステーションの無料利用が可能。充電スピードも、約40分間で電池残量20%→90%の急速充電を実現。コーヒーブレイクによる待ち時間の快適化、ボルボEV所有者のスタバ利用促進、スタバでのボルボブランドのインプレッション獲得など、様々な相乗効果が期待されます。

EVの浸透は日々のコーヒータイム——色んな意味での充電時間——の増加に繋がるのかも。そう考えると、EVとコーヒーラバーの相性って、思いの外悪くないのかもしれませんね。

 

その他の気になるニュース

▷ 石油価格上昇に伴う物流コストの増加が、コーヒー価格のさらなる上昇を引き起こす可能性が示唆されています。パンデミックに起因するコンテナ不足やトラック運転手などの人員不足により、昨年だけでもアラビカ種の先物価格は76%上昇しました。

▷ ACEがニカラグアの女性コーヒー生産者に焦点を当てた初のプライベートオークションを開催予定。ニカラグアのコーヒー生産を牽引する女性生産者を讃えるとともに、平等主義に基づいた社会の実現を目指します。

▷ 現在ガーナ共和国が、ドバイの政府系農産加工工場の利用に向けて交渉を進めています。米国食品医薬品局(FDA)の認証を持つドバイの工場を経由することで、ココアやコーヒー等を最終食品として輸出することができ、約10倍の収益増加が見込まれるそうです。

▷ クラフトビールメーカー「Far Yeast Brewing」と「Bicycle Coffee Tokyo」が、ゲシャ種を使用した限定コラボビールを発売。ゲシャの味わいが引き立つよう、ベースビールの選定から豆の焙煎・挽き具合まで細部にこだわったそう。オンラインストアもしくはBicycle Coffee Tokyoの店舗で購入可能です。

▷ 北ミシガンのとあるレストランが、3/17のセントパトリックデーに合わせて世界最大のアイリッシュコーヒー作りに挑戦。結果は、前ギネス記録を大幅に更新する550ガロン (約2082リットル)で、見事ギネス記録に認定! 巨大カップの手作り感もいいですね

 

What We're Drinking
今週のコーヒー

 

ABOUT US COFFEE
京都

ABOUT US COFFEE は全国の “お稲荷さん”の総本山・伏見稲荷大社がある、京都・伏見稲荷に2019年にオープンしたロースター兼カフェです。“ABOUT US”には「人生誰もが主人公」、「扱うコーヒーの生産者さんも含めてお届けする」という意味が込められています。“ US = 私たち(多様性)” をモットーに様々なオリジン、プロセスのコーヒーを浅煎りから深煎りまで幅広くラインナップし、テーマである「Wish your happiness bloom, with a cup of bliss…」のもと皆様に幸せが咲き誇るようにコーヒーの魅力を伝えていきます。

生産者:ニグセ・ゲメダ・ムデ

生産地域:エチオピア シダマ州ブレ群カラモ住民自治組織ハイーサ(地図

品種:74158

精製方法:ナチュラル

テイスティングノート: マスカット、白桃、メロン、チョコレート、ヨーグルト、クリーンカップ

エチオピアのトップクオリティの王道らしい、とてもコンプレックスなコーヒーです。フローラルで複雑なベリー感がある一方、ナチュラルプロセスながらも非常にクリーンカップです。他のエチオピア・ナチュラルよりもみずみずしさがあり、そこから個人的にはメロンやマスカットのようなニュアンスも感じとることができました。またスイートネスが高く、しっかりとしたライプ感(完熟感)や蜂蜜のような甘さもあります。カッピングでは冷めるにつれて、より複雑かつ明確にテイストを感じられ、長く楽しめるコーヒーという印象を受けました。生産者さんの努力の結晶とテロワールが素晴らしいコーヒーです。

編集長のコメント:

昨年の秋にご紹介させてもらう機会があったエチオピアのニグセ・ゲメダ・ムデ農園の豆。2020年のエチオピアのカップ・オブ・エクセレンス1位に輝いた農園です。ナチュラル精製ですが、ウォッシュトのようなキレのあるコーヒー。そしてとにかくテクスチャーが印象的で、甘酸っぱくジューシーな液体が舌にまとわりついてきます。鼻に抜けていくのは、パッションフルーツを割った時に飛び出してくる凝縮された濃厚な香り。ヨーグルトのような酸味も感じ、まるでパッションフルーツヨーグルトを食べているかのよう。コーヒー果皮(カスカラ)を思わせるアメリカンチェリーやローズヒップのフレーバーも感じ目の前にコーヒーチェリーがたわわに実ったコーヒーノキが浮かびました。シルキーな口当たりと甘さを伴う上質な酸があり、「エレガント」という言葉がこれほどまでに似合うコーヒーも少ないはず。あゝ素晴らしい!


Artists in Residence
Standartを彩るアーティストたち

アーティスト: 

カール・ファン・デル・リンデ  ウェブサイトInstagram

プロフィール:

ドキュメンタリー、ポートレートを中心に活動する南アフリカ出身のフォトグラファー静止画内に映し出される感情とロマンチシズムに大きな魅力を感じる。(この作品は2021年にウクライナのオデッサで撮影されたもの)

最新の掲載記事:

Standart Japan 第19号「リヴィウ」

 

Inspiration
おすすめの本、映画、音楽、アート

『Prosthetic Boombox』 Cola Boyy

カリフォルニア州オックスナード出身のアーティストCola Boyyが昨年リリースしたファーストアルバム。ニヤついてしまうほどキラキラしたディスコポップソング「Don't Forget Your Neighbourhood」に始まり、ミドルテンポで終盤のブラスセクションが印象的な「Mailbox」、メロウな「Song for the Mister」に続いて「Roses」でディスコポップに戻ってきて、「You Can Do It」で発されるのはジャミロクワイを思わせるスペース感。あくまで80年代のディスコサウンドを基点としながらも、その多様なスタイルとクセのある歌声に、思わず聴き入ってしまいました。ミラーボールや紙吹雪が思い浮かぶアルバム全体のイメージとは裏腹に、トリを飾るMGMTとのコラボ曲「Kid Born in Space」の歌詞は、貧困状態にあるカリフォルニアの田舎町で障がいを持つ有色人種として育った彼の半生を想起させます。ソフィー・ロイヤーやジョン・キャロル・カービー、アヴァランチーズが出演する「Don't Forget Your Neighbourhood」のミュージックビデオも必見。



Brewing with…
あの人のコーヒーレシピ 

 

吉田 匡 よしだ ただし

自家焙煎コーヒーとクラフトジンの専門店 cafe&gin mono オーナーバリスタ。18歳からコーヒーの世界に入り、ラテアートやハンドドリップ、ブリュワーズなどジャンルにとらわれず様々な大会に挑戦。Shonan Brewers Cup (2018年・2019年) 2連覇。昨今、コーヒー豆の精製工程が多種多様になり、改めて「コーヒーも発酵食品である」ことについて考えるように。以来、食品の発酵について興味を持ち、専門書を読んで学んだり、自身で発酵に勤しんでいる。

セットアップ:

抽出器具:ORIGAMI ドリッパー、HARIO V60 ペーパーフィルター
豆量:18g
湯量:310g
挽き目:EK43 14.5
湯温:80℃・100℃
抽出時間:2:20-2:50

手順:

  1. ペーパーをセットしてリンスする
  2. 1湯目 0:00-0:05 90g/100℃
  3. 2湯目 0:15-0:30 110g/80℃
  4. 3湯目 0:55-1:10 110g/80℃
  5. 2:20-2:50で落とし切り

ポイント:

豆の性質や焙煎度合いに合わせて1湯目の湯量と2湯目以降の湯量を変えています。「何℃のお湯を注ぐか」ではなく、「何℃のお湯が粉に触れているか」を意識しています。

コメント:

今回のレシピは第1回SHONAN Brewers Cupで優勝した際のレシピを少し簡素化したもので、お店でも使用しています。機会があれば、コーヒー×クラフトジンのカクテルレシピも紹介できたら面白いなと思っています!


 

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今日のShoutout!は、地域に根ざした世界中のインディペンデントな「人・もの・こと・場所」をおもしろがり、文化が持つ可能性を模索するためのメディアANTENNA。Standartについて素敵にご紹介いただきました。ありがとうございます🙏

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今週の The Weekend Brew は Standart Japan 第19号スポンサーのTYPICA、パートナーの Victoria Arduino x トーエイ工業カラベラコーヒーToddyのサポートでお届けしました。

LOVE & COFFEE✌️
Standart Japan
(執筆・編集:Takaya & Atsushi)

#85: ビール、EV車、コーヒー

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