#83: ヴィンテージ家電、寄付、コーヒー

おはようございます。今週はどんな一週間でしたか?

今週、以前Standart Japanのフォトエッセーにも登場してくれた、日本バリスタチャンピオンの石谷 貴之さんからエスプレッソのトレーニングを受ける機会がありました。

適正に抽出されたエスプレッソとそうではないものとの違いや、メッシュ調整、タンピングやディストリビューションの方法といった、エスプレッソを抽出する際に必要となる知識や動きを学びつつ、ミルクのスチーミングなども含めた、抽出からエスプレッソビバレッジを作るまでの一連の動きを実際に見てもらい、丁寧なフィードバックをいただきました。この数年間で一番緊張したのは言うまでもありません😵‍💫

1日かけてトレーニングを受け、これまで気になっていたことをたくさん質問し、もやもやとしていたものが晴れていくような気持ちでした。そして、改めてコーヒーの面白さや奥深さを実感するとともに、コーヒーショップで飲むおいしく淹れられた一杯のコーヒーにどれだけの知識と技術と想いが詰まっているかを再認識できました。バリスタに求められるのは当然コーヒーを淹れることだけではありませんが、自分がおいしいと思えるコーヒーを淹れられることが自信に繋がり、日々の業務に良い影響をもたらすのだと思います。

印象的だったのが、「なんでこの動作をするのか?」と言う石谷さんの質問。何かをすることがダメなわけではなく、その動作や手順がなぜ必要なのか自分が説明できるか、納得しているか、というのが質問の意図でした。それを突き詰めていくことで、バリスタはより効率的かつ意図的な動きがバーの中でできます。これはエスプレッソを淹れるプロセスだけではなく、様々な仕事についても言えることです。Standartの日々の業務を進めていく上でも、この問いは大切だと感じました。刺激的な1日で、コーヒーってなんて面白いんだ! バリスタってやっぱりすごい! と声をあげて叫びたい、そんな体験でした。

それでは、本日も良い1日を!

編集長 Toshi

 

 

 

This Week in Coffee 
世界のコーヒーニュース

オーツ・フォー・オール

先日、米ロサンゼルスで新たなオーツミルク企業Ghost Town Oatsが設立されました。創業メンバーは長年コーヒー業界の人種差別撤廃に取り組む「The Chocolate Barista」のCEOミシェル・ジョンソン氏を含む業界のベテランたちで、既に100近いカフェがウェイティングリストに並んでいるとのこと。そんな注目のオーツミルクブランド立ち上げの経緯について、先日Sprudgeがジョンソン氏へのインタビューを行いました

記事によると、創業者たちはオーツミルクという選択肢が社会に浸透する一方で、想定される購買層が白人や富裕層に限定されていることに問題意識を感じたそうです。健康・ウェルネスという商品特性自体が特定の社会的階層(白人・富裕層)との結びつきが強いこと、新たなライフスタイルを取り入れることへの経済的な障壁など、そこには複雑な構造問題があると言います。Ghost Town Oatsはこの現状に一石を投じるべく、人々にとって最もハードルが低いと言えるコーヒーショップとコンビニをビジネスの出発点に、人種や社会的階層といった障壁を乗り越え、真の意味でオーツミルクの「社会への浸透」を目指しています。

同社は現在、$100から参加可能な株式投資型クラウドファンディングWeFunderを通じて資金調達を行い、プロダクトカテゴリーだけでなく、投資への参入障壁も下げることで、コミュニティとしての好循環を確立しようとしています。今後の動きがオーツミルクを取り巻くカルチャーにどのような変化をもたらすのか楽しみです。

 

その他の気になるニュース

▷ SCAがウクライナのコーヒーコミュニティの支援のため、6月開催予定の「World of Coffee Warsaw」におけるチケット収益を全額寄付すると決定同時に、ロシア代表のWorld Coffee Championships出場を禁止しました。

▷ 米国国際開発庁(USAID)が、ペルーのコーヒー生産量および小規模農家の収益拡大に向けた5年間の資金援助プロジェクトを開始。コーヒー輸出量の125%超アップと約3200の生産者家庭の年間農業所得は200%アップを目指します。


▷ イタリアでグラインド工程に特化した初の競技会「Master Coffee Grinder Championship」が開催予定。出場者は与えられた1kgの焙煎豆を使い、制限時間15分以内にロースターと審査員が設定した官能評価にマッチするエスプレッソの挽き目とコーヒー粉の量を探るのだそうです。

▷ 60〜80年代のヴィンテージ家電を集めたデザインブック『Soft Electronics』が発売。当時のコーヒーメーカーのポップな配色やおもちゃのようなガジェット感、たまりません……。

▷ ふと訪れたカフェでカプチーノを注文すると、運ばれてきたのはなんと2.5リットルカップに入った特大カプチーノ。戸惑いの中でメニュー表を見直す姿には思わず共感。お店ごとの”レギュラーサイズ”の確認は必要かもしれませんね (幸いこれはドッキリでした)。

 

 

What We're Drinking
今週のコーヒー

 

ecoma coffee
埼玉

ecoma は "Everyday coffee makes you all right”の頭文字から名付けました。埼玉県草加市から、私たちはスペシャルティコーヒーのもつ素晴らしい味わいで人々に感動をもたらし、関わる全ての人々の日々をより良くしていきます。We caffeinate your life. コーヒーで日々を刺激的に。

I caffeinate you!!

生産者:イスマエル・ハッセン一家

生産地域:エチオピア オロミア州グジ県シャキソ村(地図

品種:74110、74112

精製方法:ウォッシュト

テイスティングノート: アプリコットやピーチを思わせる優しい甘みのあるフルー ティーさ、フルーツの飴が口のなかに残っているような甘い後味と滑らかな口当たりが特徴のコーヒー。

編集長のコメント:

奇しくも、先週と同じエチオピア シャキソ村のウォッシュトでしたが、全く異なるフレーバーにコーヒーの面白さを感じました。エチオピアはナチュラルを飲む機会が多いのですが(これまでのニュースレターもエチオピアはナチュラル多め)、個人的にはウォッシュトの方が好きなことが多いです。お湯を注いだときはレモングラスのような香りでレモンっぽいフレーバーを想像していましたが、口に含むと上のテイスティングノートにあるようにまさにフルーツキャンディ。柔らかく丸みを帯びたように感じる甘さが口の中にじゅわわ〜と広がります。柑橘系を強く感じ、思い浮かんだのは伊予柑。少しハーブ感のある伊予柑ピールが入ったマーマレードのよう。温かいうちの後口で思い出したのは、幼少期によく遊んでいた苺畑。空気がふわりとまとった苺の甘い香りが鼻先をかすめていくような感覚が妙に懐かしく感じました。クリーンな味わいで、冷めてくると味が少し締まって甘みと弾けるフレッシュさを感じるマスカットのニュアンスも。エチオピアのコーヒーの良さをこれでもかというくらいに感じるコーヒーで、パッケージのような顔になるくらい「旨い」コーヒーでした。


Artists in Residence
Standartを彩るアーティストたち

アーティスト: 

カイル・エリンソン ウェブサイトInstagram

プロフィール:

ニューヨークを拠点に活動するフリーランスイラストレーター。シュルレアリスムとコミックを融合させたポップアートのような作品のなかで、日常的な題材に不条理なひねりを加えることを楽しんでいる。主なクライアントに、The New York Times、 Billboard、 New York Magazineなど。

最新の掲載記事:

Standart Japan 第18号『カフェを惜しんで』

 

Inspiration
おすすめの本、映画、音楽、アート

あなたの雑誌遍歴を聞かせてください 

Standart Japan 9号のMeet Your Guestにも登場してくれた、Magazine isn't daed. 高山かおりさん責任編集の元、2020年12月末に創刊したフリーマガジン「dee's magazine」が制作したZINE。さまざまな人の雑誌遍歴と雑誌にまつわる思い出をテーマに、職業も年齢も居住地も出身地もバラバラな25名の雑誌にまつわるストーリーと共に、彼女・彼らと高山さんやdee's magazine編集・発行人の千葉さんとの関係性が綴られています。「雑誌遍歴を聞くことでその人が見えてくる。」という高山さんの言葉通り、雑誌を通じて、一人一人の人となりがぼんやりと輪郭を帯びて見えてくるような、そんな気持ちになります。1枚のA2ペーパーでできているこのZINEのさらに面白いところは、その折り。“花型折り”と名付けられた折り方は花束のような形になっていて、かなり手の込んだ作り。その折に合わせたレイアウトも遊び心があって、読みながら回転させたりひっくり返したりとエンタメ性があります。以前Magazine isn't dead.で購入した、PEOPLE OF PRINTが発行していたposterzineを彷彿とさせる、紙媒体の特性をうまく利用したプレゼンテーションが素晴らしいです。僭越ながらStandart Japan編集長のToshiもこの25人の一人として参加させていただいていて、偏った、でもそんなに面白くもない雑誌遍歴を恥ずかしげもなく披露しています。



Brewing with…
あの人のコーヒーレシピ 

 

海老原 直人 aka えびちゃん

千葉県館山市出身。中学から大学までの約10年間、剣道に明け暮れ、大学在学中にスペシャルティコーヒーに魅了される。横浜、千葉、石垣島と飲食店勤務を経て、2020年に、江戸時代から続く家業の素潜り漁師と兼業で、珈琲屋台『フーテンコーヒー』をスタート。 寅さんの様に、故郷に愛されながら全国を巡る珈琲屋台を目指しています。 趣味はサーフィン。コーヒー片手にリラックスするサーファー達の姿が、コーヒーを知るきっかけでもあった。

セットアップ:

抽出器具:HARIO V60
豆量:16g
湯量:220ml
挽き目:中粗挽き
湯温:91〜93℃
抽出時間:2:30

手順:

  1. ペーパーをセットし、お湯でリンス。同時にサーバーを温める
  2. 30ml注いで、40秒蒸らす
  3. 120mlまで注ぐ。1:20
  4. 200mlまで注ぐ。1:50
  5. 微調整をしながらゆっくり220gまで注ぐ

ポイント:

珈琲と会話をする様にお湯を注いで下さい!

コメント:

凄まじい勢いで進化する現代において、オフラインで感じる人の温かさを表現するコーヒーカルチャーは、人々にとってより必須になっていくと思ってます。 どこかの街で皆様とお会いできるのを楽しみにしています!


 

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今週の The Weekend Brew は Standart Japan 第19号スポンサーのTYPICA、パートナーの Victoria Arduino x トーエイ工業カラベラコーヒーToddyのサポートでお届けしました。

LOVE & COFFEE✌️
Standart Japan
(執筆・編集:Takaya & Atsushi)

#83: ヴィンテージ家電、寄付、コーヒー

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