#20: アップデートの波

おはようございます。今週はどんな一週間でしたか?

これまで何度かSNSやブログで触れたように、Standartはパンデミック以前からフルリモートで運営されていますが、リモートで働くからこそリアルなコミュニケーションの時間を重要視しています。

オフラインでの交流のために、毎年この時期はいつも、Standartのチーム全員が世界のどこかで一堂に会するチームギャザリングがあります。1年に一度しか会わないチームのメンバーと2週間ほど"密"に過ごし、1年を振り返ったり、翌年の目標を立てたり、メンバー同士の仲を深めたりする大切な時間。今年は残念ながら、コロナの影響で海外への渡航が制限されていて開催できないのが悔やまれます。

それとは別に毎月2回チーム全員でオンラインミーティングを行っていて、今年はチームギャザリングもオンラインでの開催になりそうです。いつものミーティングの様子はこんな感じ↓ 



一足早く到着したStandart Japan最新号のサンプルをチームのみんなに見せるトシ。その一方で制作担当のアツシは遅刻して写り損ねてしまいました(笑) その最新号も来週中頃よりいよいよ発送開始。楽しみにしていてくださいね!

最後に、来週11月28日(土)に福岡で開催されるイベント「C's UP 収穫祭」にStandart Japan 編集長のトシが参加します。コーヒーの出がらしを生ゴミコンポスト用の基材に使い、そこから作った堆肥を使って育てたニンジンを収穫&食すイベント。『循環 x 福岡市 x コーヒー』をテーマとしたトークイベントも開催し、Zoomでオンライン参加も可能です。コーヒーから発信する新しい街の循環の取り組み、ご興味ある方はぜひのぞいてみてください。福岡の方は会場でお会いしましょう!

編集長 Toshi

 

 

This Week in Coffee 
世界のコーヒーニュース

“カウンター”カルチャーの行方

先月末にロックダウンが解除されたオーストラリアのメルボルンでは、愛しのカフェの営業再開を待ちわびた人々の様子が報道されていましたが、まだまだ予断を許さない状況が続くコロナ禍。そんな中、英国ではロックダウン中10人に1人がコーヒーを筆頭としたサブスクサービスに登録、米国ではコーヒーサブスクの売上げが109%増加しており、世界中で「お家コーヒー」文化の浸透が見られます。
 
ここで注目すべきは、コーヒーサブスクが単なる豆の定期販売から「体験の提供」へと進化を遂げつつある点です。ロースターによっては、購“飲”者が普段は選ばないような「未知なるコーヒー(体験)」との出会いを演出したり、豆と共に生産者の情報を届けたり、ホームページやYouTube等のプラットフォームを介してレシピや農園のストーリーを発信したりと、Seed to Cupという概念の具現化を志向するものも生まれています。日本でいえば、京都のSTYLE COFFEEが最近始めた、学習型コーヒーサブスク「QUEST」もとても面白い取り組みです。そしてサブスクモデルの浸透によって、愛する人へのギフトや、本格的なホームバリスタのためのコーヒー器具のセット販売など、人々のお家コーヒーのニーズに合わせた多様化も見受けられます。
 
果たしてアフターコロナの世界で、人々とコーヒーショップの付き合い方はどう変わるのでしょうか。個人的には大切な人とお気に入りのコーヒーショップで過ごすあの時間は何にも代え難い、かけがえのない体験として今後も人々に愛され続けると感じています。それと同時に、サブスクモデルの浸透に対抗(カウンター)する形で、カウンター(店頭)体験の新たな醸成も予感させます。コーヒーの”カウンター”カルチャーの行方に、今後も目が離せません。

 

Bring Me If You Can

お家コーヒーと並行しテイクアウトの需要も急増中。Starbucksも近年の消費傾向を受け、テイクアウト専用の店舗拡大を行っているとか。一方でレストランを筆頭とした使い捨て容器の需要の高まりは深刻なプラスチック汚染/廃棄問題を引き起こしており、その環境被害は計り知れません。
 
そこで店内利用をしないときには、お気に入りのタンブラーを持参しテイクアウトを楽しんでみるのはいかがでしょうか。お馴染みEuropean Coffee Tripのこちらの動画では、8種類のリユーサブルカップを保温性や飲み心地などの5つの要素から比較しており、あなたに合ったタンブラーが見つかること間違いなしです。
 
「紙カップはリサイクルされる」という迷信が広まる一方で、こちらの動画では使い捨てカップのリサイクル表示の裏側について語られています。紙カップのプラスチック塗装が液体に溶け出し、紙カップ3杯分のコーヒーには目では確認できない微細な75,000個ものマイクロプラスチックが含まれているという衝撃的な報告がなされるなど、環境のみならず人体へ被害を及ぼす可能性もはらんでいるようです。
 
Standart Japan最新号のサンプルコーヒーを提供してくれたVERVE Coffee Roasters。日本にある同ブランドの焙煎所でヘッドロースターを務める望月さんは、Bring Me Shonan という活動を通じて、人々にタンブラーや水筒の持参を呼びかけ、カフェで発生する使い捨てカップごみを減らす啓発活動を行なっています。コーヒーによる豊かさが社会全体に広がっていくためにも、私たちは一杯のコーヒーの消費がもたらすあらゆる「コスト」に、目を向ける必要があるのではないでしょうか。

 

その他の気になるニュース

▷ ハリケーン「エタ」の被害が続く中、中米各国をハリケーン「イオタ」が直撃。ニカラグア観測史上最も強力なハリケーンとも言われるイオタは、中米各国の農園に甚大な洪水被害をもたらしている模様。こちらの記事にはハリケーンエタの復興支援の情報がまとめられています。

▷ WCCが主催する競技会の一部の会場がギリシャから台湾へ変更に。SCAからも競技レベルが高く評価され、多くの優勝者・ファイナリストを輩出する台湾。今後の詳細はこちらのページをチェック。

▷ イエメン中心部のマリブに女性による女性コミュニティのためのカフェがオープン。伝統的に保守的な同地域において、女性の労働参加や起業の促進を目指しています。

▷ Kamala Harris氏が米国初の女性副大統領に就任したことを記念し「Kamala Blend」が誕生。中身はHarris氏のルーツであるインドとジャマイカのコーヒーを配合したブレンド。ちなみに支持政党による割引はないそう。

▷ 着用時もコーヒーを楽しめる奇跡の飲み口付きエアーヘルメットCovidisorが販売開始。お値段は約28,000円で配色は最大12通り。着用イメージが湧かないな……と思ったそこのあなたもこのMusic Videoを見れば購入間違いなし。

 

 

What We're Drinking
今週のコーヒー


AUCK'S COFFEE (eighthirty coffee roasters)
 
大阪

eighthirty coffee roastersは、ニュージーランド、オークランドのスペシャルティコーヒーロースター。2019年12月、大阪にオープンしたAUCK'S COFFEEはニュージーランド以外での唯一の提携店。Aucklandから付けた店名も、大阪からニュージーランド文化を広めたい、そんな想いを込め、現地と同じロングブラックやフラットホワイトなどを日々提供しています。

生産者
ケバド・ウォッシングステーション
生産地域
エチオピア、シダモ(地図
品種
エチオピア系統品種
精製方法
ナチュラル
テイスティングノート
ライム、レーズン、ヘーゼルナッツ 


Standartの感想:

お湯がコーヒーに触れると同時に香り始めた、焼き上がったクッキーのような匂い。「これはおいしそうだ」と久しぶりのエチオピアに期待値が上がりました。印象的だったのは、丸みを帯びた酸味と柔らかい甘さ。徳島でおいしいすだちをいただいた時に感じた感動を思い出しました。口いっぱいにフレッシュなフレーバーが広がります。ただ、華やかでフルーティといった感じではなく、しっかりしたボディのあるコーヒーで、オレンジピールチョコやダークラムのようなニュアンスを感じます。スペシャルティコーヒーを飲んだことないという人に、まずはこれを飲んでみてよとついつい勧めたくなるくらい、抜群の飲みやすさと親しみやすさです。

 


Inspiration
おすすめの本、映画、音楽、アート

Virtual Art Book Fair - イベント(Nov 16-23, 2020
ウェブサイト

これまでアート系のブックフェアのリアルなイベントとして、毎年開催されていたTOKYO ART BOOK FAIRが、コロナ禍での取り組みとしてバーチャル空間で現在開催されています。これまで何度も同イベントに訪問しようと思いつつも予定が重なりできてなかったのですが、ついにバーチャルでイベントを体験することができました。もちろんリアルなイベントとの比較は行ったことがないのでできないのですが、このバーチャル空間での世界観、もうはんぱないです。初代プレステを彷彿とさせる3D空間はユーモアとアーティな感性に溢れていて、さすがとしか言いようがない完成度に仕上がっています。東京都現代美術館にインスパイアされたバーチャル空間に、印刷物の魅力を伝える約230組の出展者ブースが並び、来場者とオンライン上で交流もできるレクチャーやトークショー、サイン会なども行われています。もちろんアートブックの購入もできます。掲示板が2chぽかったり、フィールドを移動できるロープレ感も素晴らしいし(見えない壁に向かって走りたくなる、というか走りました)、オンラインのイベントも秀逸な物ばかり。Youtubeで後から視聴できるのもありがたいです。ゲストカントリーはオランダで、現地の出版社の出展はもちろん、ライブで繋いで現地の話や出版社のオフィスをツアーしたりと、個人的にテンションが上がるものばかり。オンラインのイベントとしてこんなに面白いものがこれまであったかなと思うくらいです。可能性しか感じません。- Toshi

『さよなら、俺たち』 清田隆之
書籍情報

恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表として恋愛と性差の問題を発信してきた清田隆之さんによるジェンダー・エッセイ集。「『男性である』だけで与えられている“特権”は確実にあって、それは『考えなくても済む』『なんとなく許されている』『そういうことになっている』といったかたちで我々のまわりに漂っている」と表現されている通り、私たちの周囲には問題としては未だ広く認識されていない、いわば「普通」と捉えられている偏見や差別がたくさん存在します。本書では、著者の清田さんご自身や、彼が桃山商事の活動を通して知り合った人たちの実体験をベースに、失恋、家事、性的同意、風俗、夫婦別姓などのトピックについて、個々の事象の背景にある考え方や、その考え方が生まれるに至った背景にまで話がおよびます。繰り返し自戒の弁を述べる著者の誠実さに心打たれると同時に、それぞれのエピソードに登場する男性に自らを投影し冷や汗をかきながら新たな視点を獲得していく——そんな、感情が大きく揺さぶられる本でした。興味のある方はnoteに巻頭エッセイが全文掲載されているので、まずはこちらからどうぞ。- Atsushi

 


Brewing with…
あの人のコーヒーレシピ 

平井 孝弥

大学職員から京都のスペシャルティコーヒー専門店に転職しバリスタとして約5年間勤務後、独立。現在は京都を拠点に店舗のないコーヒー屋sosoguを運営。YouTuberのトラック野郎U.S.Aとミルクティーの飲み比べにハマっている。

セットアップ:

抽出器具:V60(02)
豆量:15g 
湯量:210g
挽き目:中挽き〜粗挽き
抽出温度:90度〜93度
抽出時間:2:30

手順:

  1. 40gそそいで40秒蒸らし
  2. 70gそそいで落ち切るまで待つ(計110g)
  3. 60gそそいで落ち切るまで待つ(計170g)
  4. 40gそそいで落ち切るまで待つ(計210g)

ポイント:

▷ 抽出前に必ずペーパーをリンスしてドリッパーとサーバーを温める
▷ 挽き目や湯温は焙煎度合いを見て変える。中深煎りは90度前後、浅煎りは93度前後にして、味わいや抽出するシチュエーションによって調整
▷ ①〜③の手順でお湯をそそぐ時は、粉全体にお湯が行き渡るようにそそぎ、④のそそぐ時だけ円は描かずドリッパーの中心だけにゆっくりそそぐ

 

一言:

コーヒーの品種や精製処理方法、トレンドなどもとても大切だと思いますが、なによりコーヒーを淹れさせていただけることを愉しみ、お客様が笑顔になってもらえるような体験を生めるようにそそいでいきます。

  

今週の Weekend Brew をまとめているときに、とても嬉しい出来事がありました。

そのきっかけは、いつもであれば肩を落としてしまうStandart Japan定期購読の解約に関するお問い合わせ。でも今回いただいたメールに記載された理由は「仕事が忙しくて読む時間をとれなくなった」でも「興味がなくなった」でもなく、「Standart読者と一緒になることが決まった」だったんです!

 



このメールを読んだ瞬間、友人から結婚の報告を受けたときのように、じんわりと温かさが体中に広がる感覚に包まれました。お二人の関係にStandartが何かしらの影響をおよぼしていたのかはさておき、このようなご連絡をいただける(そしてニュースレターへの掲載を了承してくださる)くらい私たちのことを信頼してくださっていたのかな、とすこし誇らしい気持ちになりました。

最近はイベントへの参加を控えているため、読者の皆さんとお会いする機会がめっきり減ってしまいましたが、デジタルなコミュニケーションも捨てたもんじゃない、と思える出来事でした。お二人の新生活が、幸せとコーヒーがたっぷりつまったものになることを、チームStandart一同祈っています🥳

今週も感想やコメントはぜひ #standartjapan のハッシュタグと共にシェアをお願いします! 質問はメールでお待ちしております。またお友達やご家族など、Weekend Brew を一緒に楽しんでもらえそうな方にこのメールを転送していただけると嬉しいです。

過去に配信されたニュースレターは、こちらのアーカイブページからご覧いただけます。Standart JapanのウェブサイトInstagramFacebookもぜひチェックしてみてくださいね。

今週の Weekend Brew は Standart Japan 第14号スポンサーの Victoria Arduinoトーエイ工業、パートナーの MiiR JapanBarista Hustle JapanSucafinaのサポートでお届けしました。

LOVE & COFFEE✌️
Standart Japan 

(執筆・編集:Takaya & Atsushi)

#20: アップデートの波

国内への発送

東京の倉庫より発送。国内のお住まいの地域にもよりますが、2~8日程度で到着します。

季刊誌

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コーヒー豆の付録

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