オリジナルコーヒープレイリスト:Standart Music to Brew to Vol. 2

オリジナルコーヒープレイリスト:Standart Music to Brew to Vol. 2

音量を上げて再生ボタンを押し、コーヒーを淹れたら、あとは踊るだけ。

キュレーター兼Standartクリエイティブディレクター Kirill Savateev のインタビュー

第二弾となるプレイリストだけど、第一弾を作ったときから何か変化はあった?

世界中の人たちがそうだったように、パンデミックとそれに続く都市封鎖でずっと家に閉じ込められていたよ。今でも海外はおろか国内を旅することさえままならない環境の中、外の世界を感じる手立ては食べ物やコーヒー、フレグランス、それから音楽しかない。だからこのミックスではロシアから遠く離れたビタミンDで溢れる温かい国々を感じられるオーディオジャーニーを表現したかったんだ。

このミックスを聞いた人にはどんなことを感じてもらいたいと思ってる?

今回は意図的に英語の曲は入れなかった。その背景には歌詞という情報が体を動かしたり踊ったりする妨げになる可能性があるということ、そして聴く人に異国情緒を味わってほしいという想いがあるんだ。

普段キリルは仕事中に音楽を聴く? 

僕は背景音楽とかBGMと呼ばれる類いのものが嫌いなんだ。ほとんどの場合、BGMって道路工事に使われるジャックハンマーみたいに目的のない雑音としか捉えられないから。それと絶対にお気に入りの曲は仕事中に聴かないようにしている。そうしないとせっかくの音楽が、逃避やリラックスや美しさではなくて、労働や労苦と結びついてしまうから。そんなの悲劇でしかない。もしも僕がバリスタでお店のプレイリストを作るとしたら、できるだけ自分の好きな曲は入れないようにするね。みんなお気に入りの曲にもっと敬意と注意を払った方が良いと思うんだよ。

都市部に住んでいて静寂が神話みたいに感じられる人であれば、あえて平凡な、邪魔にならないアンビエント音楽がいいんじゃないかな。そういう曲なら作るのもそこまで大変じゃないから、ポルノみたいに探せば必要以上に見つかると思う。

これをやっているときは絶対に音楽を聴かないようにしているってことはある?

自然の中にいるときは何も聴かないね。もしも天才的なアカペラ歌手と一緒に天国みたいな風景を眺めていたら、自然の音に優しい歌声が加わっても悪くないかも。もちろん同じキーという前提でね。

プレイリストの最初と最後の曲には何か特別な意味が込められている?

ミックスを作るときの曲順はとても大事。でも僕から説明するよりも自分で聴いて体験した方がいい。実際に聴けば、それぞれの感じ方できっと納得がいくから。