「コーヒー以外の選択肢」Prana Chaiがカフェをもっと楽しくする

オーストラリアで生まれ、今では日本全国のスペシャルティコーヒー店でもパッケージを見かけることの多いチャイブランドPrana Chai。今回はStandart Japan第15号をサポートしてくれたPrana Chaiの日本法人代表を務める野村功太郎さんに、創業ストーリーやオーストラリアでコーヒー修行に励んだ野村さんがチャイブランドを日本に展開することになった経緯などについて聞きました。

 

—野村さん、こんにちは! 早速ですが、Prana Chaiはどんな経緯で生まれたんですか?

Prana Chaiは偶然と、3人のファウンダーのチャイを愛する素直な想いから生まれたプロダクトです。

3人いるファウンダーの2人、マリオとヴィンセントは小さい頃からの幼馴染。あるとき世界一周旅行に出た2人はアジアで出会った「チャイ」というドリンクに魅了され、その後メルボルンの海沿いセントキルダビーチ近くに出店したカフェで、手作りチャイの仕込みを始めました。

当時フレーバーシロップや、インスタントパウダーのチャイ風味のドリンクが主流だったなか、茶葉とスパイスをブレンドしていちから作り上げるチャイは珍しく、常連客のお気に入りとして愛されるようになるまで時間はかかりませんでした。

また伝統的なチャイは品質の低い茶葉とたっぷりの砂糖を使って嗜むことで知られていますが、健康に敏感なメルボリアン市民に受け入れてもらえるよう工夫を凝らし、砂糖・化学製品は不使用。オーガニックの蜂蜜を使用し、その粘性でスパイスが茶葉に絡むようにコーティングすることでバランスよく仕上げるという独特な製法で今までにないクラフトチャイが誕生しました。

 

—他のカフェや飲食店への卸し(ホールセール)はいつ頃始まったんですか?

徐々に口コミで人気が広がるうちに「うちにも少しチャイを分けてほしい」と声をかけてくれる飲食店が増え、これが後のホールセール事業の設立につながりました。

それからカフェのカウンターに座って、毎日のようにその看板メニューを楽しんでいた常連客兼3人目のファウンダーのコライがチームに加わって今の体制が発足したんです。

スパイスや茶葉のもつprana(生命力・呼吸)を自然な形で顧客に届けていきたいという願いを込めて「Prana Chai」と名付け、本格的に私たちの物語が始まりました。

メルボルン時代の野村さん

 

—野村さんとPrana Chaiの出会いついて教えてください。

ファウンダーのマリオとバリスタ仲間だったんですよ。私は「先進的なメルボルンのコーヒー文化を学びたい 」と渡豪し、4年ほどいろんなカフェを掛け持ちしながら働いていました。

そのなかのひとつ、ブライトンビーチという海沿いの閑静な住宅街にあるカフェで働いていたときに、同僚として一緒にコーヒーを作っていたのが、当時新しいチャイファクトリー併設のカフェを準備中だったマリオでした。

その後も彼らのカフェ事業の立ち上げを手伝ったり、チャイファクトリーで卓球をしながらビールを飲んだりと友人として、またバリスタ仲間として、親交を深めていきました。

しばらくして漠然とそろそろ日本に帰ろうかなと考え始めた頃に、彼らから「日本でもPrana Chaiを広めてくれないか」と誘ってもらったことが仕事としてPrana Chaiに関わるようになったきっかけでした。

 

—元々はコーヒーを目的にオーストラリアに滞在していたのにチャイブランドの仕事を始めるということに違和感はありませんでしたか?

私は人生計画みたいなのはあまり立てないほうなので、そのときの成り行きで考えようと思っていました。コーヒーをはじめたのも、オーストラリアに渡ったのも、綿密に計画していたわけではなく、それ以前に会った人や携わった仕事で魅力的に感じたことに従って動いた結果だったんですよ。

オーストラリアに住み始めてからも本当にたくさんの出会いがあったので、将来は現地で出会った誰かと仕事をしたいな、という思いはぼんやり持っていました。

そんなときにマリオたちから声をかけてもらい、力を入れていたコーヒーそのものではありませんでしたが、もっと広くカフェやクラフトドリンクの周りにある文化を支えられるような存在になりたいと思いチームに加わりました。

コーヒーを突き詰めるのもすごく魅力的でしたが、例えばPrana Chaiというプロダクトがある程度認知され、お客様が「Prana Chaiがあるからこの店に行ってみよう」と思うようになれば、たとえわずかであっても自分が大好きなコーヒーショップの集客のお手伝いをすることになるのでは、と思ったんですよ。

また、シングルオリジンのスペシャルティが数種類並ぶカフェなのに、チャイはシロップで作っているというケースも多いんです。でもそこにコーヒーと同じく素材に向き合ったPrana Chaiのようなものがあれば、そのカフェの価値観をより正確に伝えられるのではないかと感じたことも関係しています。

 

—日本でPrana Chaiを広めるなかで経験した、嬉しかったことや苦労されたことを教えてください。

嬉しかったことは大きく2つあります。

ひとつは、あるカフェのオーナーさんから「お客様も、『チャイ』という選択肢のためにカフェに来店する機会が増えた」という言葉をいただいたことです。

実はメルボルンのカフェは、あらゆる時間帯やシチュエーションに対応できるよう、バリエーション豊かなメニューを準備しているところが多く、スムージーやホットチョコレート同様、当たり前のようにチャイが提供されていました。

そういった背景もあってバリスタだった頃からコーヒーを飲めない人でもカフェを楽しめるようになってほしい、もっと気軽にカフェを(できれば一日何度も)利用できるようになってほしいと感じていて、この言葉を聞いたときは願いが叶ったような感覚になりました。

もうひとつは、まったく存在が認知されていなかった私が「Prana Chaiのコータローさんだ!」と声をかけていただけるくらいに、コーヒー・カフェ業界で多くの方々に受け入れてもらえたことです。

大好きなコーヒーをいろんなカフェで飲み歩きすること自体が仕事につながりますし、もともと人と知り合うことに魅力とやりがいを感じていたので、その部分はチームにジョインした直後も現在も一番楽しいところですね。カフェのオーナーさんも本当に楽しい方々ばかりですから。

苦労したことは、Prana Chaiを広めるためのイベント出展ですね。イベントは近い業界で働く人たちに出会える場なので、Prana Chaiを宣伝する上でもっとも効率が良いだろうと感じていたんですが、想像以上に大変でした……。

コーヒーフェスティバルが全国で開催されるようになり、各地でコーヒーラバーが集うイベントが増えたことは、私たちにとっては本当に追い風でした。それだけに欲張って、同じ日に東京・横浜・仙台のイベント出展が重なってしまったことがあったんです。結局どれも断りたくなくて1日に3都市をハシゴしましたけどね(笑)。

そのときは3都市で屋外出店という過酷なオペレーションを回すために、準備や人員配置などで本当に苦労しましたが、全体としてはとても楽しかったです!

 

—本国であるオーストラリアやその他の地域に住むPrana Chaiのメンバーとは日々どのようにコミュニケーションをとっているんですか?

オーストラリアの本部ではファウンダーの3人以外にも、グローバルマーケティング担当者や、セールスマネージャーなどが働いています。だいたい二週間に一度はオンラインミーティングでそれぞれとミーティングをして、現状の把握や戦略会議を行います。

それから日本以外にもアメリカ、イギリス、EU圏、韓国、それからオーストラリア国内のビクトリア州、西オーストラリア州、ニューサウスウェールズ州にそれぞれエリア担当者がいるので、定期的にエリアマネージャーが集まってオンラインミーティングを行い、日々のオペレーションの問題点や解決策などについて話し合います。ミーティングの半分以上が世間話に近い内容で終わることもありますが、めったに会うこともないので、そんな時間も楽しみながらチームとして働いています。

 
それぞれの地域で活躍するPrana Chaiのメンバーたち

 

—すばり、コーヒーに勝るチャイの魅力って何だと思いますか?

「二日酔いで飲むチャイは、何よりもおいしい」

これにつきますね。Standartで取り上げられるような有名なバリスタや焙煎士の方に聞いても同じような答えが返ってくると思います。複数日にわたるイベントのときって、どこかのタイミングでほぼ確実に飲みに行くじゃないですか。飲んだ日の翌朝に出すチャイは他の出店者に毎回好評なので間違いありません(笑)。

 

—家でPrana Chaiを飲むときのおすすめのレシピを教えてください。

ミルクで煮出す一般的なチャイもおいしいのですが、私はストレートのチャイが大好きです。

ストレートチャイのレシピはフィルターコーヒーと似ていて、12gのPrana Chai茶葉に200ccの熱湯を注いで、2分ほどで抽出します。

Prana Chaiは紅茶の茶葉もセイロンティーを使用しているため、味わい深く香りも強く、ストレートだと素材の良さをしっかりと感じていただけると思います。

それと一番簡単な楽しみ方がミルクブリューチャイです。

1リットル入りの牛乳パックの中に、茶葉を60~80gほど漬け込みます。そのまま5時間ほど寝かせてよく混ぜると、結構味のしっかりした冷たいミルクブリューの出来上がり。

お手軽なうえ、とにかく渋みが出ないので、甘さととろみ、そしてスパイスのアフターテイストを楽しめますよ。

 

—野村さん、ありがとうございました!

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