Meet Our Partners: DKSH

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今回ご紹介するパートナーは、Standart Japan第11号をサポートしてくれた(そして以前はStandart Japan第6号のメインスポンサーも務めてくれた!)DKSHジャパン株式会社

ドイツの老舗焙煎器メーカーProbatの日本総代理店として知られる彼ら。昨年のSCAJでは、ドイツからトレーナーを招き、Standartがプロデュースに関わってたコーヒービレッジ内で焙煎セミナーを開催していました。今回はそのセミナーの講師を務めたProbatのDaniela Nowitzki(ダニエラ・ノヴィツキ)さんにお話をうかがいました。

 

—Guten Tag ダニエラさん! SCAJでお会いしてからしばらく経ちましたが、まずはそのときのセミナーのお話を聞かせてください。セミナーはどのような目的で開催されたんですか?

SCAJ来場者に焙煎をもっと身近に感じてもらう、というのがセミナーの一番の目的でした。すでにコーヒーを焙煎している方はもちろん、コーヒービジネスに携わるすべての方に関心を持っていただくということです。そこで、焙煎の基礎をご紹介しながら、焙煎プロファイルの開発に焦点を当ててお話しました。

 

—特に参加者の反応が良かった箇所はありますか?

焙煎中のコーヒーに何が起きているかというトピックに皆さん興味を持たれているようでした。焙煎温度や時間を変えるとコーヒーにどのような影響が出るのかなど、化学反応や物理的な要素が絡み合う焙煎の科学というのは私も個人的にとても興味深い部分だと思っています。

 

—セミナーが開催されたコーヒービレッジ全体の様子はいかがでした?

会場内で実際に焙煎できたのは素晴らしかったですね。参加者の皆さんとの距離が近かったのでコミュニケーションも円滑にとれましたし、通りかかった方っがフラッと立ち寄ってくれるという場面もありました。

たくさんの方が集まってくださったので、セミナー会場は少し混雑していましたが、焙煎への興味が高まりや、人を繋げるコーヒーの力が感じられ、とても良いセミナーになったなと思います。

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—ところで、ダニエラさんはトレーナーになる前はどんな仕事をしていたんですか?

私、とてもラッキーだったんです。学生時代は語学を勉強していたので、Probat入社当初は翻訳事務が私の仕事でした。当時はひたすら契約書を翻訳していて、あまり仕事では他の人と関わるチャンスがなかったので、実はどこかひっかかりを感じていたんです。

するとしばらくしてから、社内のトレーナーが書類作成を手伝うアシスタントを探していて、そのときトレーニングの部署に異動したんです。そしてその人の手伝いをするうちに、テキストを翻訳したりプレゼン資料を作ったりするよりも、トレーニングや焙煎自体の方がよっぽど楽しそうだなと感じ始めて、そこから段々と焙煎とコーヒーの知識と技術を身につけていき、いつの間にかトレーナーになっていました。

 

—普段さまざまな場所で焙煎トレーニングを開催されているそうですが、ずばり参加者からの質問トップ3は何ですか?

一番よく尋ねられるのは「完璧な焙煎」もしくは「完璧なブレンド」とは何かということです。でももちろん、このような問いに対する絶対的な答えなどありません。それぞれのお客さんやその人が生まれ育った文化圏でコーヒーがどのように楽しまれているかなどによって答えは大きく変わります。たとえ同じ国出身の人であっても、味や香りの好みはさまざまなので、国が違えば全体としての好みの幅も違ってきます。だから自分が表現したいコーヒーと同時に、お客さんがどんなコーヒーを求めているのかについて考えるのも大事ですね。

ブレンドに関する質問で最も多いのが、「すべての豆を一緒に焙煎して良いのか」というものです。私たちは通常一緒に焙煎して良いとお伝えします。でも結局は一長一短で、それぞれの豆を分けて焙煎するというやり方にもメリットとデメリットがあるので、どちらも試して自分の好きな方を選ぶのが一番「効率的」だと思います。

意外に多いのが、「自分はうまく焙煎できるようになるか」という質問です。皆さん真剣だからなのか、最初から一握りの焙煎マスターのようなポジションを目指している方が多いように感じます。実は「うまく焙煎できるようになる」のはそんなに難しいことではありません。コーヒー豆と焙煎プロセスと焙煎機について正しい知識を身につけて真剣に取り組めば、ちゃんと焙煎はできるんですよ。本当の焙煎の旅が始まるのはそこからと言ってもいいかもしれませんね。

 

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—これから焙煎を始めようとされているバリスタやカフェオーナーの方に何かアドバイスはありますか?

何より人に会うことです。まずは焙煎士、生豆のインポーターや焙煎機メーカーの人にあって話を聞いてみましょう。とにかく色んな人に話を聞いて、どの焙煎機が自分のビジネスに合っているかを絞りこんで、それから実際に焙煎機を試すのをおすすめします。実機を試すときはマシンの動きや操作だけでなく、焙煎されたコーヒーのチェックも忘れないように。

本やインターネットで情報を収集するときは、具体的なデータを安易に流用しないように気をつけてください。同じ焙煎機で、同じコーヒーを同じ量焼かないと同じ結果にはならないので、あまり具体的な数値は気にしない方がいいですね。

 

—プロの焙煎士になるために必要なことは何だと思いますか?

経験と忍耐力です。そして経験を積むためには、好奇心やコーヒーへの情熱も大切な要素になってきます。新しいコーヒーや新しいプロファイル、新しい焙煎機など焙煎の世界も日々前進しているので、そういったことを楽しみながらトライできるような人が向いていると思います。

その一方で、新しい考えにオープンであるということと同じくらい大切なのが、自分に合ったやり方やプロファイルを大事にするということです。さきほどお話しした「完璧な焙煎」同様、誰かの正解があなたの正解とは限りませんから。

 

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—ダニエラさん、ありがとうございました!

 

Probat社とその日本総代理店のDKSH社のストーリーはStandart Japan 6号でご覧いただけます。ぜひチェックしてみてください! ➡️ Standart Japan 6号をチェックする