エスプレッソマシンで淹れるフィルターコーヒー? ブラックイーグル・マーヴェリックの型破りな進化

エスプレッソマシンで淹れるフィルターコーヒー? ブラックイーグル・マーヴェリックの型破りな進化

Standart Japan第23号に登場したブラックイーグルの最新モデル、ブラックイーグル・マーヴェリック。前モデルからの技術面での進化や、エスプレッソマシンでフィルターコーヒーを淹れる新体験について、Victoria Arduinoの代理店を務めるトーエイ工業にお話しを聞きました。

ブラックイーグル・マーヴェリックの特徴の一つとして「コントロール」がキーワードに挙げられていますが、これは具体的にどのような点を指しているのでしょうか?

前モデルに搭載されたT3テクノロジーは、メインボイラーとスチームボイラー、そしてグループヘッドの温度を管理し、緻密な抽出を実現する技術でした。マーヴェリックでは新たなエンジンが搭載され、エネルギー消費量を37%も抑えつつ、これまでと同じ精度でマシンをコントロールできるようになりました。

この進化を裏で支えているのがハードウェアのアップデートです。ステンレススチール製のスチームボイラーは容量を最適化、グループヘッドは4kgから2.5kgに減量して温度コントロールがしやすくなりました。

マシンが設定どおりに一貫して機能しなければ、バリスタが抽出をコントロールすることができません。逆に言うと、マシンにできることをマシンに任せられれば、バリスタは余裕をもって抽出とお客さまとのコミュニケーションに注力でき、コーヒー体験全体へのコントロール性も向上する、ということです。

もう一つ、新たな技術としてピュアブリュー・テクノロジーが搭載されましたが、こちらはどんなものなのでしょう?

抽出を3つのフェーズ【プレインフュージョン、インフュージョン、ポストインフュージョン】に分け、それぞれの流量とタイミングを変えることで、フレッシュかつ雑味のないフレーバーを実現する技術です。

注湯を3フェーズに分けて考えるアイデアは、もともとはアウレリア・ウェーブというマシンに搭載されたパルスジェット・テクノロジーで採用されていました。流量をコントロールし、ハンドドリップを淹れるようにエスプレッソを抽出することで、抽出の後半に出てきやすい苦味を抑え、リッチながらもクリーンな味わいを実現することがわかったんです。機械的な動きは多少異なりますが、ピュアブリューも考え方は同じで、初めて試したときは、ずっと飲み慣れていたイタリアンエスプレッソが、驚くほどうまく抽出でき、大騒ぎしたのを覚えています。

コーン型フィルター「ピュアブリュー・コーヒーフィルター」を使うと、ドリップのようなコーヒーも抽出できるということですが、こちらの機能についても教えてください。

ピュアブリューコーヒーは、フィルターコーヒーのような粒度のコーヒー粉を使って抽出するもので、標準レシピは20gコーヒーで250cc抽出するイメージです。フィルターは金属製なのでコーヒーのオイル、微粒を含んだ味わいになります。ピュアブリューコーヒーはエスプレッソマシンを使った全く新しいコーヒーなので、メニューの幅が広がります。ぜひ試して、色んなレシピを考えていただきたいです。去年スペインで行われたイベントでは、ピュアブリューコーヒーを使ったカクテルが提供されていました。

前モデルにあたるイーグル・ワンではサステナビリティが開発のテーマに設定されていましたが、マーヴェリックは環境負荷の面ではどのような利点があるのでしょうか?

環境負荷の面では、省エネに大きなアドバンテージがあります。先ほどお伝えしたボイラーサイズの最適化に加え、前モデルから継承されたT.E.R.S.(サーマル・エナジー・リカバリー・システム)では排水の熱で、マシンに供給される水を余熱してからボイラーへ送ります。さらにポンプモーターの周りにチューブを巻いて、モーターの熱もリサイクルすることで、大幅なエネルギー消費量の削減につながりました。コーヒーマシンは店舗にインストールしてからの環境負荷の方が圧倒的に大きいので、マシンの省エネが重要だと考え、力を入れています。

マーヴェリックで淹れたコーヒーを飲むのにおすすめのお店があれば教えてください。

2019年ジャパン・バリスタ・チャンピオンの石谷 貴之さんが所属する zero-waste cafe & bar 「æ」がおすすめです。ここならピュアブリューコーヒーも飲めます。夜はなかなか行けてませんが、エスプレッソマティーニをまた飲みたいですね!

 

 

この記事は、Standart Japan第23号のパートナーVictoria Arduino x トーエイ工業の提供でお届けしました。