第12号のテーマは「オリンピズム」。人類の発展や国際理解、平和・共生というオリンピズムの根底にある考えは、来年への延期が決まったオリンピックに関してだけでなく、世界が難局にある今、誰もが大切にしたいもの。この号が、今後どんな世界を作っていくのかについて考えるきっかけになれば嬉しいです。
COFFEEチャプター
コーヒープロフェッショナルにとって、特定のコーヒーへの愛は、知識を深める助けになる一方で、「選球眼」を曇らせる要因にもなりえます。そんな愛ゆえのバイアスを取り除くために奮闘するテイスターに迫った「バイアスをすくい取れ」でスタートするStandart Japan第12号。生産国を紹介するシリーズ記事の今回の舞台は中国。消費と生産の両面でブームが巻き起こっている同国のダイナミックなコーヒーシーンをご紹介します。「コーヒーの迷信」で、どこかで聞いた気がするコーヒーまつわる言い伝えの真偽を解き明かした後は、コーヒーとお酒が混ざり合う夜の世界へ皆さんを誘います。
PEOPLEチャプター
インタビューシリーズ「Meet Your Barista」のゲストは、Bspoke Coffee Roastersの畠山 大輝さん。”販売員”としてコーヒーの世界に入ってから、昨年、史上初のJBrC・JHDC2冠を果たすまでの畠山さんの道のりを追いました。人気コーヒーポッドキャスト「Boss Barista」のファウンダーAshley Rodriguezさんの記事では、彼女の生き方に影響を与えた人や言葉をご紹介。社会人類学者Sarah G. Grantさんのエッセイは、『オリエンタリズム』の著者エドワード・サイードの言葉を通して考えるコーヒー業界の「アイデンティティ」と「表象」について。特集記事「競技者の肖像」では世界各国のコーヒー競技者にモチベーションやトレーニング、さらには精神的な鍛錬についての話を聞きました。Meet Your Stockistでご紹介するのは、お茶どころとして有名かつ老舗コーヒー屋で溢れる島根県松江市の IMAGINE.COFFEE ROASTERY、そして日本茶専門店のスピンオフとして誕生し、ドリップバッグの製造など多方面に事業を展開する大阪府和泉市の TSUJIMOTO coffee をご紹介。
WORLDチャプター
WORLDチャプターは、水泳50m自由形の日本記録保持者で無類のコーヒー好き、塩浦 慎理さんのインタビューでスタート。「Standartに裸の男が載るのは初めてじゃない?」なんて笑いながら、コーヒーへのこだわり、競技会への挑み方や競争の価値、情報発信の重要性などを語ってくれました。第11号から続くBen Wurgaftさんのルポタージュでは、オリジントリップ後に以前ほど気軽にコーヒーを飲めなくなったという彼の思考の変化を辿ります。紅海地域で古くから楽しまれている「カート」に関する記事では、移民問題やエスノセントリズムを嗜好品の観点から考えます。世界中のコーヒーのあり方をお伝えするシティプロファイルの舞台はイスラエルのテルアビブ。
SPONSORS
今号のメインスポンサーは、パナソニックのThe Roast。特集記事では、このコーヒー焙煎サブスクリプションサービスが生まれるまでの道筋をたどりつつ、コーヒーに関しては門外漢の同社がどのような未来を築こうとしているのかをご紹介します。
さらに2020年もWBCオフィシャルパートナーを務めるVictoria Arduino、世界中のコーヒーラバーに向けてサブスクリプションサービスを展開するドイツのTHE BARNがStandart Japan第12号のパートナーを務めてくれました。ありがとうございます!