#71: 古代ローマ、大相撲、コーヒー

おはようございます。今週はどんな一週間でしたか?

今週は、代官山蔦屋書店にてオンラインイベントを開催しました。ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。また、最新号が全国のサブスクライバーの元に届き始めたようで、インスタグラムでは投稿やストーリーズで多くの方々がシェアしてくださっています。本当にありがとうございます! Standartのメンバーも、ようやくほっと胸を撫で下ろすことができました。皆さんから届くご感想やコメントが、Standartを続けていく力になっています。

SCAJやオンラインイベントで、今号のおすすめの記事はなんですかと度々聞かれることがありました。どれもおすすめですとしか言いようがないんですが、Standart Japanにとっては日本語版のオリジナル記事が一番、時間もエネルギーも注がれていて、必然的に思い入れの強い作品になることが多いです。今号では、大山崎 COFFEE ROASTERSの中村佳太さんが、CafeSnapの大井彩子さんをゲストエディターに迎えて執筆された「僕の周りのジェンダーギャップ」が、春の着想から数ヶ月かけて執筆していただいたということもあり、オリジナル記事の中でも記憶に強く残る記事になりました。

個人的には、Standart Japanにとっても、日本のコーヒー業界にとっても、大変意義のある記事になったと考えています。皆さんはどう思われましたか? 先日、中村さんが記事の執筆にあたって感じていた不安と葛藤をニュースレターにまとめられていました。これを拝読して、改めて背筋が伸びる思いがしました。この業界にはまだまだ届けるべき声がある。Standartはそんな声に耳を傾け、少しでも多くの人々に届くようにスポットライトを当て続けていかないといけないと感じました。ぜひこちらも併せて読んでもらいたいです。

そして、Standart JapanのエディターAtsushiと、今回の記事のゲストエディターである大井彩子さんを迎えて、先日中村さんがポッドキャストを収録されています。Standartを支えてくれているコントリビューターの皆さんがどんな思いで記事を執筆しているのか、そして記事制作の裏話など、詳しく知ることができます。面白いので、お時間ある方はこちらもコーヒー片手にどうぞ。記事を読んでない方でも楽しめます。

最後に、明日11月29日 20:00より、Mocha Originsの共同オーナーであるタレクさんとInstagram Liveをやります。イエメンのコーヒー栽培についてや、Mocha Originsの取り組みについてお話を聞いたり、皆さんの元に届いているサンプルコーヒーのHarazを一緒にブリューしてみたいと思います。イエメンのコーヒー生産については知らないことが多いので、興味津々です。お時間合う方はぜひ。タレクさんに色々と質問しちゃいましょう!

それでは良い週末を。

編集長 Toshi

 

 

 

This Week in Coffee 
世界のコーヒーニュース

一杯の先に高まるバリュー

コーヒーの出がらしのアップサイクルに取り組むデンマークのバイオテック企業Kaffe Buenoが、EU主導のスタートアップ支援プログラムを通じて約3億2000万円の資金を調達しました。その最大の目的は、ヨーロッパ初のコーヒーバイオリファイナリーの建設です。バイオリファイナリーとは、バイオマス (今回の場合はコーヒーの出がらし)からバイオ燃料やグリーン化学品を製造する設備のこと。同社はこの設備投資やさらなる研究開発を通して、コーヒーバイオマスの100%再利用を目指しています。

これまでにKaffe Buenoは物流企業とタッグを組み、カフェだけでなくホテルやオフィスから”資源を調達”し、パーソナルケア用のコーヒーオイルやグルテンフリーのコーヒー小麦粉などを販売してきました。さらにThe Spoonによると、ビジネス向けの製剤サービスや、提携ホテルチェーンから回収したコーヒーの出がらしをアップサイクル製品として”返却”するサービスも提供しているそうです。

コーヒー業界における環境問題への取り組みの中でも、出がらしのアップサイクルはホットな話題の一つ。現在代官山蔦屋書店で開催中のStandartフェアでご一緒しているCoffee Freak Product × Onibus Coffeeのコーヒーソープ、HUG BROWENのコーヒースクラブをはじめ、アップサイクル製品と私たちの生活の距離が日に日に縮まっているように感じます。一杯のコーヒーの先で育まれる新たなバリューチェーンが、持続可能な業界の実現に繋がっていくと願うと共に、改めて一杯のコーヒーが秘める可能性に驚かされるばかりです。

その他の気になるニュース

▷ スターバックスが、Amazon Goの自動決済システムを導入した”キャッシャーレス”ストアをNYにオープン。財布を取りだすことなく、アプリで事前に注文したドリンクとストア内の食べ物を楽しめるとのこと(店内利用も可)。

▷ Quartzのレポートによると、スウェーデンにおける植物性ミルクの売上の約72%をオーツミルクが占めているのだそう。ちなみにOatlyは同国の植物性ミルク市場の約半分のシェアを握っています。

▷ シアトルのスタートアップが開発したコーヒー豆を使用しないコールドブリュー缶コーヒーAtomo Coffee。通常は廃棄されるナツメヤシ、チコリの根などの食材を活用し、従来のコールドブリューと比較し、約93%のCO2排出量削減を実現しているそうです。

▷ 第二次世界大戦中にイタリアから消え去った古代ローマのモザイク画が、NY・マンハッタンのアパートで見つかりました。所有していたカップルは、約50年もの間コーヒーテーブルとして愛用していたそうです。

▷ 大相撲九州場所にて、千代大龍が4連勝と絶好調。なんでも試合前に嗜むブラックコーヒーが勝利の秘訣なのだそうです。大相撲×コーヒーの記事がStandartに載る日も近いかも?

 

 

What We're Drinking
今週のコーヒー

 

AMBER HOLIC. 沖縄(地図

関東でuccグループの焙煎工場で働いていた店主(野村)と、同じくuccグループで豆売りをしていた相方(松野)の2人で、2021年9月、沖縄県沖縄市(コザ)にコーヒー専門店としてオープン。 「コーヒーは文化であり、人である」をモットーに、台風の様な一過性の流行り廃りに流されない「街のコーヒー屋」を営んでいます。

コーヒー情報:

生産者:ラムニエル・ガブリエル

生産地域:
ブラジル ミナスジェライス州カンポ・ダス・ベルテンチス(地図

品種:
イエローカツカイ

精製方法:
ダブルファーメンテーション

テイスティングノート:
檜、レモングラス、紅茶

編集長のコメント:

豆袋を開けた瞬間から漂うアロマに只者じゃない感を覚えつつ、お湯を沸かしながらコーヒー豆を挽きました。グラインドを始めると同時にこのコーヒーの持つ支配的な香りが立ち上り、お湯を注ぐとあっという間に部屋に充満したのは、レモングラスとスパイスの香り。カッピングの準備ができ一口すすると、口いっぱいにレモングラスが広がり、スパイスの香りは口の中に入るとより鮮明さを増していきました。頭に浮かんできたスパイスの中から、まさしくこれだと思ったのはナツメグ。ここまでくっきりとした特徴的な芳香を放つコーヒーはそう多くありませんが、香りとフレーバーが完全に一致するのは特に珍しい気がします。温度が下がってくるとパッションフルーツのようなニュアンスがあり、すっと鼻に抜ける爽やかな感じが何かなと思いテイスティングノートを見てみると檜(ヒノキ)の文字。あぁ!と手を打ち、納得。奇抜なフレーバーに聞こえますが、甘みをしっかりと感じ、ちょうどいいボディや質感が全体をうまく整えてくれています。隠しきれないグルーブ感を感じる、チルなコーヒーでした。


Artists in Residence
Standartを彩るアーティストたち

アーティスト: 

フリーク・シティ ウェブサイト Instagram

プロフィール:

フランス出身のイラストレーター、テキスタイルデザインスタジオAtelier Kobaltの共同創設者。最近ではクラフトビールブランドKormaのアートディレクターや、デザインスクールの講師に就任するなど、幅広い領域・表現手法でクリエイティビティを発揮している。

最新の掲載記事:

Standart Japan第17号 Tell Your Friend Fuck You

Inspiration
おすすめの本、映画、音楽、アート

新聞記者、本屋になる』 落合博

東京都台東区寿にある独立系書店Readin’ Writin’ BOOK STOREのオーナー落合博さんの著書。以前Standartでもイベント開催させてもらったり、現在も雑誌のお取り扱いをいただいている大好きな書店の店主である落合さん。先日東京で開催されたSCAJを終えた翌日、自転車でコーヒーショップを周る合間に立ち寄ると、ちょうどコーヒーを飲みに外出しようとしていた落合さんにばったりお会いしました。コーヒー屋さんまでの道のりをご一緒させてくださいと一緒に歩きながら近況報告をし合っていると、最近本を出したんですよと「新聞記者、本屋になる」をご紹介いただきました。落合さんの経歴(元新聞記者)は少しだけお伺いしていましたが、本屋になった経緯などは知らなかったので、後ほどお店に伺って購入し、福岡までの帰りの飛行機のお供に。
本書は、タイトルの通り、30年以上続けた新聞記者としてのキャリアに終止符をうち、本屋として独立した落合さんの自伝のような内容。落合さんの雰囲気そのままの文体で、シンプルに、淡々と、かつ赤裸々に、これまでのキャリアや本屋になるまで、そしてなってからのお話が綴られています。カバーの内側には「読書家でなくとも本屋は始められる」と添えられていて、本屋を始めた理由よりも、本屋を始めた方法をこの本で伝えたいと続きます。サクセスストーリーでも人情物語でもなく、事実に基づき、本屋を始めて続けていくための実用的なヒントやノウハウが詰まった本書。書店店主の人生を覗き見する、ミニシアター系のドキュメンタリー映画を観たような感覚になります。途中びっくりしたんですが、Standartについても少し触れてくれていました! 本書を読み終えた後、Readin' Writin'のような(落合さんの言葉を借りると)「出会い系の本屋」で、知らなかった本との出会いや思いがけない出会いのある本屋さんにいきたくなるはず。東京にいる方は、ぜひ書店に足を運んで本書を手に取ってみてください。



Brewing with…
あの人のコーヒーレシピ 

 

硲 真人

京都市左京区にある珈琲焙煎所旅の音にて焙煎の修行中。また、福井県小浜市にて両親の経営するcafe watotoを中心に焙煎豆の卸、イベント等をしながら活動中。 お酒、音楽、カメラに明け暮れる日々です。

セットアップ:

抽出器具:ハリオ V60
豆量:12g
湯量:160ml (抽出量)
挽き目:中細挽き
湯温:89℃
抽出時間:2:25 - 2:30

手順:

  1. 蒸らし40秒
  2. ゆっくり160ml抽出されるまで注ぐ
  3. 抽出完了したらドリッパーを外す

    ポイント:

    ▷ 深煎り〜極深煎りレシピです
    ▷ 蒸らしは珈琲が抽出されない程の湯量で、最初は真ん中のみにお湯を落とし、お湯の通り道を作る。徐々に1円、10円、500円くらいの大きさに広げていくイメージ
    ▷ お湯の注ぐスピードや線の細さをV60の抽出量と同じスピードにする 

    コメント:

    浅煎りで○○のようなコーヒーと形容するのももちろん面白いですが、深煎りの重厚な珈琲の苦味、甘み、香りに立ち戻るのも故郷に帰ってきたようでホッと安心できます☺️ ペーパーフィルターでネルドリップのようなトロッとした舌触りとオイリーな甘みを表現しました。ぜひお試しください。


     

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    今週の The Weekend Brew は Standart Japan 第18号スポンサーのブルーマチックジャパン、パートナーの Victoria Arduino x トーエイ工業The Roast Expert by PanasonicFAEMA x DKSHのサポートでお届けしました。

    LOVE & COFFEE✌️
    Standart Japan
    (執筆・編集:Takaya & Atsushi)

    #71: 古代ローマ、大相撲、コーヒー

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