エスプレッソマシンと顧客体験・利益・環境問題との関係性

エスプレッソマシンと顧客体験・利益・環境問題との関係性

カフェに置いてある数々のマシンの目的はもちろん「おいしいコーヒーを淹れること」ですが、そこにはさまざまな意味が内包されています。Standart Japan第16号のパートナー、トーエイ工業とVictoria Arduinoが、おいしいコーヒーをできるだけ早く、一貫した品質でお客様に届けるだけでなく、ブランディングやバリスタのトレーニングも考慮したエスプレッソマシンの選択について教えてくれました。

 

カフェにおけるコーヒー機器の選び方

カフェにとって重要なのは一貫性です。高い基準を満たす高品質なコーヒーを何度も提供することは、お客様のロイヤルティを高めるために欠かせない要素です。

そして一貫した体験を実現するためには、適切な機器選びがカギとなります。適切な機器を揃えれば、お客様が1日のどの時間帯にどの店舗で注文しても、同じコーヒー体験を提供できるのです。そうすれば長期的にブランドのイメージや顧客ロイヤリティの向上を期待できます。

以下では、GAIL's BakeryのJessica Wordenさんの話を基に、ビジネスに合ったコーヒー機器の選び方について考えていきます。

 

パートナー企業との価値観の摺り合わせ

Jessicaさんは、イギリスのベーカリーGAIL's Bakeryのコーヒー部門の責任者です。GAIL's Bakeryは焼きたてのパンやペストリー、ケーキに加え、独自のハウスブレンドコーヒーを提供しています。

GAIL'sは2005年に第一号店をオープンし、現在ではロンドン、オックスフォード、ブライトンなどに60店舗以上を展開しています。Jessicaさんいわく、この15年間の成長を支えてきたのは高品質なコーヒー機器でした。

「私たちは、仕事の中心にクラフトマンシップを置いています。ではクラフトマンシップとはなにかというと、それは商品、そしてそれを生み出すためのツールとの近さだと思います」。JessicaさんはGAIL'sで10年以上働いており、この考えは会社のコアバリューの一部だと言います。「GAIL'Sでは、志を同じくする企業と仕事をするようにしています。製品の開発に時間と手間をかけ、心を込めて調達し、持続可能性を重視しつつも昔ながらの手法を採用しているような企業、そんなところと一緒に仕事をしたいと考えているんです」と説明するJessicaさん。

カフェで使用する機器は、そのデザインも含めて、ビジネスの特徴を補完するようなものでなければいけません。Jessicaさんによると、GAIL’sの各店舗は周辺の地域性を反映した形で作られており、コーヒー機器はその”ローカライズ”を促進するうえで重要な役割を果たしているそうです。

「GAIL’sの厳選された空間における体験を増幅させるために、私たちはEagle Oneを使うことにしました。Eagle Oneの外観はかなり柔軟にカスタマイズできるので、どんなカフェのデザインやスタイルにもマッチします」とJessicaさんは説明します。しかしカフェのオーナーが求めるのは見た目の美しさだけでなく、品質と信頼性がその前提にあります。コーヒー業界では常に正確さと精密さが重視され、GAIL'sもこの点を認識しているとJessicaさんは言います。

「私たちがグラインダーにVictoria Arduino のMythos Oneを使い始めたのは、より正確なドーシングができるように設計されていたからです」と話すジェシカさん。「正確なドーシングは品質向上に寄与するだけでなく、ビジネスの長期的な持続可能性や成長にも貢献すると強く感じました」。

Jessicaさんが言う「正確なドーシング」は、Mythosグラインダーに搭載されているクランプクラッシャーシステムに支えられています。このシステムにより毎回新しいドリンクを作る際にパージする必要が減るため、結果的に無駄になる豆の量を減らすことがでるのです。「そこからMythos Ⅱの導入を検討し、去年からはエスプレッソマシンについても新しい選択肢を模索し始めました」

教育を支える品質

コーヒー機器を比較する際には、それぞれがどのくらい使用されるか、そして誰が使うのかを考えなければいけません。Jessicaさんは機器が忙しいラッシュ時に耐え、さまざまなレベルのユーザーに対応できるものでなければならないと言います。

「理想的にはさまざまな人にとって使いやすく、堅牢なものがいいですね。ユーザーフレンドリーなインターフェースが搭載されていて、直感的な設計がなされているようなものです」。GAIL'sは社内でSCAトレーニングを実施しているため、バリスタは働きながらスキルアップを図れます。しかしJessicaさんは、高品質な機器が学習プロセスの根底にあると言います。

「いくらトレーニングを行っても、信頼性の低い機器だと、バリスタはその機器から遠ざかってしまい、両者の間に壁ができてしまいます」。そのため、バリスタのスキルを覆い隠すものではなく、むしろ強調するような機器を選ばなければならないと彼女は言います。

「スキルレベルを下げるような機器は求めていません」と断言する彼女。「私たちは、コーヒー業界がこれまでに積み上げてきた膨大な技術革新を最大限活用したいと考えています」

Eagle Oneに搭載されたタッチスクリーンと専用アプリによって、バリスタはマシンの技術を最大限に活用できるため、一貫した品質のエスプレッソを何度も抽出できるのです。また、高品質な機器はカフェの効率化にもつながります。

その結果、ドリンクの提供が早くなり、列が短くなることで、スタッフと顧客の満足度が向上します。「オペレーションにEasy Creamスチームワンドを導入することで、従来のマシンでは達成できなかったレベルに到達することができました」とJessicaさんは付け加えます。 

持続可能性を考える

GAIL'Sでは余った食品の寄付や、リサイクル可能なパッケージの使用など、常にサステナビリティを重視してきました。その環境意識は、サステナブルなコーヒー機器への投資にもつながったとJessicaさんは言います。

「Eagle OneとTERSのコンパクトでサステナブルなデザインに惹かれました」とJessicaさん。TERS(Temperature Energy Recovery System)とは、排出されたお湯を新しい水の予熱に利用するEagle Oneの機能を指し、この機能によってマシンのエネルギー消費が従来のマシンと比較して8%削減されました。

さらにボイラーを断熱して熱の拡散を抑える、Eagle OneのNEO(New Engine Optimisation)により、エネルギーの無駄も抑えられ、環境にやさしいだけでなく電力コスト削減にもつながります。

ただ高品質な機器がサステナビリティに貢献するとはいえ、コーヒーショップでの効率化や廃棄の削減は、究極的にはバリスタにかかっているということを忘れてはいけません。機器の性能を最大限に引き出すためには、新しい機器を導入する際にバリスタが十分なトレーニングを受けることが肝要です。

「GAIL’sのトレーニングでは、バリスタが自信を持ってマシンを使用できるように、マシンについて教えることに重点を置いています」とジェシカは言います。「こうすることで最終的には、無駄な廃棄を減らし全体的な持続可能性を高めることができるのです」

信頼できるパートナー企業と連携し、信頼性が高く、効率的で革新的な高品質の機器を選択することは、カフェの発展につながります。最終的には、適切な機器を使用することで、カフェは提供するコーヒーの品質を高め、生産性を向上させ、顧客体験を向上させることができるのです。

Eagle Oneの最新鋭の機能をコンパクトなサイズにおさめたEagle One Primaについては以下の動画をご覧ください。