Standart Japanを定期購読してくださっているみなさんに毎号付録としてお送りしているサンプルコーヒー。Standart Japan 第18号には、イエメンと日本をコーヒーで繋ぐMocha Originsのイエメンコーヒーがついてきます。
Standart Japanでイエメンコーヒーをお届けるのは初めて。イエメンのコーヒーを取り扱うお店もまだまだ一般的に多くはありませんので、この機会にコーヒーオリジンのイエメンの魅力を存分に感じていただけると嬉しいです。
以下では、Mocha Originsやイエメンについて、そして共同ファウンダーであるTareqさんがおすすめするコーヒーの淹れ方をご紹介します。
イエメンについて
5世紀以上前、コーヒーはイエメンのモカ港を経由して世界中の国々へと旅立っていきました。そのためイエメンのコーヒーは、世界でも有数の歴史を誇る存在として知られています。アラビアン・モカとも呼ばれるイエメンのコーヒーは、今でも中央山岳地帯で500年以上前と同じ方法で栽培されています。
コーヒーノキは準乾燥帯の山の斜面に切り開かれた段々畑に植えられており、そのさらに上には、古代の石造りの家からなる村が山の延長のように広がっています。夏の間小さなコーヒーの木が花を咲かせ、実をつける頃になると、霧状の雨がイエメンの山々を一時的に緑に染め上げます。秋に入って空から雲が消え去り、空気が乾燥してくるにつれてコーヒーチェリーが成熟すると、ようやく収穫期に。収穫されたチェリーは、石造りの家の屋上に広げて乾燥させます。冬に入っても乾期が続くため、夏の霧雨が戻ってくるまでコーヒーノキを守るため、小さな貯水池に溜まった水を与えることも珍しくありません。
コーヒーについて
皆さんにお届けするHaraz(ハラズ)は、500年以上前からイエメンで栽培されてきた、コーヒーの原種である古代のティピカ種を使用しています。複雑で深みのある風味が特徴のこのコーヒーは、標高1700~2200mに位置するイエメンのハラズ地区で育ちました。ハラズ地区の農家は毎年この特別なコーヒーを生産しているもののイエメンの政治的な状況から買い手を見つけられずにいたため、Mocha Originsが同地区で栽培されたコーヒーをまとめて日本へと輸入することを決断しました。フレーバープロファイルは、プラム、キウイ、キャラメル、チョコレートなどが感じられます。今回のサンプルコーヒーは、大分県のTautona CoffeeがMocha Originsとタッグを組んで焙煎してくださいました。
Mocha Originsについて
Mocha Origins(モカオリジンズ)は、イエメンのトップスペシャルティコーヒーを専門に扱う日本初・唯一の会社です。国内では海ノ向こうコーヒーと協力しながらイエメンのコーヒーを販売しています。
共同創業者の2人は兄弟で、弟のタレクが日本に、兄のコサイがイエメンに住んでいます。留学生として日本にやってきてタレクは、イエメンと日本の架け橋となり、イエメンの文化や製品を日本の人々に紹介することを夢見ていました。一方コサイは長年イエメンでコーヒー産業に携わり、農家と親交を深め、品質向上に務めてきました。
コーヒーノキの苗から精製工程の最後まで一貫して生産に携わる、厳選された農家からのみコーヒーを購入しているMocha Origins。彼らのビジョンは、イエメン経済を活性化し、失われたイエメンのモカコーヒーの栄光を取り戻すこと。農家はもちろん、飲み手にもポジティブな影響を与えられるようなコーヒーを日々お届けしています。
おすすめのレシピ
抽出器具:V60
コーヒー :17g
挽き目: 中挽き(フィルターコーヒーの通常サイズ)
湯量: 220g
湯温:90℃
抽出時間:2:30
- V60ドリッパーをお湯で濡らし温める。90度のお湯で抽出していきます
- 1湯目:40gのお湯を10秒かけて注ぎ、ドリッパーを2回回しながら揺らします
- 30秒間の蒸らし
- 2湯目:80gのお湯を注ぎます(トータル120g)。注ぐときはドリッパーの真ん中から外側にかけてゆっくりと回しながら注いていきます。コーヒーベッド全体を湿らせるように。タイマーが1:00を指す前には注ぎ終える
- お湯が落ち切るまで待つ
- 3湯目:タイマーが1:10になったら、50gのお湯を10秒かけて注ぐ(トータル170g)
- 4湯目:タイマーが1:30になったら、最後の50gのお湯を10秒かけて注ぐ(トータル220g)
- お湯が全て落ち切るまで待つ。落ち切った時点で、タイマーは2:30あたりになるのが理想