おはようございます。今週はどんな一週間でしたか?
これまでこのニュースレターを読んでくれていた方はお気づきかと思いますが、Weekend Brewのデザインを変更しました。いつもと違う見た目に驚いた方もいらっしゃるかもしれませんね。このニュースレターを始める前から、デジタルコンテンツとStandartを読むときの体験の差を、出来るだけ縮めたいと考えていて、今回はデザイン面をアップデートすることになりました。StandartのようにWeekend Brewも日々進化していきますので、ぜひこれからもよろしくお願いします。
コンテンツはこれまでと同様ですが、よりStandartらしい体験を皆さんの毎週日曜の朝にお届けできそうです。初めての方も、これまで読んでくださっていた方も、少し新しくなったニュースレターをお楽しみください。ご意見・ご感想はSNSやDMで教えてくださいね。
今週のStandart Japanは、仕事集中モード。次号の制作はもちろんのこと、新しい企画やその次の号のコンセプトの考案、海外のStandartメンバーとのチームミーティング、カスタマーサポートやマーケティング活動などに取り組んでいました。いくつものタスクが同時進行で進んでいき、やることはいくらでもあるという状況は、ある意味バリスタの仕事と似ているかもしれませんね!
ちなみに、Standartはフルリモート企業でメンバーは様々な国や地域に住んでいます。様々な作業をリモートで進めていく上では、メンバー間の日々のコミュニケーションやタスク管理が欠かせません。以前、ブログで「リモートワークを成功に導く8か条」という記事を公開したので、ご興味のある方は覗いてみてください。
Toshi & Atsushi
This Week in Coffee
世界のコーヒーニュース
QRコードの普及が加速
新型コロナウイルスの影響を受け、日本で90年代に開発されたQRコードの非接触性に注目が集まり、レストランやカフェなどでの注文・支払い、ホテルやオフィスの利用者管理などの目的で、現在急速に浸透しています。コーヒー業界を見てみると、オーストラリアのシドニーにあるSingle Oは先日、コスタリカにあるラ・ミニータ農園のコーヒーを、同社初のQRコード掲載バッグと共に発表しました。
バッグに掲載されたQRコードをスキャンすると、ラ・ミニータ農園の様子やコーヒーの栽培から収穫までのプロセスを紹介するクールな映像が再生されます。スターバックスもブロックチェーン技術を利用した、消費者と農家の双方がコーヒー豆を追跡できるシステムにQRコードを導入しました(現在は米のみ)。アイルランドのキルケニーでは、観光業を促進するために、コーヒーショップなどがQRコード付きのステッカーをテイクアウトカップなどに貼り、地域の観光情報サイトにアクセスできる仕組みを作りました。
アイディア次第で様々な分野・目的に利用でき、今後QRコードの普及がさらに広がりそうです。
多様化するコーヒーかすの再利用
サスティナブルなビジネスに注目が集まる近年、コーヒー業界の悩みの種とも言える「コーヒーかす」を何とかしようと、様々な企業がクリエイティブな解決策を打ち出しています。韓国の現代製鉄は、複数の都市からコーヒーかすを収集し、ベンチャー企業と協力してアップサイクルするプロジェクトをスタート。このプロジェクトを通して、コーヒーかす100%の粘土や、ランニングトラックのクッション、子供用のおもちゃなどにコーヒーかすが生まれ変わってきました。
イギリスにあるbio-beanは世界最大級のコーヒーかす再生企業で、ロンドン市内を走るバスの燃料や、ログ・ペレットといったバイオ燃料、ナチュラルフレーバーのエキスなどを商品化してきました。この他にも、コーヒーかすからサングラスを作るウクライナのOchisや、コーヒーかすを堆肥として使い100%オーガニックのヒラタケを栽培するベルギーのPermaFungiなど、新しいスタートアップが次々に生まれています。
国内では、Standart Japan 8号で特集した福岡にあるmanucoffeeの、コーヒーかすから肥料を作るマヌア・プロジェクトが注目されています。最近ではマヌアで育った野菜の販売も行っており、お店の中にいながら循環の輪を感じることができます。
その他の気になるニュース
▷ アラビカ種の新しい遺伝グループ「Yemenia」が発見されました。9/10にYemeniaを含むイエメンコーヒーのプライベートオークションが開催予定。中にはカッピングスコアが90ポイントを超えるものもあるそう。
▷ カリフォルニアでコーヒー生産や地域の農家へのコーヒー栽培を支援するFrinj Coffeeは、環境NPOと協業し、カリフォルニア産コーヒーの生産と環境再生型農業(Regenerative Agriculture)に力を入れています。
▷ 人種差別、植民地主義、白人至上主義がコーヒー業界全体に与える影響について学べる「The (Un)Learning Club」が9月からスタート。
▷ 最新の調査結果によると、国際フェアトレード認証を受けたコーヒーを生産する農家のうち、たった33.8%にしか国際フェアトレード基準で規定されたプレミアム(組合や地域の経済・社会・環境的開発のために使われる資金)が支払われていないとのこと。
▷ ドライブスルーでのスペシャルティコーヒー体験とは? COVID-19の影響もあり世界的に利用者が増えているドライブスルー。アメリカでは1990年頃に最初の「ドライブスルーカフェ」が誕生したと言われています。
What We're Drinking
今週のコーヒー
1993年にニュージーランドの首都ウェリントンで誕生したスペシャルティコーヒーロースター。現在は、ニュージーランド、オーストラリア、日本に店舗を展開中。日本では東京の奥渋谷から、気軽にコーヒーを楽しめるような独自のホスピタリティカルチャーを提案している。
生産者:
Fazenda Ambiental Fortaleza(地図)
生産地域:
ブラジル・ミナスジェライス州
品種:
Mundo Novo, Red&Yellow Catuai
精製方法:
ナチュラル
テイスティングノート:
濃厚なキャラメルの香ばしい香り、アフターはローストナッツと舌の上に広がるバターのような甘みが組み合わさって、ブラジルらしくしっかり。
編集長のコメント:
どしんとしたボディーとバタースコッチかと思うようなフレーバー、そして後から鼻腔に抜けていくわずかなシトラス感。朝に飲みたいなと思わせてくれるコーヒー。牛乳を少し混ぜたら最高のカフェオレできました。生産者であるFAF農園のストーリーを元に書かれた本「世界からコーヒーがなくなるまえに」もぜひ読んでみてください。
Inspiration
おすすめの本、映画、音楽、アート
PIXAR <ピクサー> 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話 - Lawrence Levy
購入
映画「トイ・ストーリー」などで知られるアメリカのアニメーション企業PIXAR(ピクサー)。その創設者は"あの"スティーブ・ジョブズでした。本書は、夢のまた夢のように思われたPIXARのIPO(新規株式公開)を実現させるために雇われたCFO(最高財務責任者)の著者の視点から描かれています。度重なる赤字、現場とジョブズとの確執、資金提供者ディズニーとの八方塞がりの契約などなど、無理ゲー極まりない状況の中、映画のような展開で物語は進みます。クリエイティブを生かす経営方針やリーダーシップ、交渉術やお金の駆け引き……。この物語の結末は知っての通りですが、シリコンバレーのサクセスストーリーでここまでグッとくるクライマックスはないかもしれません。このPIXARでの大成功が、ジョブズをアップルに凱旋復帰させました。そのあとは皆さん、ご存知ですよね? — Toshi
Notion - Tash Sultana
Spotify|Apple Music|Google Play
オーストラリア出身のシンガーソングライターTash SultanaのファーストEP。20種類もの楽器を操り「ワンパーソンバンド」と称されることもあるTashは、路上ミュージシャンとしてそのキャリアをスタートさせました。魂の叫びのように声を体の中から絞り出す歌い方が特徴的で、体を揺らしながらルーパーを使って曲を"作っていく"ライブの様子は圧巻。— Atsushi
Brewing with…
あの人のコーヒーレシピ
東京の日本橋馬喰町にあるDDD HOTEL2階、カフェ&バー「abno」ヘッドバリスタ。ミクソロジー、モクテル、ガストロノミー、食器、アートなどにハマり中。
セットアップ:
レシピ:インフュージョンブリュー
抽出器具:エアロプレス(インバート)
豆量:16g
湯量:250g(お湯の代わりに台湾茶で抽出。湯量=台湾茶の量)
挽き目:中挽き〜中粗挽き
湯温:98度で台湾茶抽出後、88度まで下げてコーヒーを抽出
抽出時間:2分〜2分10秒
手順:
- 器具を温めておく、フィルターのリンスを済ませる
- 台湾茶を抽出しておく
- 器具にコーヒー粉を入れる
- 台湾茶を40g注ぎ、30秒蒸らす
- 残りの台湾茶 210gを注ぐ
- 抽出時間トータル2分をめどにプレス
ポイント:
レシピを検討する際に使用したcoffee collectiveのコロンビアは、ティーとフローラリーなフレーバーがあったので、台湾茶で抽出してみました。台湾茶の抽出レシピは茶葉3g、2分蒸らしで抽出したものを使用しました(LUPICIAの凍頂烏龍 特級 中焙煎 春摘み)。インフュージョンブリューは、コーヒー豆のフレーバーに応じてマリアージュさせるお茶を変えると面白いですよ!
一言:
東日本大震災発生時、被災された方にコーヒーを淹れる経験をしました。その時見た空気感の圧倒的変化が今の私のルーツになっています。 なくても生きていけるけどあると幸せ。そんな私のコーヒーを通じてお客様や生産者の方にも、幸せを感じてもらえたら嬉しいです!
今週の Weekend Brew はいかがでしたか?
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今週の Weekend Brew は Standart Japan 第13号スポンサーの Daterra、パートナーのトーエイ工業、Swiss Water、Department of Brewlogy のサポートでお届けしました。
LOVE & COFFEE✌️
Standart Japan