おはようございます。今週はどんな一週間でしたか?
これまでStandartのニュースレターでは主に最新号のリリース情報などを発信してきましたが、タイムリーなコーヒー界の情報をお届けする手段として毎週日曜朝に届く週刊ニュースレター「Weekend Brew」を始めることにしました。
世界のコーヒーニュースやStandartの動向など最新の情報はもちろん、おすすめの本や音楽や映画、さらには日本全国のコーヒー、レシピの紹介など、Standart Japanがキュレートしたコンテンツを毎週あなたのメールボックスにお届けします。
日曜日の朝にコーヒーを淹れながら、一週間の締めくくりとしてWeekend Brewに目を通して情報をアップデートしつつ、日々のインスピレーションやアイディアを得る。そんな習慣がこのニュースレターを通して生まれると嬉しいです。Weekend Brewについては、Standart Journalにまとめているのでぜひご覧ください。
今週のStandart Japanは、Weekend Brewのローンチや次号(#13)のリリース準備をしていました。8月に発売されるこの号は現在、香港で印刷中です。Standartが今年5周年を迎えることもあり、次号発売のタイミングでリブランドを行い、デザインも一新されます。新しいStandart、楽しみにしていてくださいね!
Team Standart Japan
This Week in Coffee
世界のコーヒーニュース
ルワンダで豪雨による被害が拡大
5月初旬、東アフリカ一帯が豪雨に見舞われるなか、ルワンダ北西部に位置するニャビフ郡で洪水や地滑りが発生し、同地のコーヒー農家にも多大な被害が発生しています。ルワンダ政府もインフラの修繕などにあたっておりますが個人レベルでの補償の目処はまだたっていないことから、社会企業のRaw Materialと、ルワンダでウォッシングステーションなどを運営するMuraho Trading Coが共同で復興支援用のGoFundMeキャンペーンを立ち上げました。集まった資金は喫緊のニーズ(食料、水、衣服)にあてられた後、住宅の再建や農作物と家畜の復興、さらに今後起こるであろう異常気象への対策に使われる予定です。本件に関する日本語のプレスリリースはこちら。
「コーヒーショップの示す特色は地域によって大きく変わる」と述べるこちらの記事に基づくと、コーヒーショップで起こる人種差別は一時の問題ではなく、その空間を取り巻く地域や社会の問題構造が、コーヒーによって映し出されているとも考えられます。現代社会をコーヒーが映し出すとすれば、差別の無い、より良い未来を映し出すのもまたコーヒー。だからこそBlack Coffee Northwestをはじめ、世界中で社会・文化活動のプラットフォームとしてコーヒーが用いられることに、大きな意味を感じてなりません。
コーヒー業界のBLM運動
BlackLivesMatterムーブメントが全世界に広がりを見せるなか、コーヒー業界でもこれまで公にされていなかった人種差別問題が段々と明るみになってきています。La MarzoccoやCounter Culture Coffee、Barista Hustleといった有名ブランドの元従業員がそれぞれの苦い経験をネット上で共有したことを受け、当該ブランドやそれぞれの事件に関わった個人には今後のアクションに関して厳しい目が向けられています。3社の本件に対する声明はこちら(La Marzocco、Counter Culture Coffee、Barista Hustle)。またスターバックスは従業員に対し、BLM運動への賛同を示すTシャツやピンバッジなどの着用を禁じましたが、反対の声を受けて禁止を撤回しました。
その他の気になるニュース
- ダイレクトトレードを含む広義の「Relationship Coffee」は、喧伝されているほど農家の生活改善に寄与していないのではという調査結果が。農家との関係についてまとめられた9つの迷信も一読の価値あり。
- 中国のコーヒーチェーンLuckin Coffeeは約3億ドル(約320億円)におよぶ不正会計事件を受けて、NASDAQへの上場を廃止。陸正耀(Lu Zhengyao)会長の辞任も決まり、まだまだドラマは続きそうです。
- ブラジルではロブスタへの評価が変わりつつあり、スペシャルティロブスタの生産量が増加中。その一方で、ロブスタは一般に考えられているほど熱に強くないという研究結果も気になります。
- コーヒーの価格危機に対する具体的なアクションがとられていないことを理由にグアテマラが国際コーヒー機関(ICO)からの離脱を検討中。
- ICOの調査によれば、COVID-19の影響で全対象生産者の45%が契約解除に遭遇し、対象国の70%がコーヒー産業の減収を予想しているとのこと。フルレポートはこちら。
What We're Drinking
今週のコーヒー
「町のロースタリーから世界へ」をコンセプトに、産地個性豊かで希少なコーヒーのみ取り扱う東東京を代表する自家焙煎店のひとつ。2019 Japan Roaster Conpetitionでは東京1位全国3位の成績を収める。素材のポテンシャルを引き出す【Light roast High development】という技法で浅煎りの焙煎を施し、コーヒー本来の甘さや果実味、香りにフォーカスを当てたコーヒーを提供する。
生産国:エチオピア
地域:イルガチェフェ・ゲデブ地区
品種:Heirloom
精製方法:Washed
テイスティングノート:インテンシティフローラル、ジャスミン、パイナップル、スイートレモンキャンディー
Standartの感想:
シロツメクサのベッドに寝転がってるような香りと、心地よい甘酸っぱさが口いっぱいに広がる。時間をかけてゆっくり飲みたい。
Inspiration
おすすめの本、映画、音楽、アート
📚 THE POWER - Naomi Alderman (レビュー|購入)
ある日、女性が突然変異で特殊なパワーを手に入れたことから世界の男女の力関係が逆転し、女性が男性を力で圧倒的に支配する社会を描いたディストピアSF小説。2016年にイギリスで刊行され、「#MeToo」ムーブメントの到来を予期していたかのようなこの作品は、現代の社会のあり方をSF小説ならではの世界観で痛烈に批判しています。ただ、フェミニズム的な小説と言うわけでもなく、ジェンダーにかかわらず、生来もっている身体的・社会的な力を他者への支配に使う人間の傲慢さに問題提起をしているというのがポイント。男性が女性を怖がったり、女性が男性を力でねじ伏せたりする細かな描写はリアルで、自分自身の言動が異性に与える影響を考えずにはいられません。皮肉なユーモアたっぷり。(Toshi)
🎧 Spaces - Nils Frahm (Spotify|Apple Music |Google Play)
クラシックやミニマル、ダンスミュージックなどジャンルを横断して独自の音楽を作り上げるドイツの作曲家Nils Frahm。「Spaces」は彼の2年分のライブ音源を元に作られた"スタジオ"アルバム。時々入るオーディエンスの感嘆の声に共感し、客席から聞こえる咳払いをサンプリングした曲に微笑むなど楽しみ方は色々。お気に入りトラックは「Says」とその後に続く「Said and Done」。特に「Says」はエンディングに向けてドラマチックな展開が続くので、普段インスト曲を聞かない人にもおすすめです。(Atsushi)
金曜日に Standartのオフィシャルプレイリストを公開したのでこちらも是非チェックしてみてください。
Brewing with…
あの人のコーヒーレシピ
上田真也 aka ウエシン(@ueshin_barista)大阪にあるEMBANKMENT Coffeeでヘッドバリスタとして働きながら、専門学校でバリスタ講師を務める。最近ハマっているのは、ボディメイク。 筋トレを生活に取り入れながら、コーヒーを含めた健康的な食事を摂ることでバリスタとしてのパフォーマンスが向上するのを楽しんでいる。
セットアップ:
抽出器具:V60(おすすめは02)
豆量:13g
湯量:200g
挽き目:中細〜中挽き(深煎り〜浅煎り、抽出時間を目安に調整)
湯温:86~91度(深煎り〜浅煎り)
抽出時間:2:20~2:30
手順:
40gのお湯を注ぎ、40秒間蒸らす
0:40-0:50で60g注ぐ
1:10-1:20で50g注ぐ
1:40-1:50で50g注ぐ
ポイント:
ペーパーはリンスを忘れずに。お湯は中心から円を描きながら注ぎ、ドリッパーの淵には当たらないように。詳しくはYouTubeで。
今週の The Weekend Brew はいかがでしたか?
The Weekend Brewの感想やコメントはぜひ #standartjapan のハッシュタグと共にシェアをお願いします! 質問はメールでお待ちしております。またお友達やご家族など、The Weekend Brew を一緒に楽しんでもらえそうな方にこのメールを転送していただけると嬉しいです。
Standart JapanのウェブサイトやInstagram、Facebookもぜひチェックしてみてくださいね。
LOVE & COFFEE✌️
Standart Japan