Meet Our Partners: Angelo47

今回のMeet Our Partnersは、Standart Japan第11号のパートナーを務めてくれたAngelo47。カフェやベーカリー向けにインテリアグッズや家具、レシピなどを提供している同社のCEO Mikeさんには、日本での会社設立に至った背景や、開業を考えている方向けに「インテリアの心得」についてお話を伺いました。

 

- Mikeさんこんにちは! 聞きたいことがたくさんありますが、最初にMikeさんのバックグラウンドについて教えてください。

まずは私と食文化の繋がりから説明しますね。元々私はイギリスで生まれ、フランス文化を愛する母に幼少期から料理のレッスンを受けていました。1960年代に私たち家族はカナダへと移住しそこではインド料理を、そしてイヌイットの村で3年間生活したときはパン作りを学びました。

 

- コーヒーにはどんなきっかけで興味を持ったんですか?

実は昔からずっと興味は持っていて、特に私が十代のとき(1950年初頭)に出会った「コーヒーバー」シーンにはとても感銘を受けました。当時のコーヒーバーはジャズとの関係性が色濃く、結構反体制的な側面もあったんですよ。

そして1958年、16歳のときに初めてパリへ行って、かの有名なCafe de la Flore(カフェ・ド・フロール:1887年創業の老舗カフェ。文学者や芸術家がこぞって通い、シュルレアリズム運動の誕生にも寄与したと言われる)で朝のコーヒーを飲んだ瞬間からずっとカフェ文化に入れ込んでいます。

その後しばらくしてから、私はパリと南フランスで仕事をするようになり、引き続きフランスのコーヒーシーンに魅了されていましたね。正直イタリアほどコーヒー文化が発達していたわけではありませんが、特にカンヌにあるDa Lauraなんか最高でしたね。グリッシーニ、プロシュートと一緒にエスプレッソを飲むんですよ。

東京には10年前くらいから住んでいて、ここでも移住後すぐに日本のコーヒーの歴史や、特に「サードウェーブ」以降の活気あるコーヒー文化に魅力を感じました。

 

 

- Angelo47はどのようにスタートしたんですか?

Angelo47を創設するきっかけになったのが、6年前のある出来事でした。当時私の家に近くに小さなベーカリーカフェがオープンして、行ってみるとパンがとても美味しかったんですよ。でも店内の装飾はイマイチ、というかほぼ「無」に等しかったんです。写真もなければポスターや小物といったヨーロッパのカフェであれば当然あるようなものがない。

 

- なぜそのような状態だったと思います?

後になって分かったんですが、どうやら必要な機器やら什器やらを揃えたところで、開業資金がなくなってしまったということでした。また独立系のお店のオーナーは職人タイプの人が多く、あまりデザインに気を遣わない人が多いんです。

東京に関して言えば、まざまな種類の美しいインテリアデザインが施されたお店もある一方で、いわゆるチェーン店からはプラスチックっぽいというか、画一的な印象を受けました。

 

- お店で出される食べ物に関しての印象はいかがでしたか?

リサーチにリサーチを重ねたところ、多くのベーカリーでバゲットや食パンには力を入れているものの、それ以外については「甘くて柔らかいパンなら気に入ってもらえる」という考えが浸透しているということがわかりました。お店によってはフランスのスタイルに拘泥するあまり、(インドはおろか)イタリアをはじめとするその他のヨーロッパ諸国の文化には目を向けられていなかったのです。

 

- 実際にいつ頃Angelo47を設立したんですか?

カフェベーカリー向けのレシピ研究に3年間を費やした後、会社とeコマースサイトを立ち上げて、レシピだけでなく、インテリアアイテムや内装サービスなどを提供し始めました。

 

- すべてお一人で?

初期は一人ですべてをまかなっていましたが、日本やヨーロッパの専門家たちと徐々にコアチームを築いていきました。

 

- 今後の展開について教えてください。

長期的な目標としては、小規模で地域に根ざしたカフェベーカリーを複数オープンし、スペシャルティコーヒーやユニークかつオーセンティックで種類豊富な食べ物を提供することです。

今年に関していえば、日本全体に私たちの製品やサービスを広めつつ、カフェ向けの焼き菓子やパン商品を準備することが目標です。

直近では、北海道産のバターやフリーレンジの卵など、素材にこだわったビスコッティ(下写真)の販売を予定しています。これは主にカフェ向けの商品で、パイロットプログラムがうまくいけば本格的な展開に向け、クラウドファンディングで資金を調達しようと考えています。

2021年の後半には、パイロット店舗オープンのために、さらなる資金をベンチャーキャピタルから調達することも考えています。

 

- 自社店舗はどのようなものになるんでしょうか?

各店舗ではオリジナルの焼き菓子やパンを提供しつつ、コーヒーに関しては既存のロースターさんと協業しようと考えています。また店内のデザインについては、流行を意識せず時代を超えて愛されるように、ユニークでオーセンティックな年代物のアイテムと現代的な要素を組み合わせるつもりです。

そして2022年はIPOも視野に入れていて、その頃までにはできれば日本人の方にCEOとして会社運営を引っ張っていってほしいですね。

 

- Angelo47の「ここは他社には負けない」という強みはどこにあるのでしょう?

カフェカルチャーやパン作りへの愛やマーケティングのバックグラウンド、将来的なビジョン、さらには優秀な人材を獲得するための業界標準以上の給与やストックオプションなどですかね。あとは何より情熱です。特にコーヒーや飲食の仕事をしている方なら分かるかと思いますが、情熱なしでは素晴らしい体験を生み出すことはできません。

 

- 個人的にお気に入りのカフェはありますか?

たまに禅の雰囲気を求めてブルーボトルを訪れることがありますが、基本的にはもっとこぢんまりとしたお店が好きですね。例えば三軒茶屋のカフェオブスキュラ。特にエスプレッソや店内の装飾はとても洗練されていて、かなりレベルが高いと個人的に感じています。

あとは、(自分でも驚いたことに)スターバックスの良さも近年再認識しました。特に最近導入されつつある茶・黒をベースにしたインテリアデザインは、他のチェーンとは一線を画していますね。中目黒にあるロースタリーの設立と同時に上陸したPrinciのパンは素晴らしいです。

 

- お休みのときはどんなことをしていますか?

プライベートでも料理やパンを焼くのが好きで、集中しているときは瞑想状態に入るほどです。他には日本の歴史や文化について学ぶのも好きです。健康的な食生活は常に意識していますし、毎朝5時に駒沢公園でウォーキングするなどエクササイズの時間も大切にしています。

 

-「良い」カフェやベーカリーの定義とは何だと思いますか?

まずは背景情報として、もともとカフェの「装飾」というものは主要商品やそれに関連するもの(ペイストリー、サンドイッチ、コーヒー缶、ボトル、オリーブオイル容器、グラス等)が中心で、時間の経過とともに進化してきました。例えばお店のオーナーが友人や顧客の写真を店内に飾ったり、宣伝用のポスターを貼ったりといった感じで。

しかし現代の、特に都市部では家賃の高さや必要な機器への投資、何より他店との競争を考慮すると、悠長に「進化」するのを待っている時間がないわけです。だからこそ、「インスタントデザイン」のようなものが必要になってきます。前者については、ニューヨークにあるVia Quadronnosというお店が好例です。

質問に戻ると、お店の「テーマ」にかかわらず、照明はとても重要な要素です。昔の喫茶店やベカリーのような薄暗い雰囲気は少なくとも現代ではあまりおすすめできません。

次に、これは心理学的にも証明されていることですが、人間は自然や人の手によって長い時間をかけて育まれてきたものに囲まれるとリラックスでき、幸福感を得やすいんです。直感的にもこれは納得できますよね。

木や石、大理石のタイルや、しっくいやレンガの壁など職人技を感じられるもの、特に私たちが販売するビンテージアイテムに代表されるようなものは、デザインや装飾という観点では欠かせません。その一方で、もちろん全体としての調和やどんな雰囲気を作りたいかによって最終的な姿は大きく変わってきますが、何でもやり過ぎは避けなければいけませんね。

上記のような要素に加え、植物や店内に色を添える要素は、顧客体験を向上させるのに不可欠ですね。

 

- やるべきこと、避けるべきこととしては具体的にどんなものがありますか?

避けるべき

  • 色の使いすぎ(特にタイル)
  • スペースに対して小さすぎる写真
  • プラスチック、金属、ネオン管を使った照明
  • ビンテージアイテムの模造品や「アート」を謳った今っぽい装飾品(60-70年代に流行った宇宙をイメージしたようなデザインも長くは続きませんでした)
  • 植物の使いすぎ(ジャングルでコーヒーを飲みたい人はいませんからね……)
  • 質感や木目が違う木材を使ったインテリアを混在させる
  • 行きすぎた「シックな工業デザイン」
  • 潤沢な予算をかけた華美な建物や装飾


オススメ

  • 現代的な雰囲気と自然の要素(木、タイル等)の融合
  • ビンテージのポスターやインテリアアイテム
  • 大きなサイズの白黒写真(きちんと額装されたもの)、ベーカリーであれば商品のカラー写真が載ったパネル
全体について言えば、地元のキャラクターを反映したデザインでまとめることが肝要です。結経のところ、カフェを「目的地」と考える人はあくまで少数派であり、その存在自体はローカルなものですからね。


- Mikeさん、ありがとうございました!

Angelo47では、修復済みのビンテージアイテムを幅広く取り揃えています。ベーカリー向けでいえば、パン生地をこねるボールや、アートパネル、バスケット、スカンジナビア風のパンスライサー。カフェ向けでいえば、グラインダーやフランス製ボウル、額装されたポスターや白黒写真などが一例です。何かご協力できることがあれば、ぜひウェブサイトへお越しください。

 

Meet Our Partners: Angelo47

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