この記事は、Standart Japan第24号のパートナー Swiss Waterの提供でお届けしました。
Swiss Waterの過去の記事も気になる方はぜひ。
Standart Japan第26号のパートナーを務めてくれたのは、 競技会の舞台からホームバリスタの家庭まで、本物を追求するすべての人々に愛されてきたシアトル発のプレミアムグラインダーブランドBARATZA(バラッツア)。
特別なコーヒー体験をより多くの人に届けるべく、この度同社から最高峰のエントリーモデルEncore espが発売されました。お手頃価格ながらコーヒー愛好家も唸る高い機能性を持つこの最高峰のエントリーモデルEncore espについて、日本でBARATZAの代理店を務めるブルーマチックジャパンの丸山 泰正さんに伺いました。
]]>特別なコーヒー体験をより多くの人に届けるべく、この度同社から最高峰のエントリーモデルEncore ESPが発売されました。お手頃価格ながらコーヒー愛好家も唸る高い機能性を持つこの最高峰のエントリーモデルEncore ESPについて、日本でBARATZAの代理店を務めるブルーマチックジャパンの丸山 泰正さんに伺いました。
最大の特徴の一つが、40段階の挽き目調節ができるデュアルアジャストメントシステムです。1~20はエスプレッソに対応した細かな微調整ができるミクロ設定、21から40はペーパードリップやコールドブリューなどに対応できるマクロ設定が可能です。グラインダーの魂とも言える刃には、マルゾッコやディティングに刃を供給しているetzinger社のハイエンドタイプのコニカル刃40㎜を搭載。そこに同モデルの強力なDCモーターを組み合わせることで、1秒あたり約2gという高速で安定したグラインドを実現しています。グラインドの際は、前面または側面のスイッチを押すだけなので初心者でも安心して使用できます。シンプルでコンパクト、幅広い抽出方法に対応した効率性の高い新しいEncore ESPが、ご家庭のコーヒーライフをより楽しく、ストレスフリーにしてくれるでしょう。
主なターゲットユーザーは、カフェで飲んでいるお気に入りのコーヒー豆を買って、お家でもおいしいコーヒーを淹れたい人。つまりEncore ESPは、スペシャリティーコーヒーの世界に初めて足を踏み入れた人に向けたエントリーモデルのグラインダーです。市場調査の結果、新型コロナウイルス以降のお家コーヒーブームに伴い、家庭用エスプレッソマシンを購入するユーザーが顕著に増加していることがわかりました。そこでEncore ESP では、前モデルEncore 以上に挽きめ調整幅を広げ、微調整ができるようにすることで、エントリーレベルの価格帯でも美味しいエスプレッソを簡単に抽出できるよう試みました。
BARATZAは長年、スペシャルティコーヒーの楽しさ (飲む、淹れる、共有する) は誰でも簡単に得られるものであるべきだと考えてきました。このコアバリューは、私たちのグラインダー開発にも直結しています。たとえばBARATZAのグラインダーは、どのモデルであっても、初心者でも熟練のコーヒー愛好家でも満足して使用してもらえるように設計しています。ここには、正しいグラインドで淹れたコーヒーを通じて、人々の日常に特別なコーヒータイムを届けていきたいという思いが込められています。今回新たに発表したEncore ESPからも、このビジョンを強く感じてもらえるはずです。
競合他社と比べて特にユニークな点は、マシン内部の質です。多くのグラインダーメーカーはビジュアル面に力をいれていますが、BARATZAのグラインダーが優れている点は、なんといっても刃の質と刃を取り付けるメカニズムです。取り付けには非常に高度な技術を要し、グラインダーの生命ともいえる刃は、業務用グラインダー刃の設計、開発、製造を得意とするetzinger社やディティング社から輸入しています。トップブランドのアカイアとコラボして作った計量付きのグライダーも、内部の質にこだわった商品の一つですね。
BARATZAのお客様の約98パーセントは、コーヒー愛好家やコーヒーマニア、あるいは小規模なコーヒーショップで、その共通点はスペシャリティーコーヒーを扱っていることです。他社のような大量消費向けのコーヒー関連器具ではなく、BARATZAはスペシャルティコーヒーのためのグラインダーであり、コーヒーにこだわる人たちのためのグラインダーです。BARATZAの商品が家電量販店や大手スーパーマーケットでは販売していないのは、それが理由です。
自宅でもっと美味しいコーヒーを飲みたいと考えている人は、まずはその好奇心を大切にしてください。今日ではオンライン上に非常に多くの量の情報があり、さまざまな「最善」に関する知見が共有されています。その上で、ドリップでもラテでも、何が一番良いかを決めるのは、皆さん自身です。オンラインの情報ソースを参考にしつつも、コーヒーを味見した感想や使用したコーヒー豆、器具、抽出方法等、何が気に入っているかを、自分何りに把握し、メモすることを大切にしてほしいなと思います。コーヒーは旅そのものであり、目的地はありません。コーヒーの喜びは、いつでも現在進行形ですからね!
このインタビューは、Standart Japan第26号のパートナー、BARATZAとブルーマチックジャパンの提供でお届けしました。
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Heirroomは、「アジアの街の“こだわり”が届く」をコンセプトにしたコーヒー専用の越境ECモールです。現在弊社のマーケットプレイスでは、日本、台湾、タイ、シンガポール、フィリピンから41のロースターのコーヒー豆が購入できます。
私は前職で生豆輸入商社に勤めており、仕事で全国各地のロースターさんを巡ってはコーヒーを飲む、ということを繰り返していました。私はその経験を通じて、新たなコーヒーへの気付きや発見、ロースターさんとの出会いに魅了され、このコーヒー体験をもっと多くの人に届けたいと思い始めたんです。しかし実際のところ、私のように仕事でもないかぎり、全国各地、ましてやアジア各所のロースターを訪れることは簡単ではありません。そこでコーヒー好きの人たちが場所に囚われず、各街に根ざしたロースターのコーヒーを気軽に購入できるような、熱気あるオンライン市場を作りたいと考えました。これがHeirroom立ち上げのきっかけです。
Heirroomのマーケット空間で大切にしているのは、「コーヒー選びの悩みを楽しむ」ということです。この考えは「コーヒーを楽しんでいる時間」が単にコーヒーを飲む/買うという行為に留まらないという私自身の経験に基づいています。コーヒーを楽しむ時間を思い浮かべてみると、実はコーヒー豆を選んだり、議論したり、Standartを読んだり、コーヒーを口にしていない時間も含めてコーヒーを楽しんでいると思うんです。近年あらゆるオンラインサービスが「最適解をより簡単に見つける」ことを推奨していますが、Heirroomではあえて「コーヒー選びに悩む」こともコーヒー体験の楽しみであると考え、UXやサービスを設計しています。
日本と同じアジア地域ながら、まだ認知されていない魅力的なロースターを紹介したいと思ったからです。日本のコーヒー好きの中には、北欧やアメリカ、オーストラリアのコーヒー豆を個人で輸入されている方もいると思います。有名なロースターであればインフラ(ECサイト)等も整っているので、気軽に海外ロースターの豆を購入できますからね。しかしアジア地域に目を向けると、たくさんの魅力的なロースターがあるにもかかわらず、海外配送や海外に向けた発信ができているロースターの数は、西欧諸国と比べて非常に少ないのが現状です。私たちはロースターの魅力はローカル性、つまり街に根ざしているという点にあると考えています。Heirroomを通して、日本のコーヒー好きにアジアのロースターを紹介することで、より多くのコーヒー好きがアジアのロースターと出会い、将来的には現地のお店を訪れて、バリスタや現地の人々と出会い、そこで会話や新たなコーヒー体験が育まれるようなきっかけになってほしいと考えています。
あくまで私の所感ではありますが、ルールに囚われない自由な発想とおうちバリスタブームは興味深いなと感じています。
アジアのコーヒー文化は、日本の喫茶店や自家焙煎と比較しても歴史が浅いため、結果的に伝統に縛られない自由な発想が生まれやすいと感じています。ブラックコーヒーだけでなく、オリジナルのシグニチャードリンクやラテアートなど、楽しみ方の多様性がうかがえますね。逆におうちコーヒーの場合、一流のコーヒーショップやバリスタチャンピオンのレシピを再現しようとプロが使用するコーヒー器具を買い揃えてコーヒーを楽しむホームバリスタが多い印象です。
直近だと、2024年2月7日(火)~2月13日(月)に広島三越にて開催される「GOOD LIFE GOOD COFFEE FAIR Vol.3」に7日間出店予定です。今年は北海道、大阪をはじめとする日本全国でのイベントに加え、Heirroom主催のコーヒーフェスティバルも企画しています。日本全国のコーヒー好きの皆さんとお会いできるのを楽しみにしています!
この記事は、Standart Japan第26号のパートナーHeirroomの提供でお届けしました。
]]>以下では、Common Grounds がおすすめする抽出レシピをご紹介します。コーヒーの詳細についてはこちらのページをご覧ください。
また2024年インドネシア・ブリュワーズカップ・チャンピオンに輝いた、Common Groundsのライアンさんから読者の皆さんにメッセージも届いていますよ😁
準備するもの
ドリッパー: Hario V60 02 (プラスチックまたはセラミック製推奨)
ペーパー:Hario 02ペーパー
コーヒー豆:15g (トータル225gを抽出)
グラインドサイズ:中挽き
お湯の温度:90℃
抽出ステップ
1. V60にペーパーをセットし、沸かしておいたお湯でリンスを行う。この際、抽出時のチャネリング(不均一な抽出)を防ぐために、ペーパーがきっちりフィットしているかチェックする。その後、リンスに使用したお湯を捨てる。
2. 中挽きサイズ (目安は600~700ミクロン) にグラインドしたコーヒー豆15g をドリッパーにセットし、コーヒーベッドを平らにする。
3. 90℃のお湯を、中心から外、外から中心へと回しながら30g注ぐ。
4. 30秒の蒸らしの後、二湯目のお湯を70g注ぎ、トータルが100gになるようにする。
5. 30秒後(この時点で1:00)、三湯目のお湯を125g注ぎ、トータルが225gになるようにする。抽出時間の目安は約2分30秒。コーヒー全体が均一になるようにサーバー(もしくはカップ内)でかき混ぜてからお召し上がりください。Enjoy!
Common Groundsの皆さん、ありがとうございました!😉
▷ Common Grounds Coffee Roasterに関する情報はこちらから。
▷ 最新号の詳細についてはこちらから。
]]>今号のキーワードは「スポットライト」「旋律」「コーヒー」。NBA のトッププレイヤー兼コーヒーブランドBIG FACEのオーナーであるジミー· バトラーへのインタビュー、有機農業を支える陰の主役ミミズをめぐる旅、茶の国· 中国における最新のスペシャルティコーヒー事情など、今号の中身を一足先にご紹介します。
]]>今号のキーワードは「スポットライト」「旋律」「コーヒー」。
以下では、NBA のトッププレイヤー兼コーヒーブランドBIG FACEのオーナーであるジミー· バトラーへのインタビュー、有機農業を支える陰の主役ミミズをめぐる旅、茶の国· 中国における最新のスペシャルティコーヒー事情など、今号の中身を一足先にご紹介します。
エルサルバドル
国土は中米最小ながら、そのサイズをはるかに凌駕する存在感を放つエルサルバドルのコーヒー事情。
Meet Your Producer
コーヒーの故郷エチオピアでコーヒー生産を行うオランダ人とエチオピア人のカップル、ヘスター・ウェスターヴェルドとダーウィット・シウム。彼らが実践する雇用創出やインクルージョンの取り組みとは。
クラックの奥から聞こえる新しい音
コーヒー豆を焙煎するときの指標となる「ハゼ音」。新時代の焙煎機の誕生と共にその意味合いは変わりつつあります。
Meet Your Trader
海ノ向こうコーヒーで生豆の仕入れと販売に携わる山本博文さんに、エクステンションプログラムや価格と品質以外のコーヒーの価値について聞きました。
ファンキーなミライ
業界で熱い視線を浴びながらも、多くの混乱を引き起こす発酵という話題。今こそファンキーでエキサイティングなコーヒーの可能性に迫りましょう。
オルタナティブなレシピ作り
伝統よりも風味を優先した、エスプレッソのレシピ作りの新しいアプローチを探ります。
見過ごされるものたち:研ぎ澄まされる音
兵庫県神戸市にある洞窟のような丸い空間に迷い込むと、そこでは50 年もの間続く伝統と革新の音が鳴り響いていました。
シャウト!
乾杯はお酒じゃなきゃダメなのか? LILCRIBCOFFEEを主宰する野邉たまきさんが、パーティードリンクについてもの申す。
茶文化の中心に漂うコーヒーの香り
歴史をひも解きながら、茶の国· 中国におけるスペシャルティコーヒーの趨勢を眺めてみましょう。
カネフォラ種に目を向けて
「ロブスタ」としても知られるカネフォラ種のスペシャルティ化が現在進行中。スペシャルティコーヒーの未来はカネフォラ種にかかっていたのです。
ミミズという名の陰の主役
ケニアのオーガニックコーヒーという舞台では、カリフォルニアに生息する無脊椎動物が主役を演じていました。
Sluuuuuuuuuuurp !
Standart スタッフ一の“カッピング無精” が、周りの人から白い目で見られないためのカッピング術を指南します。
Meet Your Guest
NBA のトッププレイヤー、ジミー· バトラーにスーパースターコーヒーの適正価格やコーヒーを通じた出会いについて聞きました。
バーリントン
日本ではあまり聞き馴染みのないバーモント州の都市バーリントン。でもホテルや自宅で“あの” コーヒーを飲んだことがある人は多いはず。
今号のメインスポンサーは、「人々の心まで豊かにするものづくり」を掲げる新鋭ブランド・エペイオス。革新的なデザインと徹底的なユーザー体験を軸とする同社のコーヒープロダクトが描く未来についてご紹介します。さらに今号は、世界中のカフェビジネスに自家焙煎の可能性を届ける新時代のコーヒー焙煎機ブランドBellwether Coffee、バリスタのクリエイティビティを刺激する「型破り」な相棒Black Eagle Marverickを手掛けるVictoria Arduino x トーエイ工業株式会社、完全なる再現性を誇る次世代ショップロースターPシリーズを展開するProbat × DKSH、世界最先端のコーヒー情報をリアルタイムで日本のバリスタに届けるオンライン教育プラットフォーム・バリスタハッスルがパートナーを務めてくれました。ありがとうございます!
Standart Japan第27号のサンプルコーヒーを提供してくれたのは、インドネシアのスペシャルティコーヒーシーンを代表するする「Common Grounds Coffee Roasters」。年間購読者限定で、Common Grounds Coffee Roasterが焙煎を手掛けたインドネシア産のウォッシュトコーヒーが付いてきます。生産・焙煎共にインドネシアで行われた「Roasted at Origin」をぜひご堪能ください。
]]>FAEMA の歴史は、戦後ミラノに建てられたコーヒーマシン工場から始まります。1950 年~1960 年代にかけて、イタリアでは「奇跡の経済」と呼ばれる高度経済成長期を迎え、それまでの農業中心の産業構造から急速な工業化が進められました。社会の変化とともに人々の生活リズムも加速するなか、ひとときの休息として求められたのが、一杯のエスプレッソでした。
当時イタリアでは戦後の経済復興とともに小規模のカフェが普及していきました。FAEMA 社はフューチャリスティックなデザインと高い技術力を売りに、これらのカフェに向けて自社製品の製造を開始。イタリア復興を体現するかのような近未来的なFAEMA のマシンは瞬く間に人気を集め、同社はマーケットリーダーとしての地位を確立していきます。
その後迎えた1961 年は、エスプレッソマシン史における転換点でもあります。この年、FAEMA 社から伝説のマシンE61 が発売されたのです。このモデルが現代のエスプレッソマシンの礎と言われる所以は、世界で初めて電動の容量式ポンプを搭載した点にあります。この仕組みによって、当時のレバー式の主導エスプレッソマシンではかなわなかった9 気圧でのエスプレッソ抽出を実現し、抽出時の圧力の安定化をもたらします。また水道から直接マシンに水を供給できるボイラーシステムを採用したことで、エスプレッソを求めてカウンターを訪れる顧客をよりあたたかくスムーズに迎えられるようになったのです。
E61 の革新性は、そのデザイン面にも色濃く反映されています。それまで縦型が一般的だったボイラーを横向きに設置したことで、カウンター越しのバリスタと顧客のコミュニケーションはより円滑に。プラスチック性のカップウォーマーカバーは、当時の重厚なエスプレッソマシンと一線を画す前衛的なデザインとして脚光を浴び、その後も多くのカフェへと普及していきます。
E61 の存在感は誕生から60 年以上を迎えた現在も色あせることなく、多くのコーヒープロフェッショナルたちを魅了しつづけています。実際にE61を導入するTORIBA COFFEE の店長・池谷さんは、マシンの魅力ついてこう述べます。
「銀座の路面店時代からFAEMA のマシンを利用していたご縁もあり、E61の導入を決めました。E61 の第一印象は『とにかくかっこいい!』の一言に尽きます。お客様だけでなくバリスタも見惚れてしまうほどのデザイン性の高さに、私自身毎日うっとりしながら仕事をしています。抽出の安定感も想像以上です。東京という土地柄、海外のお客様もお店にいらっしゃるのですが、『マシンがかっこいい!』というお声をいただくことも多く、マシンを介して自然とお店に笑顔が生まれることを日々嬉しく感じています」
こうしたマシンの革新性と双璧をなすのがFAEMA のブランディング戦略です。業界のスポンサーシップ戦略の先駆けとなるプロサイクリングチームFaemino-Faema とのメインスポンサー契約や先進的な広告戦略の効果を後押しに、FAEMA は技術面のみならず商業的にも大きな成功を収めます。その後もE91、Emblema をはじめ、数々の革新的なモデルを世に送り出した同社は、テクノロジーとデザインの両面において業界を牽引していきます。
そして創業71 周年を迎えた2017年、FAEMA は新たなフラッグシップモデル「E71」を発表します。同モデルの最大の特徴の一つが、ブランド史上初めて搭載された4.3 インチのタッチスクリーン。この新たなインターフェースによって、蒸らし、プレインフュージョン、エクストラクションの3 工程における抽出のプログラム化が可能になりました。またFAEMA 独自の温度管理システム「GTi」とグループヘッド毎に搭載されたボイラーシステムによって、これまで以上に安定的な抽出を実現。バリスタたちの飽くなきコーヒーへの情熱を一杯のエスプレッソへと昇華させる舞台が整ったのです。
これらの革新的な性能を備えながら、E71 は従来機と比較して40%のエネルギー削減に成功します。同モデルの設計を担当したのは、イタルデザインの創設者でもあるデザイナーのジョルジェット・ジウジアーロ氏。イタリアを代表する工業デザイン界の巨匠が手がけた新たなフラッグシップモデルは、2019 年に世界で最も由緒あるデザインアワードの一つであるグッドデザイン賞を受賞。FAEMA は再び、新たな伝説を世に送り出したのです。
しかしFAEMA がこうした偉業の先に見つめていたのは、エスプレッソマシンを介して人と人が交流する景色でした。E71 の最新モデル「E71E」のユーザーである、Withcoffee のオーナー濵田 孟士さんは、こう述べています。「SCAJ2021 でDKSH さんのブースで一目惚れして導入を決めました。抽出のプログラム化、電源の自動オン・オフ機能 、セミオートでのマシン洗浄、タッチパネル操作まで、エスプレッソマシンの可能性はここまで広がっているのかと衝撃を受けました。エイジングや焙煎度合い、表現の方向性に合わせて抽出レシピの微調整もでき、バリスタが思い描くエスプレッソを忠実に再現してくれる心強い存在であると日々実感しています。
こうした高機能性・高再現性に加え、マシンのビジュアル、カラー、サイズ、どれをとっても本当にハイレベルです。お店としては、背面パネルに大きくロゴを刻印できるのは嬉しいポイントの一つですね。E71E を導入するWithcoffee munakata では、お客様から「マシンに刻印されているWithcoffee のロゴを撮ってもいいですか?」と尋ねられることも多く、そこからコーヒーの話や好きなカフェ、本店のfukutsu 店の話題になったりと、E71E がキッカケとなってたくさんの会話が生まれています」
そして今日、FAEMA はこれまでの主戦場であるコーヒーショップの枠を超え、新たな伝説を描こうとしています。最先端のコーヒー体験をより多くの人々へと届けるべく、家庭やカフェ以外のホスピタリティ空間を対象としたホームエスプレッソマシンFaemina の発売へと乗り出したのです。
Faemina の最大の特徴は、徹底的なユーザーファーストに基づく設計と、コンパクトかつエレガントで洗練されたデザインにあります。同モデルに搭載されたAdvanced Time & Energy Saving システムによって、マシンの起動からコーヒーの抽出にかかる時間はたったの5 分。一定時間が過ぎると自動的にスタンバイモードに切り替わるおかげで、時間に余裕のない朝でも、ゲストが出入りするビジネス環境でも安心して利用できます。
また最高のコーヒー体験をより身近に届けるべく、Faemina はエスプレッソだけでなくフィルターコーヒーの抽出にも対応。ドリップトレイには自由に上下の位置を調節できるUp&Down システムを搭載したことで、デミタスカップからお気に入りのカップまで、その日の気分やドリンクメニューに合わせたカップの選択も可能になりました。
さらにFaemina には水道工事なしで使用できる着脱式ウォータータンクを採用したことでマシン導入へのハードルが下がり、その活躍の場は一気に広がりました。貯水タンクに内蔵された軟化フィルターは、スケール(水垢)を防止するだけでなく、よりクリーンで上質なカップを実現してくれます。E71 に続き、Faemina のデザインを担当したのは「Made in Italy」の代名詞であるイタルデザイン。高いデザイン性が求められるホテルやブティック、アパレルショップといった環境にも馴染みながら、Faemina は新たなデザインアイコンとして洗練された雰囲気を演出します。
モバイルアプリ「Be Faema」と連携すれば、エスプレッソ、フィルターを問わず、心揺さぶる一杯をたったワンタップで楽しむことも。FAEMA の新たな伝説は今日、バールから家庭、カフェ以外の環境へと活躍の場を広げ、コーヒーを介した人々の新たなつながりを生みだしているのです。
ここまで振り返ったFAEMA の歴史は、イノベーションへの飽くなき探究の歩みであることは明らかでしょう。どの時代においても、新たなエスプレッソマシン像を描き続けてきたFAEMA。これからも時代の先駆者として変化と未来を見据えるDNA を継承し、コーヒーを介した新たな人と人のつながりを描いてくれるはずです。
この記事は、Standart Japan第26号のスポンサー、FAEMA × DKSH の提供でお届けしました。
FAEMAのプロダクトにご興味のある方は、日本正規代理店のDKSHのウェブサイトからチェックしてみてください。
]]>Eagle Tempoは、カフェやレストラン、ロースタリーやベーカリーなどに向けてデザインされたプロフェッショナル向けのエスプレッソマシン。Victoria Arduinoの代名詞とも言えるエレガントさと高いデザイン性を兼ね備えながら、効率性の面でも非常に高いパフォーマンスを発揮します。
シンプルなインターフェイスは使用者の習熟度を選ばず、新人バリスタたちの育成もスムーズに。搭載されたタッチスクリーンによってグループヘッド毎に抽出温度の設定ができ、ピーク時などのスピードが重視される環境下でも、さまざまなオーダーやお客さまの要望に応えることができます。またポルタフィルターを外すと自動洗浄が行われるため、最小限のメンテナンスで高いクリーンネスを維持することも可能。牛乳と植物性ミルクを問わず自動でスチームできるイージークリーム機能のおかげで、スチームレバーを押すだけで最高のミルクビバレッジを提供する準備が整います。さらに早く、さらに正確に、さらに効率的に高品質のコーヒーの提供を実現する、それがEagle Tempoの存在意義なのです。
同社のNEO (New Engine Optimization)テクノロジーによって、ボイラーの加熱・保温システムの最適化をおこなったEagle Tempoでは、抽出温度と品質の安定化を実現しました。保温性を兼ね備えたステンレススチール製の同ボイラーは、Victoria Arduinoのスチームバイワイヤーシステムと連携し、内圧2.1気圧のドライスチームに成功。また9リットルの大容量のおかげで、ピーク時にミルクビバレッジの注文が重なった場合も、その生産性は落ちることはありません。特許技術T.E.R.S.をはじめとするVictoria Arduinoの各種省エネテクノロジーによって、Eagle Tempのエネルギー消費量は前モデルWhite Eagleと比べて最大29%カット。使用後の水を予熱用に再利用することで、さらに8%のエネルギー節約を実現しました。
Eagle TempoはWhite Eagleのデザインを継承しつつ、よりミニマルでコンテンポラリーな仕様へと昇華されました。一新されたドリップトレイは、スチーム後も高い清潔感を維持し、グループ下に設置されたLEDヘッドライトは抽出中に均一な照明を提供します。作業中の火傷を防ぐクールタッチを装備した新たなスチームワンドは、大容量のミルクピッチャーを使用する場合に備えて長くなっています。Eagle Tempoのカラー展開は、現在マットブラック、マットホワイト、スチール、ヘリテージ(スチール+バックパネルに黄銅のライン)の4種類。マシンの詳細については、こちらのページもチェックしてみてください。
この記事はStandart Japan第25号のパートナー、Victoria Arduino X トーエイ工業の提供でお届けしました。
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プレイリストのイメージは家族や友だちが休日に昼食を共にしているシーン。「平日ならためらっちゃうけど、休日だし天気良いし昼から飲んじゃおう」ってテンションのときありますよね?
最初はPapoozの「Ann Wants to Dance」を聴きながら、スパークリングワインやアペロールスプリッツでも片手に、チーズやハムをつまみましょう。お酒を飲まない人はコールドブリューとコンブチャを1:1で割ったコーヒードリンクがおすすめ(先日石垣島のカナーンの方に教えてもらいました)。
食事を始めるころには曲も少しメローな感じに移行して、目の前のお皿と会話に集中。ただ、なんとなく会話にうまく入れないときとか、初対面の人がいて何を話したらいいかわからないってこともありますよね。そんなときは音楽に合わせて少し体を揺らしたり、「あれ、この曲って何語なんだろ?」と自分から話を始めてみたり、音楽を味方につけてもいいかも。
12曲目のDanillaは、今号でお話をきいた大西雄季さんが拠点とするインドネシア(バリ島ではなくジャカルタですが……)のアーティストなのでStandartを絡めた話をスタートするにはうってつけです。
食事が終わったら、お待ちかねのコーヒータイム。jan and naomiの透き通ったサウンドをお供に、一緒に食事やコーヒーを楽しめる人たちの存在に感謝しつつ、Meet Your Guestに登場してくれた加納土さん監督作『沈没家族』の主題歌を歌ったMONO NO AWAREのスピンオフデュオMIZの「Midnight in echo room」でコーヒーと食事会のアフターテイストを楽しみましょう。
ちなみにプレイリストには入れられませんでしたが、『沈没家族』の主題歌「A•I•A•O•U」も歌詞含め最高なので別の機会にぜひ聴いてほしいです。
<プロフィール紹介>
奥村 安莉沙さん
広告代理店での勤務を経て、2021年から 「注文に時間がかかるカフェ」を主宰。吃音のある若者が接客業へ挑戦できる環境づくりと吃音への認知拡大に向けて、全国各地で「注文に時間がかかるカフェ」を開催する。吃音当事者としての経験から、同じバックグラウンドを持つ若者たちが自分たちのやりたいことに挑戦できるような社会を目指して活動中。
はじめに「吃音」とは何か、またご自身が吃音当事者であることを認識されたときについて教えてください。
吃音とは、簡単に言うと、話し言葉が滑らかに出ないことのある発話障害の一つです。現在、吃音のある人は日本全国に約120万人いると言われており、これは100人に1人の割合に当たります。
吃音には大きく分けて3つの症状があります。「こ、こ、こんにちは」と音を連続して発してしまう「連発」、「こーこんにちは」と音が引き伸ばされる「伸発」、「....こんにちは」と音が出にくい「難発」。また、頭や手足など体を動かす反動で声を出そうとすることで生じる「随伴症状」と呼ばれる症状もあります。吃音の症状の重さに関係なく深刻な悩みを持つ当事者も多く、吃音の症状、ニーズ、向き合い方は人それぞれです。
私の吃音症に母が気が付いたのは2歳のころでしたが、私自身が自覚したのは小学2年生のとき、友人のお母さんからの指摘がきっかけでした。はじめは何を言われているのか理解できず、人と異なるという理由から吃音を悪いことだと感じてしまい、気がついたら自分がやりたかったことの多くを諦めてしまっていました。今でも吃音の自分が話していいのかなと無意識のうちに後ろ向きな気持ちになってしまうことがあるので、自分のやりたいことをやっていいのだと自分に言い聞かせるようにしています。
なぜ「注文に時間がかかるカフェ」(以下:注カフェ)を立ち上げようと思ったのでしょうか?
もともと広告代理店に勤務していた私は、インバウンド向けに国内観光地のプロモーションを担当していました。しかし、新型コロナウィルスの流行によって空港は閉鎖、訪日観光客はほぼゼロになり、それまでの多忙な仕事中心の生活が一変しました。日々報道される新型コロナウィルスの死者数を耳にするたびに、「自分が本当にしたいことは何なのか?」、「それは吃音という理由で諦めていたのではないか?」と考えるようになったんです。
私の夢は、10代のころから変わらず「カフェの店員」になることでした。それまでは、吃音のある自分が周りの人の目にどのように映るのかを気にして、自分の思いに蓋をしていたんです。でも、皮肉にもパンデミックをきっかけに、自分のやりたいことにチャレンジしてみようと決意しました。
はじめは広告代理店で勤務する傍ら、休日に間借りカフェとして「注カフェ」を始めました。当時は副業のような感覚ではじめたのですが、はじめの1~2回の営業が終わると、全国各地から「私も吃音があるけど接客をやってみたい!」という声をたくさんいただいたんです。その輪がどんどん広がっていき、結果的にオファーをいただいた場所に私が出向き、吃音を持つ学生を集めて接客をしてもらうという現在のスタイルに至りました。
「注カフェ」の活動を通じて会った学生さんの多くは、「吃音で悩んでいるのは世界で自分だけだと思っていた」と口を揃えていいます。その背景には、特に地方に行けば行くほど、吃音当事者が一堂に会する機会はないに等しいという環境的な要因が挙げられます。自分が決まった場所でカフェを開くのではなく、全国各地へ出向いて「注カフェ」を主宰するのはそのためです。
場所、参加メンバーが決まったあとは、どのようなプロセスを経て「注カフェ」が開催されるのでしょうか?
「注カフェ」では、学生たちが自分たちのやりたいことを実現し、参加者同士の良い化学反応が起こることを第一に考えています。そのため、「注カフェ」には固定のメニューや接客スタイルは存在せず、開催内容はその都度異なります。
もちろん私が準備した大枠はありますが、具体的なプロセスを決めるのは参加メンバーたちです。メニュー開発や資金調達なども自分たちで行い、私はそのサポートに徹します。ある回では、地元の特産品を使ったジュースを開発したり、クリエイティブなメンバーが多かった回では注カフェのドキュメンタリー映画を制作したこともあります。
ひとえに吃音当事者と言っても、抱えている悩みはそれぞれ異なります。そのため運営方針を決める段階で、まずは各自が苦手とすることを綿密に共有するんです。たとえば、「ポイントカードをお持ちですか?」といった固定のセリフを言うのが苦手な子がいたことがきっかけで、この回以降の「注カフェ」では固定セリフをなくしました。 集まったメンバーの個性を活かしながら、一つ一つ積み上げていくのが「注カフェ」の作り方です。
カフェというプラットフォームは、吃音当事者の方々の活動の場や吃音の認知拡大という面でどのように機能していますか?
カフェという空間は、とても楽しい雰囲気があってフラッと立ち寄りやすいという面でとても相性がいいと感じています。仮に吃音についてのセミナーや講義などがあったとしても、参加する人は非常に限られると思いますし。さらに接客面でも、アパレル等とは異なり自然にお客さんとの会話が生まれるので、スタッフとお客さん双方にとっても会話へのハードルは低くなります。
カフェで必ずお客さんと会話が生まれることで、新たに見えてきたこともあります。吃音のある人はスムーズに言葉が出てこないので、本人は普通に話しているつもりでも、吃音に馴染みのない人にとっては焦っているように見えるんです。そういった場面で「リラックスしてね」「焦らなくて大丈夫だよ」と声をかけられたり、最後まで話を聞いてもらえず途中で推測して代わりに話されてしまったりすると、吃音当事者は辛い気持ちになります。そのことをお客さんに伝えると、吃音への理解が正しくできていなかったとおっしゃられる方も多くいらっしゃいます。
吃音についての正しい理解は、身近に当事者がいても難しいのではないかと感じることもあります。なぜなら、私たち吃音当事者も吃音であることを隠して生きていることが多く、結果として周囲に理解してもらえないというジレンマが存在しているからです。なかには自分が表現できないモヤモヤの原因が吃音だったということを「注カフェ」に来て初めて気が付いたという人もいました。それほど、社会としての吃音の認知度がまだまだ低いということです。
奥村さんが「注カフェ」を続ける原動力は何ですか?
この活動を続けるなかでの大きな気づきの一つが、「苦手なこと=嫌いなこと」ではないということでした。活動を始めた当時は、吃音があっても接客をしたいと思う自分は物好きで、他の吃音当事者たちは絶対に思わないだろうと思い込んでいました。でも蓋を開けてみると、そこには「人と話すことが大好き」な吃音当事者がたくさんいたんです。
私が子どものころは、家族や周囲の人が吃音について触れないようにしていたことで、かえって強い孤独感につながっていました。でもあるとき、このままでは自分を生きることはできない。自分が自分の人生を生きるためには、吃音当事者であることを伝えていくことが大切であると感じたんです。
今の学生さんたちには、かつての自分のように悩むのではなく、自分がやりたいことに挑戦できる日々を送ってほしい。今の私の活動の原動力とは、そんな心からの願いです。
※公開インタビューの音声を定期購読者限定のオンラインプラットフォームStandart Commuityにてご視聴いただけます。ぜひ合わせてご視聴ください。
]]>Standart Japan 26号では、シンガポールのスペシャルティコーヒーシーンを牽引する「Homeground Coffee Roasters」のコーヒーをお届けします。今号では初の試みとして、2種類のサンプルコーヒーをご用意しています。Homeground Coffee Roastersが焙煎を手掛けたコロンビア産ウォッシュトかニカラグア産ウォッシュト、どちらのコーヒーが同封されているかは本誌が届いてからのお楽しみ。このブログではHomeground Coffee Roastersがおすすめする抽出レシピをご紹介します。
]]>そして今号では初の試みとして、2種類のサンプルコーヒーをご用意しています。Homeground Coffee Roastersが焙煎を手掛けたコロンビア産ウォッシュトかニカラグア産ウォッシュト、どちらのコーヒーが同封されているかは本誌が届いてからのお楽しみです。
以下では、Homeground Coffee Roastersがおすすめする抽出レシピをご紹介します。コーヒーの詳細についてはこちらのページをご覧ください。
同ブランドの共同経営者であるエリシアさんとホーミングさんから読者の皆さんにメッセージも届いていますよ😁
湯温: 91〜93℃
グラインドサイズ: 中挽き (Comandante C40で22〜24クリック)
比率: 1:16
今回のレシピでは、15gのコーヒー粉に対して240gのお湯を使用。
抽出は4つのパートに分けられます。
一湯目:45g / ~0:30
二湯目:110g / ~1:00
三湯目:175g / ~1:30
四湯目:240g / ~2:00
トータルの抽出時間は2:15~2:30が目安です。
30秒の蒸らしの後、二湯目のお湯を65g注ぎ、トータルが110gになるようにします。この際、ダマができないように注意しながら、渦を描くように注ぎます。
30秒後(この時点で1:00)、追加のお湯65gを注ぎ、トータルが175gになるようにします。
30秒後(この時点で1:30)、追加のお湯65gを注ぎ、トータルが240gになるようにします。
湯温: 90〜93℃
グラインドサイズ: 中挽き (Comandante C40で23〜25クリック)
比率: 1:15
今回のレシピでは、15gのコーヒー粉に対して225gのお湯を使用。
抽出は4つのパートに分けられます。
一湯目:45g / ~0:30
二湯目:105g / ~1:00
三湯目:165g / ~1:30
四湯目:225g / ~2:00
トータルの抽出時間は2:20~2:30が目安です。
それでは皆さん、Enjoy!
Homeground Coffee Roastersの皆さん、ありがとうございました😉
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Standart Japan最新号である26号のキーワードは「家族」「ドキュメンタリー」「コーヒー」。近年急成長を遂げるネパールのスペシャルティコーヒー生産の現状や、「双方の顔が見える」コーヒーの世界を目指してインドネシア産コーヒーを日本に届ける大西雄季さんの物語、さらにはドキュメンタリー映画『沈没家族』の監督・加納土さんへのインタビューなど、今号の中身を一足先にご紹介します。
]]>以下では、近年急成長を遂げるネパールのスペシャルティコーヒー生産の現状や、「双方の顔が見える」コーヒーの世界を目指してインドネシア産コーヒーを日本に届ける大西雄季さんの物語、さらにはドキュメンタリー映画『沈没家族』の監督・加納土さんへのインタビューなど、今号の中身を一足先にご紹介します。
ネパール
ヒマラヤ山脈を有するネパールで急成長を遂げるスペシャルティコーヒーシーンの現在に迫ります。
Meet Your Producer
現地の生産者とともにインドネシアのコーヒーを日本に届ける大西雄季さん。彼女が目指す「双方の顔が見える」コーヒーの世界とは。
去年ノ夏、何ヲ冷凍シタカ知ッテルゾ
コーヒーの冷凍保管は世間の評判ほど効果があるのでしょうか?各分野のエキスパートたちにその真相を尋ねました。
Meet Your Product Designer
世界最高峰のコーヒーツールの開発・設計を行うプロダクトデザイナーのダグラス・ウェバー氏のデザイン哲学について伺いました。
カフェ・ボルゲッティ
イタリアのサッカーファンの間で親しまれる伝統的なカフェイン飲料、カフェ・ボルゲッティ。アルコールであり興奮剤、サッカーファンにとってのお守りでもあるその飲み物の正体とは。
母体と果実
高品質なコーヒーの果実がなるのは、健康なコーヒーノキのみ。母体となるコーヒーの樹体の健康ほど、コーヒー豆の品質を左右する要因はありません。
カップを見つめて
食器棚に並べられた大量のマグカップが宿す家族の物語を紐解きます。
従業員は家族なんかじゃない
企業のトップや上司が従業員を「家族」と呼ぶとき、その言葉は何を意味しているのでしょうか?この長編エッセイでは、職場に持ち込まれる「家族」の2文字が孕む危険性に迫ります。
シャウト
海外でのバリスタ経験を経て、現在はプロデューサー兼クリエーターとして活動する安田直樹さんが、日本のコーヒー業界で軽視される「水」についてもの申す。
ハグの館
ポルトガルのコーヒーショップBunaを訪れたら、きっとこの場所に集う個性豊かな人々があなたの来訪を歓迎してくれることでしょう。
見過ごされるものたち:旅の途中
Overview Coffee Truckが体現する、新たな「旅の終着点」としてのカフェの役割。長い旅路の果てに注がれる一杯のコーヒーは、私たちの意識の改革を促す物語を秘めているのです。
Meet Your Guest
ドキュメンタリー映画の制作を通じて、かつて自身が過ごした共同保育のルーツを探った映画監督の加納土さん。彼が考える、アメーバのように開かれた家族のカタチとは。
バルセロナ
旅の最後に、カタルーニャの州都でありヨーロッパ有数のコーヒーコミュニティが根付くバルセロナの街を歩きませんか?もちろん、コーヒーも忘れずに。
今号のメインスポンサーは、常に時代のパイオニアとして新たなエスプレッソマシン像を描いてきたFaema。創業時から変化と未来を見据えるDNAを継承し、テクノロジーとデザインの両面において業界を牽引してきた同社の歩みと、最先端のコーヒー体験の先に描き続ける人々のつながりについてご紹介します。さらに今号は、千葉県船橋市を拠点に業界の最前線に立ち続けながら国内外へコーヒーを届けるPhilocoffea、スピーディーな環境にぴったりの新しいエスプレッソマシンEagle TempoをリリースしたVictoria Arduino x トーエイ工業株式会社、コーヒー愛好家も唸る最高峰のエントリーモデルEncore espを発表したBARATZA x Brewmatic、使用者のニーズと用途に合わせた最高のグラインド体験を約束する電動グラインダーLAGOMを手掛けるOPTION-O x R&D ESPRESSO LAB、日本とアジアの実力派ロースターのコーヒーを気軽に楽しめる国内最大級のスペシャルティコーヒー越境ECモールHeirroomがパートナーを務めてくれました。ありがとうございます!
Standart Japan第26号のサンプルコーヒーを提供してくれたのは、シンガポールのスペシャルティコーヒーシーンを牽引する「Homeground Coffee Roasters」。そして今号では初の試みとして、2種類のサンプルコーヒーをご用意しています。Homeground Coffee Roastersが焙煎を手掛けたコロンビア産ウォッシュトかニカラグア産ウォッシュト、どちらかひとつが同封されて本誌と共に届きます。お楽しみに!
コーヒーの詳細はこちらをチェックしてみてください。
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ネットバブルの時代に思春期を迎え、高校在学中からフリーランスのウェブデザイナーとして活動していたPostCoffee代表の下村 領さんは、当時メディアを賑わせていた起業家の姿を見ながら、いつか自分も……と思いを募らせていました。大学進学と同時に故郷の鹿児島県を離れ上京するも、その目的は学業ではなかったといいます。
「東京に行けばウェブ制作やデザインの仕事を本格化できると確信していました。でも高校卒業後に手ぶらで上京、というわけにもいかず、親を説得するための手段として大学進学を選びました」
進学から2年が経つと当初の目論見通り、学業から離れてHERETICを設立。それから16年もの間、上場企業を含むさまざまなブランドに、ウェブ制作やオンラインマーケティングの戦略策定・実施などのサービスを提供していました。「缶コーヒーばかり飲む”自称コーヒー好き”だった」とおどける下村さんは、渋谷区富ヶ谷にあったオフィスの周辺で次々に開店するカフェを訪れるようになり、そこでスペシャルティコーヒーに出会います。
それまでは「コーヒー」という単一のラベルで捉えていたものが、幅も厚みもあるものだと気づき始めるや否や、自宅やオフィスでも自分で豆からコーヒーを淹れるようになっていきました。
「一旦のめり込むと時間もお金も妥協しない」という下村さんは、当時日本では取り扱いがなかったオランダのメーカー、キースファンデルヴェステンのエスプレッソマシンを個人で輸入し、オフィスを改装しカフェ兼コワーキングスペースのMAKERS COFFEEをオープンします。「以前の自分のようにコーヒーを画一的に捉えている人がコーヒーの楽しさに気づける場を作ることが目的でした」。そこで現在も付き合いのある、コーヒーのプロたちと出会いますが、カフェは3年ほどの営業期間の果てに閉めることを決断します。
「ビジネスとして利益を生み出してはいましたが、ウェブのスピード感に慣れていた私にとって、アイディアを形にするまで、そしてお客さんからの反応を得るまでの期間がとてつもなく長く、もどかしさを感じていました」
それまでに培ってきたデザインやテクノロジー、マーケティングのノウハウを活かし、おいしいコーヒーをより多くの人に、よりスピーディーに届けるためにはどうすればいいのか——たどり着いたのがコーヒーを定期便のかたちで届けるPostCoffeeのアイディアでした。
「2019年にβ版としてリリースしたアプリは、現在とは少し違ってスペシャルティコーヒーをできるだけ手軽にオンライン購入できる、コーヒー版Amazon Dash(ボタン式の小型専用デバイスでネット注文できるサービス)のような存在を目指していました」と当時を振り返る下村さん。しかし1年足らずで方針転換を余儀なくされます。「ECやスペシャルティコーヒーに興味がある人には好評でしたが、やがてカフェインを摂取するために缶コーヒーを飲みまくっていた以前の私のような人には、リーチできないとわかりました」
PostCoffee創業のきっかけを改めて振り返るなかで浮かび上がってきたのは、コーヒーそのもののおいしさだけでなく、「コーヒーがある生活」で感じた喜びだったと下村さんは言います。
「コーヒーを淹れる習慣ができたおかげで、心の余裕が生まれたり、趣味のキャンプの時間がさらに充実したりと毎日の生活が底上げされたような感覚があったのを思い出し、自分がスペシャルティコーヒーの販売を通じて人に届けようとしていたのはこの感覚だったのだと再認識しました」
コーヒーに詳しくない人でも好きなコーヒーにすぐに出会えるよう、専用のアプリからブラウザへと舞台を広げ、30万通りの組み合わせからその人にあったコーヒーを提案できるコーヒー診断機能を導入し、2020年2月に正式版をリリース。
奇しくもリリースと時を同じくして新型コロナウイルスが猛威を振るい、2か月後には首都圏を中心に緊急事態宣言が発令されました。日本中の誰もがライフスタイルや働き方の急激な変化を強いられるなか、少しでも生活の質の維持・向上を応援ができないかと考えたPostCoffeeチームは、コーヒーボックス1,000箱の無料配布を決めます。
「当時の従業員は私を入れて4人、そこにアルバイトのスタッフが数名という体制だったので、正直自分たちの首を絞めるだけでした。でも今振り返っても、あのタイミングしかなかったと胸を張って言える挑戦でした」
無料配布が奏功し数々のメディアに取り上げられ、コーヒーのサブスクリプションサービスという概念、そしてPostCoffeeの名が知られるようになっていきます。
正式版のリリースから1年が経過する頃には、β版と比較してユーザー数は25倍、コーヒー診断の利用回数は30万回以上と右肩上がりの成長をとげたように映りますが、ここで再びPostCoffeeは新たな領域に踏み出します。
それまで自社焙煎のコーヒーを販売していたかれらの次の挑戦は、国内のロースターから購入した焙煎豆の販売——そのきっかけはユーザーの声でした。
「ユーザーアンケートから他のロースターのコーヒーも飲んでみたい、という声が多数聞かれたのが発端です。そこで顔見知りのロースターに話を聞いてみたところ、自分たちでECや定期便に取り組んでいながらもあまり数が伸びず、発送準備に時間と労力がとられて困っているお店が少なくないと分かりました。それならPostCoffeeのプラットフォームと顧客基盤を使ってもらえばいいのではないかと考え、EC部門を2021年にスタートさせます」
一見、PostCoffeeにはメリットがあまりないように見えるこの挑戦の狙いについて、下村さんは次のように説明します。
「ロースターは競合ではなく協同相手、なぜならまだスペシャルティコーヒーの市場はまだまだ小さいからです。他ブランドと手を組めば、ユーザーにとっては触れられるコーヒーの幅が広がるし、私たちとしてはPostCoffee全体としての体験が向上するので実は三方良しなんですよ」
次なる目標に見据えているのが、オフラインへの進出です。日本の食品・飲料のEC化率は未だ4%未満といわれ(経済産業省「令和3年度 電子商取引に関する市場調査報告書」)、今後はコーヒーイベントの開催や百貨店をはじめとする商業施設へのポップアップ出店などを計画しているそうです。
「どこかに常設店舗を置くよりも、飛び道具的にオフラインの場に進出してPostCoffeeのことを知ってもらうことに注力していきます」——そこまで広さ、規模にこだわる理由はなんなのでしょう?
「究極的には『PostCoffeeを利用している自分』を好きになってもらいたいんです。何かに興味を持つこと、自分の”好き”を知ることって回り回って自分自身への自信に繋がると私は考えています。そうやってコーヒーを通じて生活を、人生を豊かにすることがPostCoffeeの狙いなんです。生産地からコーヒー業界を変えようとする人がいれば、焙煎から、抽出から同じ山頂を目指す人もいる。PostCoffeeはそれぞれのプロと手を組みながら、消費のあり方を変えることでコーヒー業界にポジティブな変化をもたらしていきたいです」
この記事は、Standart Japan第25号のスポンサー、PostCoffee の提供でお届けしました。
PostCoffeeにご興味のある方は、こちらからチェックしてみてください。
]]>※2050年問題とは一般に、世界で消費されるコーヒーの約7割を占めるアラビカ種の栽培に適した土地が、気候変動の影響によって2050年には半減するという予測のことを指します。詳しくはこちらのブログ記事をご参照ください。
様々なメディアで報道されているコーヒーの2050年問題ですが、ブラジルのコーヒー生産シーンでは、気候変動等によるコーヒー生産への影響はどういった場面で生じていると感じますか?
特にここ数年、気候変動による影響を痛感することが増えています。たとえば、4年前から平均気温が2℃上昇した結果、灌水設備を完備しているにも関わらず収穫量が3割減してしまった農園もあります。
収穫量だけでなく、カップの味わいの面でもスペシャルティコーヒーを探すことに大変苦労することが増えてきました。これまでと比べ、アフターテイストに雑味や渋味が感じられ、やせた豆の混入率が多かったのです。こういったカップの問題は特に標高の低い農園で多い傾向にあり、逆に標高1,150メートル以上の農園では比較的影響が少なかったように感じます。スペシャルティコーヒーの生産における温暖化の影響は、比較的標高の低い農園で受けやすいとも言われています。
従来では温暖化が加速しても灌水設備があれば「ある程度問題なくコーヒーの生産ができる」という楽観的な考えが大半だったブラジルの生産地ですが、1,000メートル以下の農園では灌水設備を完備していても、残念ながら収穫量、クオリティ共に落ちる傾向でした。
ブラジル国内では2050年問題に向けてどのような取り組みが行われているのでしょうか?
2022年11月にエジプトで行われたCOP27の結果を受けて、ブラジル政府は気候変動対策へ取り組む姿勢を示しているものの、実際に現場企業が取り組んでいるという例は少ないのが現状です。政府が掲げる二酸化炭素の排出量の削減目標はありますが、企業に対する規制等は無く、SBT(Science Based Targets)に取り組む大企業はありますが、現時点では法での規制も特にありません。
そこで注目されるのがCe Cafe輸出組合。同組合には、コーヒー栽培がどの程度二酸化炭素が排出しているのかをブラジルの認証機関、イマフローラ社に依頼して調査してもらったレポートがあります。こちらは一般的の生産者ではなく、減農薬グループと呼ばれる雑草を伸ばし切ってから刈るなど、減農薬に取り組んだ生産者を対象とした調査で、一部の地域では1ヘクタールに対して10トンの二酸化炭素を排出するという結果が出た一方、他の地域ではコーヒー栽培は二酸化炭素の排出がマイナスになるというデータが出たことを受けて、セラード地域のモンチカルメロの組合(モンチセーロ)ではゼロカーボン(二酸化炭素排出ゼゼロ)を提唱しています。
その他にも、下記を主軸にしたRegenerative Agriculture認証(再生農業認証)をコーヒー界では初めて、ブラジルの生産者が認証を取得したという実績もあります。
セラード珈琲のブラジル事務所でも、この問題に向けた様々な取り組みをされているそうですね。それぞれについて詳しく教えていただけますか?
セラード珈琲では現在下記の3つの取り組みを実施しています。
1.温暖化対応品種への約10年間の研究
温暖化に対してはハイブリッドチモールなど、低地栽培可能で温暖な場所でも育つロブスタの系統が入っている品種は、耐性があるのではないかと注目しています。たとえば、IAC125品種(ビジャサルチ+ハイブリッドチモールの掛け合わせ)などは比較的温暖化に強いと感じています。セラード珈琲では現在、IACが開発した品種改良の中でも比較的耐久性のある品種をセレクトして研究を進めていますが、データを見る限り現在よりも気温が2℃高かった4年前と比較しても、影響がほとんどなかったと感じています。
実際、試験栽培に共同で取り組んでいるサンジョングランジ農園ではブルボン品種には気温上昇による影響があったものの、隣の温暖化試験品種エリアの品種は無事だったという品種改良の成功事例もあります。
2.土壌活性化の為の微生物へのアプローチとそのノウハウの農園への伝授
現在ブラジルでは森林の微生物を育てて農園に散布するという動きが注目されています。私たちには、ジャガイモ品種である馬鈴薯にボカシ肥料(微生物の活用)という日本特有の肥料を活用することで、栽培が継続できるようになったという、弊社社長の山口の父である、故節男の経験があります。これは森の微生物を培養し栽培に活用する方法で、微生物を作物に入れる事によって、減農薬そして化学肥料の削減に成功。セラード珈琲ではこのノウハウをコーヒーに活用しました。
私たちが注目したのは、ベウベリアと呼ばれるブロッカ(コーヒー豆の虫食い)を駆逐してくれるカビは元々ブラジルで発見されたカビ。一般的な農園では殺菌剤を大量に使用してコーヒーを栽培しているため、ベウベリアは殺菌剤を使用する段階死んでしまい、ブロッカの駆除効果が薄くなってしまうのです。そこで、微生物を活用することで有機肥料の使用量を増やし、さらに殺菌剤使用時に使われていた窒素の排出を防ぎ二酸化炭素の減少に努めました。セラード珈琲ではこのノウハウを持ち啓蒙活動を続けるブラジル・ブラジリア国立大学教授トミタ・セルソ先生の考えを広める活動をしています。私たちの仲間の生産者、ジウ・セザール・デ・メロも再生農業の認証は取得できましたが、微生物の利用が再生農業での大きな結果につながるため、現在セルソ先生のプログラムを受けています。
3.セラード地域だけでなく、他のブラジル有名産地への出張コンサルタント
セラード以外の地域では、マッタス・デ・ミナスの生産者やスル・デ・ミナス地域APAS組合、バイ―ア州ピアタン組合の生産者達に定期的な出張コンサルタントを行っています。
地域が抱える問題には、下記のような差異があります。
また、マッタス・デ・ミナス地域やスル・デ・ミナス地域の灌水設備が無い農園では、他の農園と比べ温暖化の影響が大きいため、再生農業や微生物の活用を勧めています。セラードコーヒーブラジル事務所のスタッフだけでは限界があるので、先ほどもお話ししたセルソ先生のお力を借りながら、各地域にコンサルタントを派遣しています。再生農業や微生物の活用について、多くの生産者はポジティブに捉えられてくれていますが、まだ微生物の力を理解出来ない生産者も多いという現状があるので、科学的根拠と成功事例を基に、啓蒙に努めたいと考えています。
セラード珈琲のコーヒーの2050年問題に対する思いを聞かせてください。
近年業界で注目を高めている2050年問題ですが、私たちはこの問題に対して先見の明を持ち逆算して動いてきたわけではありません。先述の研究結果も同様です。予期せぬ収穫量の減量や、これまでスペシャルティコーヒー栽培に成功してきた生産者達が突如としてカップクォリティの低下を起こし、我々の求める基準に達しなかった際に、生産者や輸出業者と時には喧嘩しながらも、ディスカッション繰り返してきた結果です。
その中で再生農業の先進的な伝道師であるセルソ先生と出会い、ブラジルの有力な栽培地域にスタッフを派遣して、徐々に再生農業考えを広めている最中です。再生農業は土壌を豊かにし本来の多様性に富む土壌に戻し、土の保水性も上げ、温暖化による旱魃への有力な対抗策となりえます。
正直、このような取り組みは直接企業の利益につながることは少なく、本来であれば我々のような中小企業が積極的に行う事ではないと自覚しています。ですが、我々はブラジルの土地が生み出す素晴らしいスペシャルティコーヒーを未来に繋げる事が出来るよう、ミナスジェライス州立ウベランジャ大学と共同で研究を続けながら、ブラジル事務所スタッフの研修も引き続き進めています。株式会社セラード珈琲は今年35周年を迎えますが、昔も今も生産地と輸出業者の声に耳を傾けながら、共に研究し課題に対処する姿勢は2050年も変わらないでしょう。
この記事は、Standart Japan第25号のパートナー、セラード珈琲の提供でお届けしました。
]]>信頼できる『生産者』にフォーカスを当ててその土地でしか生まれない唯一無二の味を買い付け、それぞれのストーリーを持つグリーンコーヒーを日本のロースターへと届けるSYU・HA・RI。Standart Japan第25号のパートナーを務めてくれました。同社のチームメンバーであるマルシア・ヨーコ・シモサカさんに、カッパーとしてのご自身の役割、そしてSYU・HA・RIの買い付けについてお話を聞きました。
]]>Standart Japan第25号のパートナーを務めてくれた同社のチームメンバーで、今年のワールドバリスタチャンピオンに輝いたブラジル代表のBoram Umさんのコーチも務めたマルシア・ヨーコ・シモサカさんにカッパーとしてのご自身の役割、そしてSYU・HA・RIの買い付けについてお話を聞きました。
これまでのご経歴、現在のお仕事、そしてSYU・HA・RIではどのような役割を担われているかなど、ご自身について教えてください。
私は日本でも知名度が高いシモサカ農園の子女として生まれ、大学卒業後からコーヒーに携わるようになり、この業界に入ってかれこれ15年以上になります。有名なコーヒー農家をルーツに持つものの、私は生産者としてではなく父の営むコーヒー農業のコンサルティング会社でコーヒーキャリアをスタートさせました。
父の会社では品質管理であるカッピングに初めて触れ、一杯のコーヒーが一人の生産者と世界をつなぐことの素晴らしさを実感し、コーヒーの生産国と消費国との真のつながりを作るため、カッピングについてさらに学び、理解しようと決めました。
父の会社を辞めた後は、ブラジルのコーヒー関連会社で講師として働き、その後SYU・HA・RIに入社するまでの5年間、「コーヒーハンター」でお馴染みの川島 良彰氏のアシスタントを務めました。現在はSYU・HA・RIで働きながら、2023年のワールドバリスタチャンピオンのBoram UmとともにブラジルのFazenda Umでも働いています。
私のSYU・HA・RIでの役割は生産者とロースターを繋ぐことです。私自身の夢を日々実現できるこの仕事は、本当に素晴らしい仕事だと感じています。
マルシアさんはSYU・HA・RIにとって欠かすことのできない存在だと伺っています。SYU・HA・RIチームに参加しようと決意された背景にはどのような思いがあったのでしょうか?
弊社代表の辻本とは2018年にブラジルで開催されたWorld Coffee In Good Spirits Championshipの日本代表のサポートチームのメンバーとして初めて会いました。
厳しいトレーニングの最中、私たちはお互いのキャリアや夢、将来について語り合い、非常に刺激的な時間を過ごしました。彼は日本へグリーンコーヒーを輸入する会社を作ることが夢なのだと、その時に話してくれました。まだ無名でも高品質のコーヒーを生産している生産者に、日本のコーヒー市場に参入するチャンスを作り、また中小規模のロースターに良質なコーヒーが買える機会を作るんだと。
その時彼は、将来的に会社を設立する時は必ず私に連絡すると言ったんです。そして確かパンデミックの渦中だったと記憶しています、約束通り辻本から私宛にメッセージが届き、「グリーンコーヒーをインポートする準備ができたから、今すぐにでも始めよう」と言われました。私はその場で迷うことなく彼と仕事することを決め、はじめはブローカーとして、そして昨年からはチームの一員としてのオファーを正式にもらい、現在はSYU・HA・RIチームのメンバーとして働いています。
ブラジルや中米でのコーヒー買い付けに同行されているそうですね。買い付けの際はカッパーとしてどういったことを心掛けていますか?
カッピングは、生産者とバイヤーの双方にとって非常にセンシティブな時間です。ですので、私の仕事は両者にとって透明で最適な環境を作ることです。生産者はバイヤーに自分が作った最高のコーヒーを見せ、バイヤーは自分のコーヒーショップやロースターで使用したいコーヒーを買う。
それを念頭に置いた上での私のカッパーとしての仕事は、ディフェクト(欠点)のあるコーヒーカップや、バイヤーが好まなくてもエキゾチックで素敵なコーヒーがあれば、それをしっかりと指摘することです。どのロースターも自分たちの個性を出したいので、どうしても個人の好みが反映されがちです。コーヒーの酸味自体を好む人もいれば、フルーティーなフレーバーを好む人もいるといったように。ふるいから落とされてしまったコーヒーは決して質が良くなかったわけではなく、単に好みではなかっただけということなんですよ。
そして生産者に対しても、日本のバイヤーがどのようなマインドを持っているかを伝えるようにしています。ご存知かどうかわかりませんが、コーヒー生産者にとって日本のバイヤーは世界でも最も厳しい顧客なんです。
コーヒーの買い付けにおけるゴールはどこにあると思いますか?
信頼できる生産者からコーヒーを買い、バイヤーも喜んでお客さんに販売する。コーヒーの買い付けは、コーヒーの価値あるサイクルを生み出すことそのものです。
生産者側からすれば、自分の仕事を知り、その仕事に価値を与えてくれる人にコーヒーを販売できることに満足できるでしょうし、バイヤー側からすれば、インポーター・ロースターにそのコーヒーを提供することで生産者のストーリーをより明確に伝えることができ、コーヒー販売への情熱を高めることができます。
私たちの仕事のゴールはこの価値あるサイクルを作り出すことだと思っています。
直近では今年のワールドバリスタチャンピオンに輝いたBoram Umさんのコーチもされたそうですね。グリーンバイヤーやカッパーとしてもご活躍されるマルシアさんがコーチとしてチームに加わることで、どのような点でメリットがあったと思われますか?
この質問はチャンピオン自身に聞いた方がいいでしょうね(笑)。
ですが経験のあるカップテイスターとして、またグリーンコーヒーのテイスターとしては、数ある選択肢から彼の選び得るコーヒーに異なる視点を与え、コンペティションコーヒーが持つあらゆる可能性を探求できるようサポートできたのではないでしょうか。
カッパー、バイヤー、競技会の審査員、コーチなど、川上から川下まで幅広いコーヒーシーンに携わるマルシアさんが考える、コーヒープロフェショナルに必要なマインドを教えてください。
コーヒーは誰にでも楽しめる嗜好品ですが、同時に競争が激しいのも事実です。コーヒー業界では誰にでも自分の目標を達成するチャンスがありますが、集中力、一貫性、そしてオープンマインドでなければなりません。
SYU・HA・RIには、このような価値観が芯の部分にあると私は感じています。私たちは自分たちがすべきことをしっかりと理解し、毎年異なるコーヒーを探し続け、様々な生産者にそれぞれが生産したコーヒーを世界に紹介する機会を与えます。常に新しいコーヒーとの出会いに対してオープンマインドであることが重要なんです。
この記事は、Standart Japan第25号のパートナーSYU・HA・RIの提供でお届けしました。
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日本の健康やウェルネス(肉体的な健康だけでなく、精神的、社会的、環境的な要素まで捉えた包括的な生活の質を指す)に対する国家的な取り組みの歴史は長く、100年以上前にすでに国立健康・栄養研究所が設立されていました。この機関はあらゆる食物の栄養データを収集し「誰も取り残されない」栄養政策を国家レベルで確立させました。また、ユネスコ無形文化遺産にも認定されている「和食」は、栄養バランス、食材の旬などの物理的な要素と、自然の恵みへの感謝や尊重など、社会的な側面を含む情緒的なウェルビーイングに重きを置いています。
こうした歴史的、文化的な積み重ねを土台とし、現代の日本ではますます健康とウェルビーイングに配慮した食品・飲料が好まれる傾向にあります。2021年の日本におけるパッケージ食品の売上に占めるヘルス&ウェルネス食品の割合は約13%に達し、2016年から平均で年0.7%で成長しています。さらに2026年までには年1.6%まで成長速度が加速すると予想されています1。また新型コロナウイルス感染症の影響で、より健康的な生活習慣と病気の予防に対する関心が増し、食品に貼られたラベルと栄養表示をチェックする消費者は増えています。
そんななか、2011〜2016年の5年間に少なくとも101人がカフェインの過剰摂取により病院に搬送されていたと日本毒性学会が2017年に発表し、コーヒーを含むさまざまな飲み物のカフェイン含有量へも目が向けられるようになりました。ちなみに搬送された人の多くはカフェイン錠剤を服用しており、中にはコーヒーやカフェイン入りエナジードリンクと併用していた人もいたそです。
カフェインの過剰摂取は珍しいケースではあるものの、カフェインの摂取量に注意を払う人は増え、コーヒーを楽しみながらもカフェインの取り過ぎによる身体への悪影響を避けるため、代替品を選ぶようになりつつあります。かつては、健康上の理由がある人が仕方なく飲むイメージの強かったカフェインレスコーヒーですが、質が高まり選択肢が増えたことと、よりヘルシーなライフスタイルが実現できることから、年代を問わず飲まれるようになってきました。カフェインレスコーヒーを飲む40歳以下の人を対象にした2021年の調査2では、回答者の60%が直近2年以内にデカフェを飲み始めたことがわかりました。その回答者がデカフェを飲む主な理由として挙がったのが「不安の解消」「睡眠の質の向上」でした。また全日本コーヒー協会よると、諸外国と同様、カフェインレスコーヒーの輸入量はパンデミックで物流に混乱が生じた2020年を除き、2018年から毎年増加しています。同期間中のカフェインレスコーヒーの市場規模は年平均14%もの成長率を見せ、コーヒー全体に占める割合も倍増しています。
さらに複数の研究により、カフェインレスコーヒーでも、カフェイン入りのコーヒーと同様の健康増進効果が期待できると分かっています。つまりデカフェコーヒーにも、がん、心臓病、脳卒中、糖尿病などの長期的なリスクを低減する効果があるとされているのです。これは、コーヒーに含まれているポリフェノールやクロロゲン酸といった化合物が、カフェインを抜いた後も成分としてコーヒーに残っているためです。
日本では塩化メチレンを使用したカフェイン除去方法が法律で禁止されているため、スイスウォーター®プロセスのような化学薬品を使用しない安全な処理技術が普及しています。この弊社独自のカフェイン除去技術では、化学物質を一切加えず、水、温度、時間を管理して、カフェイン残存率が0.01%になるまでカフェインを除去します。スイスウォーター®プロセスなら、それぞれの産地が持つコーヒーの個性を損なうことなくカフェイン除去でき、デカフェであることさえ気づかなかったというお客様の越えも多く聞いています。2020年にはカナダのコール・トロデさんが、スイスウォーター®プロセスでカフェインを除去したラパルマ・イ・エル・トゥカン農園のゲシャ種でのカナダバリスタチャンピオンシップに挑戦するなど、協議会でも通用するカフェインレスコーヒーが生まれています。
ウェルネスに認知拡大とともに、高品質なカフェインレスコーヒーの選択肢もますます増えていくでしょう。スペシャルティコーヒーの分野では、これまでもスイスウォーター®プロセスで高品質なデカフェを提供してきましたが、近年では、インスタントコーヒーから缶、ペットボトルのアイスコーヒーまで、幅広い種類のカフェインレスコーヒーが、スーパー、コンビニ、自動販売機など様々な場所で販売されています。カフェインレスコーヒーを扱うロースターやメーカーにとっても、パッケージの表示を見て購入する健康志向な消費者が増える日本では、私たちスイスウォーター®プロセスのような質の高いデカフェを使用しているということは、一つのアピールポイントとなるのではないでしょうか。
この記事は、Standart Japan第24号のパートナー Swiss Waterの提供でお届けしました。
Swiss Waterの過去の記事も気になる方はぜひ。
2 Hanover Research, Path to Purchase customized study for Swiss Water Decaffeinated Coffee Inc., 2021, U.S. n=564
]]>すでにお気づきのとおり、この度Standartのロゴと紙面デザインが一新されました。これは、コーヒーにまつわる多様な物語を表現するという、創刊当時からの目標をより効果的に実現するため、半年間、社内外の人たちと協力した結果です。
ロゴには少し変わった形をした「R」と、ゆったりした文字間のスペースが特徴のサンセリフフォントを使用し、これまでよりもアプローチしやすい雰囲気を目指しました。
表紙や記事に用いられるビジュアルなど雑誌全体の色彩は、生産地ごとに大きく異なるコーヒーのフレーバーから着想を得ました。その結果、コーヒーの世界の風味豊かなスペクトルを称える、印象的なカラーパレットが生まれました。さらにこれまでよりも写真をはじめとする視覚的要素を際立たせ、全体的な読書体験の向上を目指しました。
新しいデザインの影響は雑誌の見た目だけに留まりません。判型の変更(第24号からの変更)によって印刷用紙を効率的に使えるようになった結果、版の量が減り、それに伴って原材料や印刷時に使用されるエネルギーを節約することができました。節約できたエネルギーをどうしたかというと、読者の皆さんへ還元すべく、20ページほどページ数を増やしてボリュームアップしました。雑誌が以前より分厚くなったのに気がついた方も多いのでは?
個性的かつ大胆でありながら、親しみやすく楽しく。
タイポグラフィ上の大きな変化の一つが、コーヒーに入れたミルクのように自由に漂う記事タイトルです。これは遊び心ある視覚的要素として、また文字に集中するうちにつまってきた息を一旦はきだす休憩所として機能しつつ、前後の記事をゆるやかに結びつけています。
新デザインの開発に携わってくれたタイポグラファー・グラフィックデザイナーのセバスチャン・カンポスさんは、今回私たちが採用したグリッドシステムについて次のように語っています。
「STANDARTというの8つの大文字がページの幅を等間隔に分割し、定規や秤といった計量器を視覚的に示唆しています。
そしてそれを縦に繰り返すことで、ページの高さも等間隔に分割され、空間を表す座標系が示唆されています。
最後に、すべてのタイトルを構成する文字は、地図上の地点のようにゆるやかに配置され、その空間の輪郭を描きだし、読者の居場所を視覚的に伝えるのです」
と、細かな点を数々ご説明しましたが、新デザインを通してやりたかったことは、これまで以上にポジティブで創造的な読者体験を皆さんに提供することです。私たちは好奇心こそが有意義な変化の原動力であると信じています。雑誌を通じて読者の皆さんにもコーヒー、そしてその周りの世界を探求し続けてほしいのです。
それでは皆さん、お気に入りの一杯を手にゆっくりと椅子に腰掛けたら、新しいデザインのStandartと一緒に、すばらしいコーヒーの世界を堪能しましょう。
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Standart Japan 第25号には、ベトナム中部高原のダラット郊外にあるランビアン山で Lang Biang Coffee Projectによって生産されたエアロビック・ナチュラルがついてきます。この豆を焙煎してくれた東京の清澄白河にあるアライズコーヒーロースターズのオーナー林 大樹さんが、ランビアンのコーヒーを美味しく淹れる抽出レシピを3つのドリッパーでおすすめしてくれました。
]]>Standart Japan 第25号には、ベトナム中部高原のダラット郊外にあるランビアン山で、コーヒー生産に取り組む山岡 清威さんと少数民族K'ho族のPatさんが中心となり立ち上げたプロジェクト「Lang Biang Coffee Project」のコーヒーがついてきます。
山岡さん自らが手がけたエアロビック・ナチュラルのマイクロロットを焙煎してくれたのは、東京の清澄白河にあるアライズコーヒーロースターズさん。
以下では、アライズコーヒーロースターズのオーナー林 大樹さんがおすすめする抽出レシピをご紹介します。コーヒーの詳細についてはこちらのページをご覧ください。
林 大樹さんが、今回のサンプルコーヒーを淹れるおすすめレシピを、三つの異なるドリッパーでご紹介してくれました。
LANGBIANG COFFEEの持ち味を存分に楽しむフルボディのしっかりした味わい。ARiSE COFFEE 店の味。
果実の甘みを感じる雑味のないすっきりとした優しい味わい。
うまみたっぷりのオイルを楽しむ上質な酸味を含むフルーティーな味わい。
……3つの抽出レシピを記載しましたが、林さんから以下のコメントをいただいています。
👆 自分で抽出する時の理想を書き出してみましたが、
「ああ!蒸らしが!時間がズレたぁ!」とか
あまり気にし過ぎずに気楽にやりましょう。
スケートボードもコーヒーもまずは楽しむ事が一番大事だと思っております!
そこまで神経質に扱わなくても美味しいランビアンコーヒーです。あまり気負わず、楽しみましょう!
それでは皆さん、Enjoy! 林さん、ありがとうございました😁
▷ Lang Biang Coffee Projectに関する情報はこちらから
▷ 最新号のサンプルコーヒー関する情報はこちらから
]]>今号のキーワードは「即時一杯」「スヌーズ」「コーヒー」。この記事では、民間主導の一大プロジェクトで環境再生とコーヒー産業拡大を図るモザンビークの現状や、カフェイン抽出技術の民主化を目指すストーリーラインの岩井 順子さんのキャリア、会話が生まれる公共空間としてのカフェを志向するアライズコーヒーロースターズの林 大樹さんの物語、さらにはアルファロメオ所属のF1 ドライバー、バルテリ・ボッタスさんのインタビューなど、3年ぶりのリデザインを経て、生まれ変わったStandartの最新号の中身を一足先にご紹介します。
]]>以下では、民間主導の一大プロジェクトで環境再生とコーヒー産業拡大を図るモザンビークの現状や、カフェイン抽出技術の民主化を目指すストーリーラインの岩井 順子さんのキャリア、会話が生まれる公共空間としてのカフェを志向するアライズコーヒーロースターズの林 大樹さんの物語、さらにはアルファロメオ所属のF1 ドライバー、バルテリ・ボッタスさんのインタビューなど、3年ぶりのリデザインを経て、生まれ変わったStandartの最新号の中身を一足先にご紹介します。
今まさに発展を遂げつつあるコーヒーシーンとその担い手を訪ねに、私たちはゴロンゴサ国立公園へ向かいました。
持続可能な空の旅など実現可能なのでしょうか? その問いに答えるには、まず「持続可能性」の意味を改めて考えなければなりません。
スペシャルティインスタントコーヒーは一時のブームに過ぎないのでしょうか。この長編エッセイで、その可能性に迫ります。
新たなカフェイン抽出技術の開発を通して、スペシャ ルティコーヒーの可能性を模索するストーリーライ ンの岩井 順子さんにお話を聞きました。
キーワードは「ゼロバイパス」。抽出率を格段に上げる新しいドリッパーの誕生秘話やそのメカニズムをご紹介します。
スピードや効率に目が向きがちなコーヒーの世界に、「注文に時間がかかるカフェ」を主宰する奥村 安莉沙さんがもの申す。
東京・清澄白河の老舗スペシャルティロースター、 アライズコーヒーロースターズの林 大樹さんが語る、公共の場としてのカフェと会話が生まれる空間。
ランス・ヘドリックさんが家庭用エスプレッソマシンの歴史を愛情たっぷりに語ってくれました。
ビンテージのレバー式エスプレッソマシン愛に溢れたカレンダー。
エスプレッソとサイクリングは歴史上どこで交差し、なぜ共に高級志向に傾いたのか。その背景を紐解い ていきます。
アルファロメオ所属のF1 ドライバー、バルテリ・ボッ タスと一緒にコースを爆走。カフェインは功を奏すのか!
少しスピードを落とし、ラスベガスのベストコーヒースポットを求めて、ストリップや近隣地域を巡ります。
今号のメインスポンサーは、オンラインのコーヒー診断を通して、約30万通りの組み合わせからユーザーのライフスタイルに合ったコーヒーを届けるPostCoffee。特集記事ではPostCoffee誕生の背景や同ブランドの哲学、これから目指す姿について代表の下村 領さんにお話を伺いました。
さらに今号は、スピーディーな環境にぴったりの新しいエスプレッソマシンEagle TempoをリリースしたVictoria Arduino、生産地への直接投資プログラム「リスティングデポジット」で明るいコーヒーの未来を創造するTYPICA、創業から35年間変わらずに品質を追い求める生豆商社のセラード珈琲、1 〜30kg のバッチサイズをカバーする4 モデルが揃ったPシリーズでこれからのコーヒーを支えるProbat x DKSH、コーヒーが育った土地とコーヒーを育てた人、その両方が合わさった生まれる唯一無二なコーヒーを日本に届けるSYU HA RIがパートナーを務めてくれました。ありがとうございます!
Standart Japan第25号のサンプルコーヒーを提供してくれたのは、ベトナム中部高原のダラット郊外にあるランビアン山で、コーヒー生産に取り組む山岡 清威さんと少数民族K'ho族のPatさんが中心となり立ち上げたプロジェクト「Lang Biang Coffee Project」(ランビアン・コーヒープロジェクト)。山岡さん自らが手がけたエアロビック・ナチュラルのマイクロロットをお届けします。焙煎のタッグを組むのは、東京の清澄白河にあるアライズコーヒーロースターズ!
コーヒーの詳細はこちらからチェックしてみてください!
]]>Standart Japan第24号のパートナーKiguが日本の代理店を務めるFellow。スタイリッシュで高性能な抽出器具は、世界中でコーヒーファンを魅了しています。そのFellowの製品ラインナップに新たに加わったグラインダーFellow Ode Brew Grinder Gen2 (オード ブリュー グラインダー ジェン2)の魅力について、Kiguの皆さんにお話を聞きました。
]]>このブログでは、そのFellowの製品ラインナップに新たに加わったグラインダーFellow Ode Brew Grinder Gen2 (オード ブリュー グラインダー ジェン2)の魅力について聞きました。
Fellow Ode Brew Grinder Gen2 (以下「Ode 2」)の特徴を教えてください。
Ode 2最大の特徴は、独自開発された64mmのフラット刃です。2年におよぶ開発期間の大半がつぎ込まれたこの刃の特別な形状により2段階のグライドが施されるため、微粉の量を抑えつつ粒度が安定します。また家庭での利用を想定していることから静音性を重視し、グラインド時の音もかなり抑えられています。
グラインドが終わると自動的に刃の回転が止まるオートストップ機能や、グラインダー内部に溜まったコーヒー粉やチャフを落とせるノッカーも搭載されています。ホッパーには一度に最大100gの豆を入れられるので、バッチブリューを準備するときも何度も豆を挽かずにすみます。ちなみに一部条件がありますが、メーカー保証が2年分ついてくるので安心してお使いいただけます。
Ode 2 はどのような抽出方法を主に想定して作られたのですか?
Ode Brew Grinder はフィルターコーヒー用に設計されました。ドリップはもちろん、モカポットやエアロプレス、フレンチプレス、コールドブリューなどにもおすすめで、非常に高品質なコーヒーが抽出できます。従来のエスプレッソには適していませんが、ターボショットのような挽き目の粗い設定であれば、問題なく使えます。
前モデルのFellow Ode Brew Grinder Gen1 からはどのような点が変わったのでしょうか?
一番は、挽き目の細かさが550ミクロンから300ミクロンへと改良され、これまで以上にクリーンで綺麗な酸が味わえるようになった点です。
また、新たに静電気低減機能が搭載され、排出口に付着するコーヒー粉の量が大幅に減りました。これでコーヒー粉をフィルターにセットする際にコーヒーやチャフが周囲に飛び散ってしまう、というトラブルがかなり改善され、お掃除の手間も軽減されます。
さらにホッパーとキャニスターがサイズアップし、1.5リットル程度のバッチブリューにも対応できるようになりました。ホッパー内部の角度が急になり、ホッパー内部に豆が残ってしまうことも少なくなりました。
今回の改良で、味わいがどのように変化したのか教えてください。
Ode 2 の開発には、2年の歳月がかかりました。Gen1 と比べると、浅煎りのコーヒーでよりフレーバーが出やすくなっています。また、Gen2 の開発責任者でQアラビカグレーダーの資格を持つニック・テルズーリさんは、よりコーヒーの質感やボディが感じられ、バランスの取れた味わいに仕上がるようになったと言います。(ニックさんの動画はこちらから)
欠点豆の有無や抽出のスキルを問わず、エッジの効いた部分を丸くしてくれるのが特徴です。プロアマ問わず、安定したクオリティのコーヒーが抽出できるのがFellow Ode Brew Grinder Gen2 の最大の魅力です。
最後に、Kiguチームのお二人(NaruoさんとShinnosukeさん)がFellow Ode Brew Grinder Gen2をYoutubeでご紹介されているので、実際の動きはこちらでチェックしてみてくださいね。
この記事は、Standart Japan第24号のパートナー kigu の提供でお届けしました。
]]>そこでStandart Japan第23号では、「生理とカフェ」で生理のある人に対してカフェが担える役割について取り上げました。さらにこの重要なトピックに関して引き続き業界全体で考えていくため、カフェと生理用品にまつわるアンケート調査を実施しました。
]]>そこでStandart Japan第23号では、「生理とカフェ」で生理のある人に対してカフェが担える役割について取り上げました。さらにこの重要なトピックに関して引き続き業界全体で考えていくため、カフェと生理用品にまつわるアンケート調査を実施しました。
本調査は、公共の場、とりわけコーヒーショップで生理中の人が直面する問題への理解を深めるとともに、広く生理一般についての話のハードルを下げ、偏見を減らすことを目的に実施しました。
ジェンダーを問わず多くの方からご回答をいただき、ありがとうございました。より心地良いコーヒーコミュニティが構築できるよう、以下の調査結果をご覧いただけたら幸いです。
また今回のアンケート結果をもとに、「生理とカフェ」の著者クロエ・スカイ・ワイザーさんにお話を伺いました。その様子をまとめた記事をStandart Communityで公開しています。こちらもぜひご覧ください。
今回の調査から、急に生理用品が必要になった経験のある方が多くいることが分かりました。トイレに生理用品が置いてあったら、緊急時に非常に助かる、というコメントもたくさんお寄せいただきました。
一方で、生理用品にかかる費用をカフェが負担することに疑問があるとの声も多数上がりました。こうした支援は事業者ではなく、行政が行うべき、また無料より原価分の支払いがあっても良い、というご意見もありました。
カフェがどの程度の役割を担うべきかについては著者との対談でも取り上げました。Standart Communityのオンライン記事もぜひあわせてご覧ください。
近年、月経カップやサニタリーショーツなど、生理用品の種類が増え、環境へ配慮したものも多数あります。こうした製品のカフェへの設置は現実的ではないかもしれませんが、認知度を上げてほしいという声もありました。
生理用品が男女兼用のトイレに設置されることへの抵抗はあまりない人が多い一方で、いたずらされるのではないか、衛生管理が十分になされるのか、と不安の声も聞かれました。衛生環境が整ったトイレがあると、生理時に抱く不快感を少しでも軽減できるかもしれません。
また、「生理用品が必要なら従業員に遠慮なく声をかけて下さい」と書かれた張り紙を見かけるものの、その瞬間に必要なのでできればトイレに設置してくれるとありがたい、というご意見もありました。
紙ナプキンとタンポン、両方を設置しているお店が多数ありました。
多くの生理用品には「軽い日」「普通の日」「多い日」「昼用」「夜用」など様々なサイズ(吸水量が異なる)があります。とあるお店では、様々なサイズを用意しているそうです。
例えば、「緊急時の使用を想定しているなら普通の日用、など生理用品を置く目的によって提供するサイズは異なります。どのサイズを選んだら良いか迷ったら、設置目的と合わせてご家族や周りの生理のある方々に聞いてみてください。
「生理とカフェ」や今回のアンケートを受けて、生理について考えるようになったというコメントをカフェオーナーの方々から多数いただきました。中には生理用品を設置されたというご報告も! お客様からは好評の反面、どのような容器に入れるべきかなど、新たな疑問も浮かんできたそう。
また、生理用品の設置は、そのカフェの特色、ブランドを構成する要素になり得るのでは、というご意見もありました。
これまでにカフェで働いたことがある方の中には、忙しさのあまり生理用品を変えられず、服を汚してしまうのではないかと不安を抱えながら勤務時間を過ごした人もいるそうです。
こうした不安な状況に直面しても、周囲に助けを求められないという回答も多数ありました。その背景には、「女性は体調が不安定」と一括りに捉えられてしまうことを忌避するケースや、具体的に何が辛いのか、どういうサポートが必要なのかが上手く伝えられないという課題を抱えている場合もあるようです。
また、今回のアンケートで、生理休暇の制度が整っている企業があることがわかりました。こうした制度がある企業では、取得実績を重ねることが重要だと感じます。実際に生理休暇を取得したことがある方は、ぜひ私たちに教えてください。
今回のアンケートを通じて、生理に関する考え方や感覚、さらには生理のある人が感じるサイクルごとの苦痛には、かなりの個人差があることに改めて気づかされました。そして、多くの方が毎月何らかの不調を感じているにもかかわらず、生理は組織ではなく、個人が解決すべき問題として認識されている場合が多いようです。
その理由は、長年この話題がタブー視されてきたからではないかと感じます。そのことを象徴するかのように、今回「気軽に話ができる環境ができていることに新鮮さを感じています」という感想をいただきました。
生理がタブー視されてきたからこそ、正しい情報が十分に広まっていないとも考えられます。例えば、多くの人がPMS(月経前症候群)に悩む傍ら、生理を経験した人からでさえPMSについて理解をえられず、症状に苦しみながら働いた経験がある方もいました。
個人差のある問題ではありますが、個人差があるからこそ、それぞれの人が感じる苦痛が少しでも和らぐようなホスピタリティをカフェで受けられたら、その人にとっては間違いなく忘れられない体験になるのではないかと、今回のアンケート結果を見て感じました。
改めまして、今回のアンケートにご回答くださった皆さん、貴重なご意見・お感想をお聞かせいただき本当にありがとうございました。
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音量を上げて再生ボタンを押し、コーヒーを淹れたら、あとはページを開くだけ。
プレイリストのテーマと、雑誌との繋がりについて教えて!
今号のテーマの一つ「メタル」と日本との関連について考えたとき、まず「神羅(ファイナルファンタジーVIIに出てくる架空の企業)」が頭に浮かびあがったんだ。続いて浮かびあがってきたのが夜の東京都心部の風景。そこで、人工的でありながら、ムーディーかつノスタルジック、と同時に心地よい程度に不穏な雰囲気を持つサウンドを探してまとめたのが今回のプレイリスト。
キリルが個人的に気に入っている曲は?
『ソーンフィールド館の炎上』。もう何年も前から知っていて、数年前に初めて日本をテーマにミックステープを作ったときにもリストアップしていたんだ。 その複雑さや多面性、控えめな美しさが、僕の中にある日本のイメージと符合すると今でも感じる。
最近ポルトに引っ越したけど、もう行きつけのお店はできた?
カフェ・カンデラブロかな。カフェというよりもバーだけど。 以前は本屋だった、というと悲しい話に聞こえるかもしれないけど、場所自体は素晴らしくてビールを飲みながら人を観察するには最適だね。 特に、フィルム・ノワールのような雰囲気の照明が気に入っている。
引っ越してから普段聴く音楽に変化はあった?
ポルトガルのシンセポップを掘り下げて、1時間のミックステープを作ろうと頑張ったんだけど、かなり難しいんだよ。思っていたより音楽シーンが大きくないみたい。 読者の中にポルトガル音楽に詳しい人がいたら、ぜひおすすめを教えてほしいね!
]]>Standart Japan 第24号には、中国雲南省のスペシャルティコーヒーを専門に扱うコーヒーブランド『Mountain Mover』(以下、マウンテンムーバー)のコーヒーがついてきます。
以下ではマウンテンムーバーのオーナー趙さんがおすすめする抽出レシピをご紹介します。コーヒーの詳細についてはこちらのページをご覧ください。
コーヒー粉:15g
お湯:240ml
湯温:93℃
メッシュ:中挽き(やや粗め、EK43Sの10ぐらい)
ドリッパー:ORIGAMI M with V60 Paper Filter
Yeast Fermentation Naturalを15g測ります。
湯通ししたペーパーフィルターに挽いたコーヒー粉を入れます。
50gのお湯を注ぎ、30秒蒸らした後、更に50gを注いでいきます。
液面が少し下がりましたら、100gのお湯を中心から外側まで円を描くように静かに注ぎます。(1分-1分40秒)
液面がコーヒー粉まで下がりましたら、最後の40gのお湯を少し高い位置で注ぎ、適度に撹拌しながら淹れます。2分30秒になったらドリッパーをサーバーから外します。
出来上がり。
Enjoy!!
▷ マウンテンムーバーに関する情報はこちらから
▷ 最新号のサンプルコーヒー関する情報はこちらから
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今号からStandartの判型がマイナーチェンジしました。およそ3年前に誌面デザインを一新したときにもお伝えしたとおり、チームStandartは読者のみなさんはもちろん、私たち自身も毎号興奮できるような雑誌をつくることを常に心がけています。
今回のサイズ変更は以前からチーム内で議論されていたもので、数か月におよぶトライアンドエラーの結果、より持ち運びやすく、そして見た目にもさらに美しい雑誌ができあがりました✌️ ページ数もなんと20ページ増量! これまでにも増して、広く、深くコーヒーの物語を伝えていきます。
それでは誕生から6年が経過し、また少し成長したStadart Japan最新号の中身をご紹介していきますよ。
紆余曲折の歴史を経てきた「美しき島」のコーヒー産業。しかし食文化の変化や地元バリスタの活躍によって、その行く末には光が差し始めています。
仕事をサボるために通った喫茶店でコーヒーに出会い、40年近く前にヴォアラ珈琲を創業した井ノ上 達也さん。自分を信じる力と行動力に溢れる井ノ上さんにそのキャリアを振り返ってもらいました。
ワイス・ディストリビューション・テクニックの歴史から効果的なやり方、プロとホームバリスタ向けの導入のメリットやヒントまで、世界のコーヒー専門家に聞きました。
アラビカのことは一旦忘れて、雄大な自然に身を委ねてみましょう。世界に眠る130種もの野生種には、コーヒーの未来を救う可能性が秘められているのですから。
神楽坂でアカアマコーヒージャパンを経営する山下 夏沙さんに、旅や自らの人生を表現するカフェという空間について、それから生産国で焙煎することの意味についてお話を聞きました。
コーヒーを楽しむ環境づくりには、足し算よりも引き算が大切なのかもしれないということを、とあるカフェが気づかせてくれます。
トラベルカルチャー誌『NEUTRAL』『TRANSIT』の創刊編集長として知られ、2019年にインディペンデントな出版社 Neutral Colors 立ち上げたる加藤 直徳さんに、雑誌や小規模出版の魅力、分かりづらいことの大切さについて聞きました。
スペシャルティカフェでは主役を張るエスプレッソマシン。でも所変われば、その役目や扱いにも大きな変化が。このフォトエッセイでは異なる環境に身を置くマシンを比較していきます。
コーヒーの分析によく用いられるリフラクトメーターで、本当にコーヒーの質は測れるのでしょうか? 私たちは何かを見落としているのかもしれません。
Click Coffee Worksとして、コーヒーにまつわるイベントの運営やブランドのサポートを行う古賀 由美子さんが、地元愛に欠けるコーヒーショップにもの申す。
コーヒーの風味やそこから人間が感じとるもの分析するにあたり、近年「知覚科学」という学際的領域が、注目を集めています。この分野の専門家にその訳を聞きました。
トップバリスタが時間をかけて磨き上げきたスキルや知識は、学者のそれに匹敵すると私たちは考えています。その理由をご説明しましょう。
船乗りたちが「海の酒場」と呼ぶ南アフリカの港湾都市には、美しい自然が広がっています。でもそれだけではありません。一緒に散策してその魅力を味わいつくしましょう。
今号のメインスポンサーは、生豆のダイレクトトレードプラットフォームを運営するTYPICA。特集記事では新イニシアティブ「TYPICA Lab」のもと、エチオピアへと旅にでた日本と韓国のロースターの足跡をたどります。
さらに今号は、誕生から10年を経てさらに進化したMythosグラインダーをリリースしたVictoria Arduino、誰もがいつでも飲めるコーヒーを届けるSwiss Water、「Made in Italy」の代名詞的存在イタルデザインとのコラボを通して生まれたFaeminaでカフェ以外の場にも高品質なコーヒーを届けるFaema、家庭用コーヒーグラインダーの最高峰と謳われる新型グラインダーをリリースしたFellowがパートナーを務めてくれました!
Standart Japan第24号のサンプルコーヒーを提供してくれたのは、、中国雲南省のスペシャルティコーヒーを専門に扱うコーヒーブランド、マウンテンムーバー(Mountain Mover)!
コーヒーの詳細はコーヒーページで、レシピはブログをチェック。
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Probatの最新式電動焙煎機P01が日本でもリリースされました。数多くのスペシャルティロースターに愛されていたProbatinoの後継機にあたるP01は、さらに多くのロースターたちの心を掴んで離さないはずです👌 日本総代理店のDKSHにその魅力について聞きました。
]]>熱源がガスから電気に変わったことで、コーヒーの味わいに変化は生まれないものなのでしょうか?
Probat独自の技術開発により、P01はガス式焙煎機と同様の加熱速度で、かつ細かなコントロールができるようになっています。以前お話ししたPIIIシリーズと同じ制御システムが搭載されているので、各種センサーの情報を参照しながらガス式加熱と同じようなカーブを描くことができ、再現性のある焙煎結果をもたらします。
P01はどんな使い方がお勧めですか?
P01は推奨焙煎量が0.8〜1.2kgと少量の焙煎に最適です。それから先ほどお伝えした制御システムによって焙煎時の状況を細かくモニタリングできるので、新しい焙煎プロファイルの開発にも役立ちます。PIIIシリーズの他の焙煎機(5kgや12kg釜)と組み合わせれば、レシピを迅速に移行できます。また、P01の前身であるProbatinoが農園や品評会会場でも使われていたように、サンプルロースターとして生豆の品質チェックにも活用できます。
とお伝えすると、すでに焙煎機をお持ちの方用と思われるかもしれませんが、初めての一台としてもおすすめです。P01には温度センサー、圧力モニタリング、ドラム用インバーター(ドラム回転速度を可変できる装置)、そしてソフトウェアを含むすべてがパッケージとして付属しています。それほど多くの焙煎量を想定していないながらも、最先端なソフトウェアを備えたマシンを探している方には、 P01 が最適です。また複数のデザインオプションが利用可能なので、お店の雰囲気や好みに合わせてカスタマイズできます。
例えばP01をテストロースターとして、P12 をプロダクトロースターとして使う場合に注意すべき点はありますか?
まずPlllシリーズ同士なら問題なく焙煎レシピを相互運用できます。ただ転用時に注意することとしては、焙煎機の大きさや設置環境によって性能の違い(暖気時間、内圧等の誤差)が出ることです。
暖気、内圧の誤差を調整するために、P05やP12ではVFDパッケージ(インバーター制御)や圧力モニタリングを付けることを推奨しています。
またPIIIシリーズよりクロップスターと共同開発したソフトウェアが搭載されており、同じソフトウェアが搭載された機種のみデータを共有できる点はご注意いただく必要があります。
この記事は、Standart Japan第23号のパートナーProbat x DKSHの提供でお届けしました。
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ブラックイーグル・マーヴェリックの特徴の一つとして「コントロール」がキーワードに挙げられていますが、これは具体的にどのような点を指しているのでしょうか?
前モデルに搭載されたT3テクノロジーは、メインボイラーとスチームボイラー、そしてグループヘッドの温度を管理し、緻密な抽出を実現する技術でした。マーヴェリックでは新たなエンジンが搭載され、エネルギー消費量を37%も抑えつつ、これまでと同じ精度でマシンをコントロールできるようになりました。
この進化を裏で支えているのがハードウェアのアップデートです。ステンレススチール製のスチームボイラーは容量を最適化、グループヘッドは4kgから2.5kgに減量して温度コントロールがしやすくなりました。
マシンが設定どおりに一貫して機能しなければ、バリスタが抽出をコントロールすることができません。逆に言うと、マシンにできることをマシンに任せられれば、バリスタは余裕をもって抽出とお客さまとのコミュニケーションに注力でき、コーヒー体験全体へのコントロール性も向上する、ということです。
もう一つ、新たな技術としてピュアブリュー・テクノロジーが搭載されましたが、こちらはどんなものなのでしょう?
抽出を3つのフェーズ【プレインフュージョン、インフュージョン、ポストインフュージョン】に分け、それぞれの流量とタイミングを変えることで、フレッシュかつ雑味のないフレーバーを実現する技術です。
注湯を3フェーズに分けて考えるアイデアは、もともとはアウレリア・ウェーブというマシンに搭載されたパルスジェット・テクノロジーで採用されていました。流量をコントロールし、ハンドドリップを淹れるようにエスプレッソを抽出することで、抽出の後半に出てきやすい苦味を抑え、リッチながらもクリーンな味わいを実現することがわかったんです。機械的な動きは多少異なりますが、ピュアブリューも考え方は同じで、初めて試したときは、ずっと飲み慣れていたイタリアンエスプレッソが、驚くほどうまく抽出でき、大騒ぎしたのを覚えています。
コーン型フィルター「ピュアブリュー・コーヒーフィルター」を使うと、ドリップのようなコーヒーも抽出できるということですが、こちらの機能についても教えてください。
ピュアブリューコーヒーは、フィルターコーヒーのような粒度のコーヒー粉を使って抽出するもので、標準レシピは20gコーヒーで250cc抽出するイメージです。フィルターは金属製なのでコーヒーのオイル、微粒を含んだ味わいになります。ピュアブリューコーヒーはエスプレッソマシンを使った全く新しいコーヒーなので、メニューの幅が広がります。ぜひ試して、色んなレシピを考えていただきたいです。去年スペインで行われたイベントでは、ピュアブリューコーヒーを使ったカクテルが提供されていました。
前モデルにあたるイーグル・ワンではサステナビリティが開発のテーマに設定されていましたが、マーヴェリックは環境負荷の面ではどのような利点があるのでしょうか?
環境負荷の面では、省エネに大きなアドバンテージがあります。先ほどお伝えしたボイラーサイズの最適化に加え、前モデルから継承されたT.E.R.S.(サーマル・エナジー・リカバリー・システム)では排水の熱で、マシンに供給される水を余熱してからボイラーへ送ります。さらにポンプモーターの周りにチューブを巻いて、モーターの熱もリサイクルすることで、大幅なエネルギー消費量の削減につながりました。コーヒーマシンは店舗にインストールしてからの環境負荷の方が圧倒的に大きいので、マシンの省エネが重要だと考え、力を入れています。
マーヴェリックで淹れたコーヒーを飲むのにおすすめのお店があれば教えてください。
2019年ジャパン・バリスタ・チャンピオンの石谷 貴之さんが所属する zero-waste cafe & bar 「æ」がおすすめです。ここならピュアブリューコーヒーも飲めます。夜はなかなか行けてませんが、エスプレッソマティーニをまた飲みたいですね!
この記事は、Standart Japan第23号のパートナーVictoria Arduino x トーエイ工業の提供でお届けしました。
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Standart Japan第22号のパートナーを務めてくれた、千葉県船橋市に拠点を置くコーヒーブランドPhilocoffea(フィロコフィア)。その共同創業者で2016年世界ブリュワーズカップチャンピオンの粕谷 哲さんに、Philocoffeaのシグネチャーライン「TOMODACHI」が生まれた背景や、生産者とのコラボレーションについて聞きました。
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Philocoffeaでは、「TOMODACHI」と名づけられた数量限定のコーヒーがいくつか販売されていますが、これは一体どんなものなのでしょう?
懇意にしている農園と台湾のエクスポーターTri-Up Coffee、Philocoffeaの3者で最高のコーヒーを作ることを目指すプロジェクトが「TOMODACHI」です。
大元をたどると、「自分で超うまいコーヒーを作りたい!」という気持ちが根幹にありました。それを実現する方法について一緒に生豆の買付を行っているTri-Up Coffeeのエリックに相談したところ、エチオピアの生産者と協力して最高のコーヒーを作り出してはどうかというアイディアが生まれました。
エリックは、買付はもちろんのこと、精製に関する広く深い知識を持っているので、彼と栽培のプロである生産者、それから焙煎と抽出のプロであるPhilocoffeaの3者が手を組めばすばらしいものが生まれるのではないかと考えたわけです。
具体的には、COE入賞経験のある生産者たちに協力をお願いして、エリックと独自に開発した手法で精製したコーヒーにTOMODACHIという名前を付けました。エチオピアを皮切りに、これまでエクアドルとコスタリカで同様の取り組みを実施し、今年はケニアで新しいTOMODACHIができる予定です。
「TOMODACHI(=友だち)」という名前にはどんな意味が込められているのでしょう?
まず友だちとしてコーヒーを育て、精製してくれている生産者への感謝の気持ちが込められています。TOMODACHIは実際に農園に行って関係を深めて、「哲とだったらオリジナルのコーヒーを作ってもいいよ」と言ってくれた生産者との協業の末に生まれたからです。
また、TOMODACHIを飲んだ人が生産者との繋がりを感じられるようにしたいという狙いもあります。毎年「あの友だち」のコーヒーが届くのを楽しみに待つような感覚を味わってほしいので。
それから、コーヒーを通じて世界が繋がっていく感覚を伝えたいという願いも名前の裏にあります。生産者とだけでなく、僕たちPhilocoffeaやTOMODACHIを飲んだ人となど、コーヒーを通じて友だちの輪が広がっていってほしいと考えています。
精製方法はどのようなプロセスで開発するのですか?
もちろんケースバイケースだとは思いますが、初回となる2021年のエチオピアでTOMODACHIをつくるにあたっては、当時世界で話題になっていたコーヒーの精製方法について調べるところから始まりました。特に参考にしたのはコロンビアのエル・パライソ農園です。
そこから「発酵を2回繰り返すんだ」とか「パルピングで出た果肉と果汁も使うんだ」といった感じでパーツに分解していき、自分たちができること、協力してくれている農園でできることは何かを見定めていきました。あとはトライアンドエラーです。エチオピアのTOMODACHIは3年目を迎えて徐々に知見がたまり、プロジェクトのパートナーであるエリックが発酵についてさらに勉強しているので、pHと風味の対応関係などを見ながら引き続き精製方法を研究しています。
例えば、エチオピアのTOMODACHIは「ダブルアナエロビックハニープロセス」で精製されているとのことですが、これはどんな精製方法なのですか?
簡単に言うと、嫌気性発酵(アナエロビックファーメンテーション)を2回行う精製方法です。要点だけ説明すると以下のような流れでコーヒーが精製されます。
通常のアナエロビックプロセスとの違いは、一度パルパーにかけて、そのときに取り除いた果肉を再度タンクに入れて一緒に発酵させることです。これにより複雑で甘いフレーバーが生まれます。
精製方法の開発に伴うコストやリスクの負担について、生産者とはどのような取り決めをしているのでしょうか?
初年度は必ず全量買い取ると約束しています。実際には想定よりうまくいって他の人と分けなければいけなかったケースがありましたが、幸いこれまでのところ、生産者はおろか僕たちでさえ精製がうまくいかなくて何かしらの損失を被ったことはありませんでした。
コストに関してはpH計などの必要な資材の購入はサポートしていますが、それよりもできあがったコーヒー豆を高く買い取ることで生産者の努力に報いるという方針でプロジェクトを進めています。正直、設備投資については資金移動などに障壁がありなかなか進まないので、当面は今の体制を守りつつ今後生産者と話合って一緒に進めていきたいところです。
まだTOMODACHIを飲んだことがない方へ一言どうぞ!
一緒に作り上げる過程を、年々楽しめる。これがTOMODACHIの醍醐味であり魅力です。「今年はどんなTOMODACHIだろうか」「そろそろあの国のTOMODACHIがやってくるのではないか」「去年とはここが変わった」など、毎年TOMODACHIの変化や成長を感じてもらいながら、世界一のコーヒーを作るという目標を応援していただけると嬉しいです。
数ある植物性ミルクの中でもOATSIDEのオーツミルクを選ぶべき理由を教えてください。
OATSIDEのオーツミルクは自社工場で全て生産されており、独自の酵素処理を施すことで水っぽさがなく、とてもリッチで甘いのが特徴です。そのため、コーヒーの風味を邪魔しません。また多くのメーカーが加熱工程でオーツをスチームするのに対しOATSIDEは焙煎しているため、オーツ特有の生臭さが消えるだけでなく香ばしさが生まれ、結果的にコーヒーとの相性が非常に良くなります。
植物性ミルクはフォームが作りづらく崩れやすいというイメージがありますが、それを克服するコツを教えてください。
前提として良いフォームにはタンパク質と脂質が必要です。実のところ牛乳はタンパク質と脂質のバランスにおいて、最適の素材と言えます。そこがまさにOATSIDEの革新的なところで、製造工程でこのフォームを作るのにちょうどいいタンパク質と脂質のバランスが築かれているため、オーツミルクだけどとても泡立ちが良いんです。
具体的なコツについては後ほどお話しますね。
オーツミルクをメニューに取り入れようと考えているカフェオーナーに向けて、コーヒーの選択やオペレーション面でアドバイスがあれば教えてください。
いわゆる「牛乳に対するオルタナティブ」には、ソイミルクやアーモンドミルクなどオーツミルク以外の植物性ミルクも含まれます。だからこそ、代替物として提案するのではなく、オーツミルクだからこそ飲みたくなるようなメニューを開発することが大事だと私は考えています。
OATSIDEのウェブサイトに掲載されている様々なレシピがきっとそのヒントになるでしょう。抹茶とオーツミルク、エスプレッソを合わせたミリタリーラテのような特別メニューはもちろん、抹茶ラテに取り入れてみたり、夏に喜ばれるエスプレッソバナナシェイクのオーツミルクバージョンを作ってみたりと、様々な使い方ができます。要するに、牛乳のサポート的な使い方をするのではなく、オーツミルクならではのドリンクを作ることで、単価アップも見込めますし、お客様に新たな価値を提供できるということです。
コーヒーとの相性という観点では、OATSIDEのオーツミルクは甘くて濃厚なので、チョコレートっぽいクラシックなエスプレッソとも相性が良いですし、酸味のあるフルーティーなエスプレッソにも、その酸味をオーツミルクの濃厚でリッチな味わいがバッファしてくれて、とてもよく合います。後者に関しては、フルーティーで酸味がより感じられるアイスラテなどとは、本当に相性が良いですね。
オーツミルクは開封するまで常温で保管できる、まさに理想の「ミルク」です。上手く取り入れれば、メニューのバリエーションを増やすことができますし、ヴィーガンのお客様や乳糖不耐症のお客様に対しても、より多くの選択肢を提案ができると考えています。
2023年よりワールド・バリスタ・チャンピオンシップ(WBC)でも植物性ミルクの使用が認められることになりましたが、ミルクの選択肢が増えることでコーヒーの楽しみ方がどのように広がっていくと思いますか?
SCA(スペシャルティコーヒー協会)のCompetition Strategic Committee(競技会のビジョンやミッションを策定しアクションプランを元に戦略を決める委員会)で、WBCでも植物性ミルクの使用を認めようという決断を下しました。WBCの動きは、植物性ミルクを積極的に受け容れようとする世界的な動きと呼応しています。
最も大きなポイントは牛乳の環境負荷に対する懸念です。また、世界にはヴィーガンや、乳糖不耐症の方もたくさんいらっしゃいますよね。ヴィーガンの方が(牛乳のような)動物性のものは全く摂らないのはすでに周知の話ではありますが、日本人にとってより身近な話題が、乳糖不耐症です。乳糖不耐症というのは体内でラクトース(乳糖)を分解できない症状なのですが、簡単に言うと、牛乳を摂取することによってお腹が緩くなってしまうことを指します。実は、本当に飲めない人だけではなく、アジア人の約8~9割がこの乳糖不耐症に該当するらしいんです。
こういった背景から、WBCでも植物性ミルクが導入されるに至ったわけです。
その一方で、「完全に植物性ミルクに切り替えればいい」「牛乳が悪だ」とは微塵も思っていません。私は植物性ミルクと動物性ミルクが共存することで、よりサステナブルな未来が築けると信じています。
大事なことは、選択肢を増やすこと。「牛乳だけ」または「植物性ミルクだけ」とラディカルな立場をとるのではなく、多くの選択肢がある中で、「今日はオーツミルクが飲みたいな」「今日は牛乳が飲みたいな」といったように、様々なニーズを満遍なく満たしていくことが、私たち、嗜好品を扱う業界にいるプロの責務だと考えています。
繰り返しになりますが、植物性ミルクと動物性ミルクの共存こそが、とても重要だと確信しています。
最後にOATSIDEを使ったおいしいラテのレシピを教えてください。
先ほど、植物性ミルクはフォームが作りづらく崩れやすいという話が出ましたが、この質問とも関連しますので、その話をもう少し深堀りしますね。
ポイントとなるのが、エスプレッソとミルクのpH(水素イオン指数)の差です。エスプレッソはpHが低く(つまりは酸性の度合いが強い)、通常pHが低い液体の中に植物性のミルクを注ぐと植物性タンパクが凝固し、ザラザラした質感が生まれてしまいます。植物性ミルクだとラテアートが描きづらいという話も、それもまさにこの凝固が原因です。あとはフォームを形成するための油の量が少ないという要因もあります。
pHの差や成分についてはどうにもできないのですが、植物性ミルクでラテが作りにくいもう一つ要因となっているのが、温度の差です。非常に高い温度のエスプレッソの中に、冷たい牛乳やオーツミルクを注ぐと、一気に凝固が進んでしまいます。温度差に関しては、ちょっとした工夫で改善できるので、私がおすすめするおいしいラテの作り方と合わせてご紹介しますね。
まず、エスプレッソを冷やします。「エスプレッソを冷やしていいの?」と思うかもしれませんが、実はこの点について私が携わっているバリスタハッスルというコーヒーのオンライン教育サービスで、以前検証したんです。
ダブルスパウトのポルタフィルターを使っている場合、2ショット取れますよね。例えばラテを一つ作った際に1ショット使って、残りの1ショットは捨ててしまうことも多いと思います。そこで余ったコーヒーをとっておき、30分~1時間後にラテを作った場合、味わいに差があるか検証しました。結果、ほとんど味わいの差は出ませんでした。
この結果を植物性ミルクに応用し、抽出したエスプレッソを冷蔵庫の中に入れて1~2時間程度置いて温度を下げておけば凝固を減らせます。そして冷やしたエスプレッソとオーツミルクを一緒にピッチャーに入れスチームすると乳化が進み、トロッとした質感が生まれます。オーツミルクの風味とコーヒーの風味がうまく調和するので、本当におすすめです!
重要なポイントだけ繰り返すと……
アイスラテに関しても同様です。冷やしたエスプレッソを準備して、そこにしっかりと冷やしたオーツミルクを入れます。ホットとアイスに共通するポイントはオーツミルクをしっかり冷やすこと。おすすめの比率は、エスプレッソが1に対してオーツミルクが4〜5。ぜひみなさんもOATSIDEのオーツミルクで試してみてください!
この記事は、Standart Japan第23号のパートナーOATSIDEの提供でお届けしました。
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コーヒー粉:20g
お湯:320g
ドリッパー:Hario V60
40g(使用するコーヒーの倍)のお湯を注いで蒸らす
30秒経ったら160gのお湯をゆっくりと注ぐ
流量を増やし、ドリッパー内を渦舞うように太い線で残りの120gのお湯を注ぐ
Enjoy!
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さらに今号は、Black Eagleシリーズ最新作MaverickをリリースしたVictoria Arduino、シェードツリーを植樹する新イニシアティブ「OKAGESAMA」を通じてサステナビリティの循環を目指すTYPICA、全電動のショップロースターでさらに焙煎の可能性を広げるProbat x DKSH、おうちでも外でも使えるコーヒーウェアを新たにリリースしたMiiR、「やっぱり牛乳派」のあなたを変えるオーツミルクOATSIDEがパートナーを務めてくれました。ありがとうございます!
Standart Japan第23号のサンプルコーヒーを提供してくれたのは、韓国の老舗スペシャルティブランド、フリッツコーヒー!カーボンニュートラルの農園で栽培されたパライネマ種をお楽しみください。
コーヒーの詳細はコーヒーページで、レシピはブログをチェックしてみてください。
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CROWD ROASTER は自分好みのコーヒー豆を、 日本を代表する焙煎士たちに個人が焙煎依頼できる最先端のアプリ。焙煎士や生産者、輸入商社などのコーヒープロフェッショナルと熱狂的なコーヒーラバーとをつなぎ、革新的なコーヒー体験をもたらします。
簡単にダウンロードできるスマホアプリのほか、WEB アプリからも利用可能。アカウントを作成すればすぐにCROWD ROASTER コミュニティにログインして新たな体験を楽しめます。
CROWD ROASTER には、国内有名商社が取り扱う銘柄のほか、カップスコアが高いだけでなく、独自輸入した一般に流通していない入手困難な銘柄などCROWD ROASTER プロジェクトに参画しているコーヒー業界のフェローや焙煎士から 評価された生豆がラインナップされています。中米、南米、アフリカなどの生産国が網羅され、価格帯も焙煎豆で100 グラムあたり1,000 ~ 12,000 円台と幅広い銘柄を楽しめます。
アプリ内では、常時「ローストイベント」が開催されています。その仕組みは、複数のユーザーが集まって焙煎してほしい生豆を、参加焙煎士に 「焙煎リクエスト」して焼いてもらうという、クラ ウドファンディングのようなもの。
ユーザーからのリクエストがロースターの釜容量に達すると焙煎が始まり、完了したら手元に焼き立ての焙煎豆が届けられるというシステムで、 これは今までにない画期的な仕組みだといえるでしょう。
またCROWD ROASTER アプリには生豆を購入 してストックする機能もあります。保存期限はあるものの、たとえばコミュニティの中で人気が高く、そのときに押さえておきたい銘柄は生豆の状態のまま購入しデジタルで管理できます。この仕組みによってストックしている生豆を自分の感性にマッチする焙煎士に出会えたときに焼いてもらうという斬新なオーダースタイルが可能です。
自分好みのフレーバーやローストレベルなどからローストイベントを選んだり、好きな焙煎士を独占してとっておきの生豆を焙煎してもらったり という夢のような願いもこのアプリによって叶えることができるのです。
ただし、希望する銘柄を焙煎してもらえるかどうかは、焙煎士の判断がすべて。自分のスタイル ではそのコーヒーがおいしくならないと判断した ら、焙煎依頼をしたとしてもオーダーを受けてくれないこともありえます。ユーザーは焙煎士に対 しての最大限の敬意を持ってコミュニケーション すべきというのがCROWD ROASTER の考え方。 そこにはCROWD ROASTER は焙煎士やコーヒー 農家という職業の認知と地位の向上を目指し、コーヒーが手元に届くまでの過程を消費者であるユーザーに正しく理解してほしいというメッセー ジが込められています。また、実際に焙煎されたコーヒー豆を味わったユーザーからの声が焙煎 に届く仕組みも搭載。この機能によって世界中の コーヒーシーンがより近いものになります。
コーヒーは飲んでみておいしいかどうかが最も 大切だと考えるCROWD ROASTER 開発チーム。 コーヒー豆の価格や焙煎士の知名度といった基準にとらわれず、本当に自分好みのコーヒーを見つけだしてほしい——そんな思いから、生産、流通、焙煎など、今まで見えにくかったコーヒーの裏側を誰もが体験できるデジタルツールの開発に至りました。
一杯のコーヒーの裏側にあるのはコーヒープロ フェッショナルたちの試行錯誤と努力の数々。果実が焙煎豆になるまでの過程を担う人々やそのコーヒーを愛してやまないユーザー同士が、アプリ上で対話しながら真剣にコーヒーを選ぶことで、コーヒーに対する価値観の変化が訪れる。 CROWD ROASTER は、エンドユーザーのコーヒー体験が変わることが業界全体を活性化させる原動力になると信じています。
まだ産声を上げたばかりのCROWD ROASTER ですが、その理念と姿勢に賛同する焙煎士や生産 者に支えられ、コーヒーをより深く感じるプラットフォームとしての進化が今後も続いていくことでしょう。
石:参加焙煎士であるお二人はこのサービスを知ったときにどんな印象を持ちましたか?
木:コーヒー関連のウェブサービスやアプリは増えてきましたが、生豆と焙煎士を選べるものはなかったので、アイディア自体に新しさを 感じましたね。
鈴:率直に言うと「運営が大変そうだな」というのが第一印象でした(笑)。ただ焙煎士個人にフォーカスしている点にとても興味を持ちま したね。シェフやパティシエって店名に自分の名前を付けたり、かなり個人の名前が立っ ているじゃないですか? かたやコーヒーを見てみると、Glitch のことを知っていても僕のことは知らない人が大半だから、CROWD ROASTER を通じて焙煎士という職業の捉え方が変わるかもと期待しています。
石:僕は焙煎士の選出にも少し関わっていて、日 本全国の焙煎士個人が光る小・中規模ロース ターをできるだけ推薦したいと思っていたので、そう感じてもらえるのは嬉しいです。バリスタと焙煎士の間にさえ注目のされ方やお客さんとの距離には違いがありますからね。 ところで実際にCROWD ROASTER 向けに焙煎をされる中で、何か気づきはありましたか?
木:Woodberry では発酵系のコーヒーは扱ってないんですが、CROWD ROASTER では意識的に 変わった精製方法の豆も焼いているので、自分の焙煎士としての幅が広がる気がしますね。 それから僕と同じ生豆を他の焙煎士の方が焼いているのを見かけると、自然と身が引き締 まります。
鈴:生豆の分量を考えるとテスト焙煎が2、3 回しかできないので、「アナエロビックでエルサルバドルならこんな感じかな」と、これまでの経験を総動員して取り組むところに少し競技会のような側面を感じて、良い緊張感を生んで います。
石:焙煎士の比較はユーザーが楽しめる要素でもありますね。せっかくコーヒーを好きにな りはじめたとしても、ネットで検索すると無数のウェブショップが出てくるから、選び方が分からず結局は誰かのおすすめに従っちゃう人が多い。最初はそれで良いんですが、やがて自分の好みを深掘りしたくなったら、 CROWD ROASTER みたいに全国で活躍する 焙煎士がキュレートされていて、同じ豆を選べば焙煎の違いまで知れるというのはとても助かりますよね。
鈴:ユーザーからアプリ上でコメントをいただくこともあるんですが、みんなすごくマニアック! 店頭ではあまり聞くことがないレベルで詳細な風味についてのフィードバックをもらえるので、それを読むのも楽しいです。
木:「想定より酸が強めに出た」とか「質感が思ったより軽かった」とか、焙煎士を前にしては言いづらいであろうコメントをもらうことも あります。匿名だからこそ率直な意見を伝え られて、その一方で目的があるプラットフォー ムだから誹謗中傷などにつながらないのは、すごく良い塩梅だなと感じます。
石:ユーザー目線ではオフラインのやりとりにも良い影響があると思います。やっぱり店頭で細かな感想を伝えるのって結構ハードルが高いと思うんですよね。手元にある情報も少な いから、ある種の瞬発力が必要というか。でも例えば、ローストイベントのページにある 焙煎士のコメントを読んで、実際にそのコーヒーを飲めば、お店に行ったときに焙煎士としっかり話ができるくらいの情報を得られます。最後に、今後お二人はCROWD ROASTER のどんなところに期待していますか?
木:焙煎の違いを楽しむというのはもちろんなんですが、逆に言えば焙煎が変わることで見えてくる生豆の特徴も変わるので、もっと多くの人がさらに広く、深くコーヒーを楽しむきっかけになってくれると良いですね。
鈴:焙煎士目線だと、同じ豆を焼いて勉強会をするとか、それぞれのロースターの2番手の焙煎士がローストイベントをやるとか、焙煎士個人に注目しているからこその企画が今後生まれてくると、焙煎士にとってもユーザーにとってもさらに楽しくなりそうです。
この記事は、Standart Japan第22号のスポンサー、CROWD ROASTER の提供でお届けしました。
CROWD ROASTERのアプリにご興味のある方は、こちらからチェックしてみてください。
]]>麻袋一袋からダイレクトトレードできるオンラインプラットフォームを運営するTYPICAが、新たにコーヒーサブスクリプションサービス「TYPICA Club」をローンチしました。これまで生産者とロースターのつながりを媒介しながらコーヒーのサステナビリティ向上を目指してきた同社が、今サブスクリプションサービスに乗り出した背景や、生産者にチップを送れる仕組みなど、サービスの詳細について聞きました。
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まずはTYPICA Clubの概要について教えてください。
TYPICA Clubは、日常の一杯のコーヒーを通して生産者・ロースター・コーヒーラバーがお互いに関係を深め合える、コミュニティ型のサブスクリプションサービスです。
申し込みは年一回で、毎月私たちが選んだ生産者のコーヒー豆が1種類、1年で合計12種類の焙煎豆をお届けします。それぞれのコーヒーは日本各地で活躍するパートナーロースターに焙煎いただくので、コーヒー豆と焙煎の両面で彩り豊かなコーヒーを楽しんでもらえるようになっています。
「コミュニティ型」とはどういうことなのでしょうか?
TYPICA Clubのメンバーはコーヒー豆と生産者やロースターについての情報を入手できるだけでなく、コーヒー生産者と直接つながり、メッセージを伝えたり、チップを渡したりできます。
私たちはこれまでダイレクトトレードプラットフォームを通じて、生産者とロースターを主役にコーヒーのサステナビリティ向上を目指してきました。その核は今後も変わりませんがTYPICA Club誕生の背景には、生活者の皆さんにもこのムーブメントに参加してもらいたいという思いがあります。そのためTYPICA Clubのメンバーがただコーヒーや情報を受けとるだけでなく、能動的に生産者に感謝の気持ちを伝えたり、コーヒーをもっとおいしく、サステナブルにするプロジェクトのためにチップを送ったりできる仕組みを導入しているんです。
チップ機能についてもう少し詳しく教えてください。
TYPICA Clubのメンバーはコーヒーを楽しんだあと、ウェブサイトのマイページからクレジットカード払いで簡単に、100円からチップを送ることができます。このチップは予め設定されたプロジェクトに対する投資、つまりはクラウドファンディングのような形で生産者の元へ届けられます。
例えば、環境に優しい脱穀機の導入やシェードツリーの植樹から、道や橋などのインフラ整備まで、さまざまなプロジェクトが生産者の手によって立ち上げられています。すべてはおいしいコーヒーのサステナビリティを高めることを目的としているため、感謝の気持ちを形にしたチップが、最終的には生産者だけでなくコーヒー業界やコーヒーラバーにとってもポジティブな形で循環し、メンバーは翌年、翌々年とさらにおいしくなったコーヒーを楽しむことができるのです。
TYPICA「Club」ということで、メンバー同士の交流やイベントなども予定されているのでしょうか。
コーヒーを飲みながら、Clubメンバーが、コーヒー生産者やロースターと交流するイベントを考えているほか、メンバーが世界中の生産地を訪れる旅の企画も進行中です。 2023年度のメンバーシップのお申し込みは1月31日が締切となっておりますので、ぜひこの機会にお申し込みください!
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